稲荷神社の焼印

私が生まれ育った地元小樽の高島稲荷神社の焼印を製作しました。高島稲荷神社は高島漁港から少し離れた高台にあります。お祭りしています祭神は、倉稲魂命(うがのみたまのみこと)、市岐島姫命(いちきしまひめのみこと)、小彦名命(すくなひこなのみこと)です。古くは、祝津と共にニシン漁で全盛を謳歌した地区で北洋漁業が200海里問題で衰退する以前は、盛大な夏祭りも行われて、神社の境内に特設の舞台が設けられて御稚児さんという子供たちが舞う神楽や、青森のねぶた祭を思わせる山車が沢山でまわる行事も行われていましたが、北洋漁業の衰退に始まり、漁業全般が低迷して、地元の基盤産業がなくなり段々と衰退してきました。小さい頃はお祭りも盛大で3日間行われいましたが、今は、規模もかなり小さくなり、日程も2日間に短縮されたようです。基盤産業がなくなると、小樽でも市内から離れた位置にあるので、人々の流出が続き、若者人口が減り、商店や病院等の生活に必要な施設が減っていき、高齢者の占める割合が多いさびれた地区になってきています。全国的に同じような現象が起きている状況なので、その一端と言えばそうなのですが、故郷ですので、すごく寂しい思いがします。

左の写真は、高島神社様から焼印を作るさいに頂戴した落款の画像です。線が途切れたり一部分不鮮明が部分がありましたので、修正しつつ、枠を細くしたりしてデザインを整えてから、神社の了解を得て製作にかかりました。右は出来上がった焼印をシナベニア板に試し押しした時の画像です。高島神社の焼印、同じデザインで30ミリ角の100W電気ゴテ仕様のものと50ミリ角の直火式仕様の2本を同時に製作しました。又、幼少期に高島神社の境内で遊んだ記憶が鮮明に残っており、境内に生えていたグスベリの実をとって食べたり、友達とかくれんぼをしたり、境内に「どんきび」と呼ばれるコメを使ったお菓子を売る業者が来ていて大きな爆発のような音を立ててどんきびを作り売っていた姿、お祭りの時の笛の音や家族で初もうでに行った時の様子や、初めて車を買った時に、高島神社でお祓いをしてもらい、お守りをもらった記憶等々..文章を書きながら小さい頃の色々な事が次々と思い出されます。
そういえば、お祭りの時に天狗の恰好をして一本下駄で練り歩く行事もあり、知り合いが天狗役をしていたのでついて回った事もありました。

 

波の焼印

下坂様から浮世絵に出てくるような波の焼印製作を依頼されました。葛飾北斎の富嶽三十六景の神奈川沖波裏のような荒波で波がしらがたっているようなデザインの中にアルファベットで「keiko」と印してある焼印です。私の暮らしている小樽市も日本海に面しており、冬にはよく大荒れになります。前に仕事の用事で、冬の時期に小樽から舞鶴までフェリーで行ったことがありますが、海がしけていて船がすごく揺れてしまい、ベットの中で寝て過ごした経験があり、それ以来、冬の日本海のフェリーには乗らないようにしています。そんな荒れる海ですが、未来に向けての新しいエネルギー源としても注目を浴びています。その一つが波を利用した波力発電で、波力発電には大きく分けて二つの方法があります。その一つが、波の上下の動きをジャイロを使い回転運動に変換する方法で、ジャイロ式発電といわれています。もう一つは、空気室と呼ばれる部分を波の上下運動を空気の押し出し運動に変えてタービンを回す方式で、ジャイロ方式の方が効率がよく実用向きだそうです。又、波力発電ではありませんが、海が荒れるということは、海上に強い風が吹くということで、海上に風車を取り付けた海上風車発電も有用かと思います。只、一年中波が高いわけではなく、波力発電に向かない時期もあることから波自体の運動エネルギーを使うのではなく、海の海面部分と深い部分の海水の温度差を利用して、発電を行う方法も研究中だと聞いています。四方を海に囲まれた日本は、海洋のエネルギーを有効に使うことでエネルギー問題を解決できるのではないでしょうか?産業の発展に必要な3つの要素として、資源、エネルギー、労力があげられますが、少子高齢化を迎えた日本の労働力問題を解決するのは、人口知能だといわれています。又、資源の問題は、日本近海にある熱水鉱床から効率的に資源採掘できる技術待ちですし、エネルギー問題も日本の自然を生かした対策を進めれば解決できるのではないでしょうか。産業構造的に見ればピークを過ぎた日本ですが、持ち前の技術力を工夫を活かせれば、これからも世界をリードしていけると思います。

