ダルマの焼印

共楽堂様からダルマの焼印製作を以来されました。顔の部分や目や鼻だち、ヒゲ等しっかりとデザインされていて一見、ダルマというよりもどこかのおじさんの様な印象です。ダルマといいますと一般には、選挙に当選した時に目を入れる真っ赤なダルマを思い浮かべると思います。実は、ダルマに目を入れるのにも決まりがあり、一般には最初に左目を入れて、願いがかなったら右目を入れるそうですが、選挙の場合は逆で、最初に右目を入れて、当選したら左目を入れるそうです。この時の左右はダルマから見ての左右ですので、お間違いなく。又ダルマの像が丸いのは、ダルマ像の元になった仏教禅宗の達磨大師が壁に向かって9年間座禅し続けて手足が腐ってしまった様子を表して丸い手足のない状態で作られていますが、地域によっては手足のあるダルマもあるそうです。ダルマの産地としては、高崎ダルマが有名で全国のダルマの生産量の80%を占めているそうです。又、全国各地でダルマ市と呼ばれる、ダルマを販売する市場が出ることからもダルマが日本人の生活に深く染み渡っているのがわかります。北国で冬になると作られる丸い雪像が雪だるまと呼ばれるのも座禅で手足を失った達磨大師の姿からそう呼ぶようになりました。その他にも庶民とダルマとは色々な所で関わっており、子供の遊びでも「ダルマさんが転んだ」という遊びや、ダルマに関連した玩具として、起き上がれ子法師と呼ばれる倒しても起き上がるダルマの像や、ダルマ落としという円筒形の筒を積み重ねて木槌で叩いて落とす遊び、「ダルマさん、ダルマさんにらめっこしましょう。笑うと拳固、あっぷぷ」と言って笑わせ合う遊びなどがあり生活に深く結びつています。日本人は、丸い物にダルマと付けるのが好きなようで、今はあまり見なくなりましたが、ダルマストーブと呼ばれる鋳鉄製の丸いストーブも思い出されます。
ひとつのものにコツコツとしんぼう強く取り組む日本人の気質と手足が腐るほど座禅に取り組んだ達磨大師の思いに通じるものがあるのでしょうね。

共楽堂様焼印
ダルマの焼印

写真は出来上がった共楽堂様の焼印をシナベニア板に試し押ししたときのものです。大きさは、高さ38ミリ×幅39ミリで、電熱式をご希望でしたので、150Wの半田ごてに取り付けてました。前にもう少しシンプルなデザインのダルマ饅頭に押す焼印を作りましたが、そのときはお菓子屋さんが使う焼印でしたので、直火式で柄の部分を90度曲げて製作しました。