左の写真は下坂様から焼印製作用に頂戴した画像データです。このデータをトレースして版下データを作りました。右の写真は、出来上がりました焼印をシナベニア板に試し押しした時の画像です。焼印の大きさは、幅20ミリ×高さ16ミリの小さなサイズで、80W電気ゴテ仕様で製作しました。

じゃんけんの焼印

グーチョキパーという会社の方からの注文でじゃんけんの焼印を3個製作しました。3個の焼印はそれぞれ、丸の中にグー、丸の中にチョキ、丸の中にパー各1個ずつです。前に小さな手の形だけのじゃんけんの焼印を製作したことがありますが、その時は、グー、チョキ、パーが並んだ1個の焼印でした。じゃんけんは昔からあります日本の遊びで、色々な勝敗を決めるのにも使われています。グーは石を表して石は、はさみ(チョキ)では切れないのでチョキより強く、パーは紙を表していて紙は石を包みこむ事ができるのでグーよりも強いというようにお互いの強弱が決められています。日本じゃんけん協会という組織もあり、そこでは「じゃんけん必勝法」が伝授されており、例えば、初心者の傾向として出しやすいグーを最初に出す確率が高いとか、よく考えてからじゃんけんをする人の場合には、チョキやパーを出す確率が高くなるので、チョキを出すのがベストだとか、あいこになった場合には、人は別の手を出す確率が高いので、例えばグーであいこになった場合には、相手は、相手はパーかチョキを出しやすくなるので、相手のグーに負けるチョキを出せばよいそうです。只、チョキであいこになった場合のみ、次回もチョキを出した方が、チョキからグーを出しにくいということで勝率が上がるそうです。ただし、相手の手が読めない場合には、パーをだすのが良いそうです。色々と考えてじゃんけんをしているのですね。それとじゃんけんと言えば、私の小さなころは、じゃんけんぽんで始めましたが、いつ頃からか、「最初はグー、じゃんけんぽん」に変わっていました。このことについて調べてみましたが、詳しいことはわかりませんでしたので、何方か知っている人がおりましたら教えて頂ければと思います。

左の写真は、丸にグーの焼印の画像で、隣はチョキ、その隣はパーの焼印です。それそれの焼印を別々の札に押してその札を出し合ってじゃんけんをするそうです。丸い枠と線だけで構成されていますので、非常に押しやすく、綺麗に押せる焼印です。大きさは3本とも同じで外枠で50ミリ丸になります。電熱仕様をご希望でしたので、200W電気ゴテを1本を使用して付け変えて使う方式をとりました。さらに、押しやすい用に、印面の丸い枠内とじゃんけんの手の部分に多数のガス抜き穴をあけて仕上げました。

にんにくの焼印

青森様からにんにくに関する焼印製作を依頼されました。にんにくはヒガンバナ科ネギ属に分類される多年草で、古代エジプト時代から栽培されおり、最古の医学書とよばれるエーベルパピルスにも薬としてのっています。日本には、中国経由で8世紀に伝わってきました。にんにくには、各種ビタミン、ミネラルが多く含まれていて栄養価の高い食品ですが、独特の香りやにおいがあり強壮作用があるために煩悩を呼びおこす原因にあるといわれ古来、禅宗では、ネギやニラとともに五辛と呼ばれて食べてはいけない食物でした。全世界のにんにくの8割を中国が占め、日本のにんにく生産については、青森県がその8割を占めており、青森ブランドのにんにくは世界生産1位の中国でも有名になっています。
にんいくの独特なにおいと香りには、魔よけの作用があるとされ、中世ヨーロッパでも家の戸口ににんにくを取り付けているシーンを吸血鬼映画等でよく見かけます。そんなにんにくも食べすぎたり、体調の悪い時のは、害がでるようで、胃腸障害やにんいくアレルギーを起こしたり、血液中の赤血球を破壊することもあるそうですので、とり方には注意が必要になります。餃子や中華料理に欠かせないメジャーな食材のにんにくには、にんにくの日という記念日があり、4年に1回の2月29日と定められいます。

左の写真は製作の為に頂戴しました画像です。カスレのある筆文字のような書体でできる限りカスレ部分を残したいということで、カスレ部分も丁寧にトレースしました。デザインに描かれいる「じょっぱり」とは津軽弁で頑固者という意味があるそうです。頑固なほど品質に拘り作ったにんにくということでしょうね。
右の写真は出来上がった焼印をシナベニア板に試し押しした時の画像です。細かなカスレ部分も印面上では出ていましたが、実際に焼印を押してみると、放射熱で変色してしまい写真からはわずかしか確認できません。只、写真ではなく、実際に押した板をよく見るとカスレ部分も多く出ていますので、時間をかけて作ったかいはあると思います。この焼印の大きさは幅80ミリ×高さ60ミリで大型の部類に入る焼印で、電熱式をご希望でしたので、300W電気ゴテ仕様で作りました。電源を入れっぱなしで一度に多くの板に押したいと言う事から400W用の大型コントローラもお勧めしました。一般的にカスレ文字のある焼印を押す場合には、印面温度を高めにして素早く押す方が綺麗に出やすくなります。

 

鎖デザインの焼印

東京DUGAS様より鎖をモチーフにしたデザインの焼印製作を依頼されました。データがbmpの画像ファイルでしたので、鎖の一つ一つをトレースしてデータを製作することになり、その分製作データの作成に時間がかかってしまいました。鎖に関しては、メタルアートでもシルバー製品の受注製作をしておりますので、既成の925銀製のチェーンやその付属品は取り揃えています。鎖自体をオリジナルで作りたいという要望もあり、925銀製のウオレットチェーンを製作したことがあります。ジーパンのベルト用フック部分に取り付けて、腰から垂らす形のチェーンで、中世ヨーロッパの貴族の家紋のようなデザインを組み込んで作りました。普通、鎖(チェーン)を作る場合には、チェーン編み機という機械で棒材をまげてくみ上げて溶接という動作を自動で行いますが、そんな機械はありませんので、1個1個手作りになります。この時製作したウオレットチェーンの場合、鎖も一つおきにデザインが異なっていましたので鎖1個用の原型を2個作り1個の鎖の輪を別々に鋳造してから、一つずつ組んで銀ロウでロウ付けする作業になりました。輪を1つずつ組むのも大変でしたが、ねじれたデザインの鎖を一つずつ手作業で研磨して磨く作業がとても大変でした。鎖の末端部分につけるフックについても、1からの製作でしたので、合うバネがなく、バネを使った色々な部材を購入してきて分解し一番合いそうなバネを多少加工してバネも自作しました。シルバー製品は、研磨が命ですので、いくら機械で研磨しても思った通りにはできませんので、最終的に手で研磨、バフ掛けして仕上げますので大変な労力と時間がかかります。銀自体の地金の価格はそれほど高くありませんが、工程にかかる時間と手間の分だけ金額的に高くなる商品です。

左の画像は、DUGAS様から頂戴いたしました焼印用のデザインです。画質が良くないので、そのままつかえませんでした。右の画像は出来上がった焼印をシナベニア板に試し押しした時のものです。鎖の輪の内側部分の余白が狭いので、うまく焼印を押さないと白い部分が変色してわからなくなります。製作しましたDUGAS様の焼印、大きさ的には大きい部類に入り、幅70ミリ×高さ48ミリになりますので、電熱式でということで300Wの大型電気ゴテを使いました。又、チェーン等の細かい部分が押しにくく、微妙な温度調整が必要になるので、300W用に対応した大型の温度コントローラも付けました。

おでん屋さんの焼印

あるお客様からの紹介で、ふじりん様の焼印を作らせてもらいました。ふじりん様は、小樽市花園町にあります酒処で、おでんと焼魚をメインにご提供しております。最初に電話をもらってから、初めてお店に行きました。殆どお酒を飲まない私は、地元とは言え花園町(小樽の歓楽街で、東京で言えば、新宿歌舞伎町の縮小版みたいな所です。)は殆どしりませんので、少し迷いました。お店が営業する前の午後4時頃でしたので、近くにいました飲食店におしぼりを届ける業者さんに聞いて場所がわかりました。お店は、建物の2階にあり、入り口の階段部分を上りますと、ガラス戸の内側にかかったのれん越しに店内を覗く事ができました。明るい作りの入り口を入ると左側に小さなお座敷があり正面にカウンターがあります。そのカウンターの上には、大きなおでんを温めるステンレス製の容器があり、開店前の準備段階でしたが、おでんの具が沢山入っていました。
お店の田中さんから、卵焼きに焼印を押したいとの事で名刺を渡され、名刺に印刷されているお店のロゴの焼印を直火式で作りたいとお聞きしました。
その後、少しお話をして、直火式で柄の部分はまっすぐにして35ミリの大きさの焼印を作ることになりました。

左の写真は、ふじりん様から頂戴した名刺のロゴ部分の画像です。中心部分の「ふじりん」とひらがなで書かれた部分を焼印にしますが、筆文字で極端に細い線があり、そのままの太さでは製作が出来ませんので、デザインを補正してからご確認頂き、製作にかかりました。中央の写真は出来上がりました焼印を試し押しで厚紙に押したときの画像です。白い細い部分が放射熱で変色している部分がありますが、もう少し温度を低めにして試し押しした方が良かったかもしれません。右の写真は、朝食時に出来上がった焼印を試しに押してみました。食品に焼印を押すのは難しいので、自分でもトライしてみました。食パンにはバターが塗ってありますので、周りが多少焼け焦げていますがハッキリと文字が読めます。隣の目玉焼きの白身部分にも試し押ししました。目玉焼きは背景が白いので印影がくっきりとでてわかりやすくなります。ベーコンは炒めたあとで、丸まっていましたので試し押ししませんでした。今回の焼印、卵焼きに使用するとの事でしたが、卵焼きよりも、おでんのはんぺんや焼き豆腐の方が押しやすく比較的綺麗に押せると思います。ふじりんさんのおでんが美味しそうでしたので、一度、営業時間内にお伺いして食べてみたいと思います。

よさこいの焼印

タケシデザイン様からよさこい祭りに関する焼印のご注文を頂きました。小樽に住んでいますので、隣の札幌で行われるよさこいソーラン祭りは見に行ったことがあります。会社や学校、その他いろいろな団体が踊りを披露してすごく活気のあるお祭りです。毎回、テレビ放映もされているので全国的にも有名になっていると思います。2018年の第27回よさこいソーラン祭りは6月6日から10日に開催されます。一般の審査員の募集が3月から始まるので、私も応募してみたいと思います。年々、広がりを見せているよさこいソーラン祭りですが、初めは高知県の「よさこい祭り」を元にして1992年に北海道のソーラン節を取り入れて始まりました。基本的なルールは2つで、高知県の「よさこい祭り」で使われる鳴子を手にもって踊ることと、曲の中にソーラン節のフレーズを入れることです。
よさこいソーラン祭りの様子は、ニコニコ動画の生放送で放映されたり、各種動画サイトでも放送されています。又、公式DVD、公式写真集やチームオリジナルDVD等も販売されています。よさこいソーラン祭りの期間と同時に札幌では色々なイベントが行われており、観客動員の相乗効果を上げています。例えばお客さんも踊り子も一緒になって見様見真似で踊るワオドリスクエアや海外からのゲストや昨年度受賞チームが披露するソーランナイト、40人未満の少人数で参加する魅力あるチームを審査するU-40大会、中学生以下の子供たちが競演するジュニア大会、全国各地のおいしいものが札幌大通り公園に集結する北のふーどパークなども同時開催されます。皆さんも参加してみてはいかがですか?

左の写真は、タケシデザイン様からのご注文で製作いたしました関西京都今村組の焼印の試し押し画像です。力強い筆文字で書かれ迫力があります。最初は今村組とは建設関係の会社ではないと思いましたが、その後、今村克彦さんが率いる有名なよさこいダンスチームだとわかりました。正確には、㈱OFFICE REY という会社が運営している創作ダンス集団で、子供たちにダンスを教えたり、コンサートを開催している滋賀県の会社でその会社の代表者が元教師の今村克彦さんということになります。今村組の焼印の大きさは高さ44ミリ×幅25ミリで、電熱式をご希望でしたので150Wの電気ゴテをつけました。右の写真は同時に作りました関東総舞黎という焼印です。達筆で読みにくい文字ですが特徴的で素晴らしいと思います。関東総舞黎とは、(かんとうそうぶれい)今村克彦さんが作詞、作曲した演舞曲で、そらーん祭りや学校の運動会等にも使われています。
関東総舞黎の焼印の大きさは、高さ44ミリ×幅24ミリで同じく150W電気ゴテ仕様です。

 

 

星のような焼印

要様から星のようなデザインの焼印製作を依頼されました。初めてデザインを見たときに、超新星爆発かな?と思いました。超新星爆発とは、重い星が最後に辿る運命で、太陽よりもはるかに重い天体でないと起こりません。太陽のような比較的軽い天体は、赤色巨星とよばれる大きな天体になり最後を終えますが、はるかに重い天体は、核融合反応の燃料となる水素等がなくなった後に自らの重力で収縮し始めて、ある時点で大爆発を起こします。それを超新星爆発と呼びます。太陽等の活動の元になっている核融合反応では、鉄よりも重い元素を作ることができないので、鉄よりも重い元素は超新星爆発のときに出来たものと推測されたいます。地球にも鉄より重い元素が沢山ありますので、遥か昔にどこかの銀河で起きた超新星爆発で出来た元素がめぐり巡り集まって地球だできたのでしょうね。そう考えると地球も宇宙の縮図だと思えます。超新星爆発の時に同時に大量のガンマ線が周りに放出されますが、この現象をガンマ線バーストと呼びます。ガンマ線バーストは、爆発を起こした星から5光年以内の星に住む生物を全滅させると言われる位に強烈でその影響は50光年(ちなみにキロ数になおすと475兆キロになります。)先まで及ぶそうです。幸いにも現在、地球から50光年以内に超新星爆発を起こしそうな恒星はありませんが、一説によると古代地球上に存在していた三葉虫が絶滅したのは、超新星爆発の影響を受けたという説もあります。
そんな超新星爆発ですが我々でもその様子を確認する事ができます。有名な所では、牡牛座のカニ星雲は超新星爆発できたものですし、白鳥座の網目星雲もそうです。広大な宇宙のどこかで今、この時にも超新星爆発は起きていると思います。地球は、最後には赤色巨星になった太陽に飲み込まれる運命ですが、我々人類はそれまで地球に存在しているでしょうか?その前の核戦争が起こって滅んでいるかもしれませんし、人類の活動による異常気象で滅んでいるかもしれません。或いは、宇宙技術の発展で、地球から遥か離れた別の惑星に移住しているかもしれませんね。

要様焼印
星のような焼印

写真は、要様からのご注文で製作いたしました星のような焼印の試し押し画像です。星の中心部から衝撃波が周りに広がっていくように見えます。大きさは、15ミリ角に収まる大きさで、電熱式をご希望でしたので、焼印の使用用途に合わせて少し大きめの80W電気ゴテで作りました。

焼印の特別な使い方

石本様より、伝承会という文字の焼印製作を依頼されました。製作する焼印の打ち合わせで、ともかく深く彫った印面にしたいとの事でした。焼印の大きさとデザインからすると特別に深く彫らなくても大丈夫だと最初は、思いましたが普通に印面の凸部分が黒く焼ける焼印として使うのではなく、焼けやすい木材に、印面の温度を高くして長めに押し当てて刃物で彫ったような深い彫りにしたいとの事でした。初めて聞く焼印の使い方でしたので、上手くいくのかわかりませんでしたが、深彫りで直火式焼印を製作しました。焼印の印面は6ミリ程の深さで彫りましたが、焼けやすい木材+温度が高め+長く押すという普段は犬猿しがちな3つの条件が重なっていますので、印面を深く彫るだけではなく、台座部分のオフセットもゼロにしました。ちなみに台座部分のオフセットとは、印面のデザインが彫られた部分に焼印の棒を取り付けたり、印面の温度を保持しやすいように台座とよばれる部分をつけます。この部分、押す素材の形状に合わせて変える事があり、例えば製材された四角い板に焼印を押す場合には、印面を板に対して水平にあてやすくする為に四角い台座にします。この台座部分、硬い素材に焼印を押すときには、目印にもなり役にたつのですが、逆に柔らかい素材に焼印を押す場合には、印面の沈み込みが大きいと、台座部分も素材にあたってしまい、台座部分の焼け跡が残ることになります。又、四角形でない素材に押すときには台座部分が四角形ですと焼印を押した時のイメージがつまえにくくなりますので、不定形の素材に押す焼印の場合には、印面の形と同じような台座にして印面を素材に押し当てるときの目安にします。その時に印面の形と同じで少し大きめに台座を作り、この同じ形で作る台座をオフセット台座と言います。そして印面のデザインと同じ形で同じ大きさの台座をオフセットゼロの台座と言います。普通、パンやケーキのような柔らかい素材に使用する焼印はオフセットゼロ~2ミリ程度で作りますが、今回は木材用でもオフセットゼロにして、更に高い温度を保てるように台座を厚めにしました。

左の写真は、出来上がった焼印をシナベニア板に普通に試し押しした時の画像です。丸みを帯びた優しそうな書体で、深く焼印を押した時に全体に丸くなる事を想定して選んだ書体だと思います。右は、後日、石本様より頂戴いたしました伝承会の木札を撮った写真です。素材は杉だと思いますが、木を全体的に焼いてから普通より熱くした焼印を長めに押し付けて彫るような感じで出来上がっています。 私の知らない焼印の使い方がまだまだあると思いますので、知っている方はご一報頂ければ幸いです。

四葉と英字の焼印

東京シュガーアート様からのご注文で、英語の文字と四葉のクローバーがデザインされた焼印を作りました。シュガーアートと聞くと私のような60歳近い年齢のものには、仏壇に上げる蓮の砂糖菓子を思い浮かべますが、シュガーアートとはそれとは全然違い、花びらやレースのような繊細なデザインの芸術性の高いものです。結婚式のウェディングケーキに飾り付けたり、おしゃれな小物としてお部屋の雰囲気を高めたりできる高機能な食材であり芸術品でもあります。又、東京シュガーアート様では、お客様からの注文以外でも、教室やワークショップも開いており幅広くシュガーアートを広めております。砂糖菓子とシュガーアートとの違いは、使う材料にもよるようです。シュガーアートでは、細かな造りを実現するために、粉砂糖に卵白を練り合わせてクリーム状にしたロイヤルアイシングと呼ばれる素材や、増粘剤を加えて粘土のように加工ができる素材も使われています。又、シュガーアートの本も出版しており、初めての方向けの「初めてのシュガーアート」やクリスマス関連に特化した「クリスマスクッキーデコレーション」や結婚式の場で使うお菓子を自分で作れるようにと「シュガーアートで作る私のウェディングケーキ」等の本も好評です。私的には、練り切り等を使った創作の和菓子の洋風版のような感じがしますが、創作和菓子の場合には、目で楽しんでから実際に食べるものですが、シュガーアートでは、食べられる食材で作らていますが、食べる事を主な事由にせず、目で楽しんでもらうことが目的のようで、直射日光の当たらない場所で、湿度の高くない所でしたら長期間保存できるように工夫されているようです。元々、砂糖菓子は保存のきく食べ物で、砂糖の濃度が高くなると雑菌が発生しにくく、又、水分も少ないので保存食にも向いていました。今まで直接、砂糖菓子に焼印を押したことはありませんが、お菓子を作るときの道具で、砂糖の表面に焦げ目をつけるカルメライザーという機械があり、構造は焼印と変わらない事から、何度かカルメライザーを作った事がありますので、その時の経験から、シュガーアート用の食材であれば、工夫すれば焼印を使うことが出来ると思います。一度、自分でも試してみたいと思います。

シュガーアート様焼印
東京シュガーアート様の焼印

写真は、東京シュガーアート様の依頼で製作しました、クローバーと英字の焼印のシナベニアへの試し押し画像です。焼印の大きさは、幅30ミリ×高さ17ミリで、電熱仕様を希望でしたので、100W電気ゴテを使用しました。