コーヒーロブスターの焼印

小島様からヴァンキコーヒーロブスター様の焼印製作を依頼されました。コーヒーロブスターとは、コーヒーの焙煎機の事で、コーヒーの生豆を、加熱して焙煎することにより香りほ風味を際立たせるものです。元々、コーヒーは、野生のコーヒーの木が、山火事で自然に焙煎され、その香りを嗅ぎつけた人により広がったそうです。昔、コーヒーが大ブームした時に私もハマりました。アルコールランプでいれるコーヒーサイホンを買って、挽いたコーヒー豆を入れて飲んでいました。フラスコ部分をアルコールランプで温めることにより、サイホン効果でお湯が上部に上がる様子を眺めながらコーヒーが出来るのを楽しみに待っていました。その後、更にこり出して、自分でコーヒー豆を挽いて挽きたてのコーヒーが飲みたくなり、木製のコーヒーミルを買って、自分でコーヒー豆を挽いて飲みはじめました。今思えば、そのコーヒーミルの木の引き出し部分にコーヒー豆の印の焼印が押されていました。コーヒーミルを買った時に、コーヒー豆を売っていた店で、コーヒー豆を入れていた逆三角形の透明な容器が欲しくなり、お店の人に頼んで幾つか購入して、サイホンとミルのそばに飾って満足していた事を思い出しました。その後、豆を挽くのも飽きてしまい、今では、真空パックに入って紙の使いきり仕様のコーヒーをコーヒーカップのかけてコーヒーを飲んでいる始末です。技術の向上で、簡単に美味しいコーヒーを手軽に入れることが出来るようになり、サイホンやミルも必要なくなってしまったのは、少し寂しい気もします。

左の写真は、小島様から頂戴しましたヴァンキコーヒーロースター様のデザイン原画です。この原画をもとにして焼印製作用のデザインを作成しました。大きさは幅37ミリ×高さ43ミリで電熱仕様でしたので150W電気ゴテを使いました。
印面の文字部分は、原画が飾り文字でしたが、文字が小さいのでゴシック体の書体に変更して作りました。

紋章からの焼印

フレームワークのワイバーン様よりの依頼でドラゴンのデザインの焼印を製作しました。フレームワークとは簡単に言いますと物事の骨組みを作る事をいいますが、組織の運営や会社の経営等でも、方針や社風といったひとつの方向性を示した指針がありますが、これも広い意味ではフレームワークを言えると思います。又、コンピュータのソフト開発でも、基本的な仕様があって、その仕様に手を加えることで色々なアプリケーションを作りますが、この基本的な仕様の事をフレームワークと呼んでいます。メタルアートのフレームワークといえばロストワックス鋳造になると思います。この鋳造方法を基軸にして焼印やその他の金属製品を作ります。一般的に流通している製品やサービスでも、1から組み上げて作るのには大変な労力とコストがかかりますので、一番近い使用例を元に計画や予算配分、人員配置等を決めて行動に移します事から、どんなビジネスや研究でもフレームワークと呼べるものがあると思います。そして、社名のワイバーンにも意味があり、イギリスの紋章等に使われている想像上の生き物の竜をかたどった図柄をワイバーンと言うそうです。

ワイバーン様焼印
ワイバーン様の竜の焼印

上の写真は、ワイバーン様からの依頼で製作しました竜の紋章が入った焼印です。見たとおり、Wの文字部分が竜の頭部と体を表しており、ワイバーンの元の意味の竜の紋章をかけ合わせてデザインされています。上の英語で書かれたFramework Factoryの文字部分は飾り文字を使っているので、ヒゲ部分が細かったので、多少太くしての製作となりました。龍の体部分も細かな白い部分が多かったので、余白を広く取れるようにデザインを工夫しました。試し押しでは木に焼印を押していますが、革に押す予定ですので、もっと綺麗に押せると思います。今回の焼印の大きさは、幅87ミリ×高さ29ミリで、200W電気ゴテを使い電熱仕様で作りました。

革と木の焼印押し比べ

カジワラ様から小さな文字の焼印製作を依頼されました。kento kajiwaraという文字が2行に配置されたデザインで、幅20ミリ×高さ7.5ミリの大きさに13文字の英字があるものです。仕様は40W電熱式です。名前の小さな焼印製作の場合には、アルファベットを使うと文字数が多くなり小さく作るのが難しくなりますので、漢字で作る場合の方が多いのが実情です。今回も最初は明朝系の細い部分のある文字での製作がご希望でしたが、印面の大きさと文字数からすると、作ることが出来る書体は、ゴシック系の書体になってしまうので、相談の上でゴシック体での製作に決まりました。

左の写真は、出来上がった焼印をシナベニアの板に押した画像です。2行目の最後のaの文字の内側部分が変色して潰れてしまっていますが、同じ2行目の左にあるaの文字が潰れていないので、これは、試し押しをするときに右側の力が入りすぎた為だと思います。2行になっている文字列の下の行の方が長いので、実際に焼印を押す場合には、どうしても下の行の右側に力が集中してしまいますので、押す場合には注意が必要です。本来、上の行の間隔を広げて下の行と同じ幅にすれば押しやすいデザインの焼印になりますが、デザイン的な観点から上の行を短くして作っていますので、押す場合に注意が必要です。右の写真は同じ焼印をこげ茶色の革の押した画像です。シナベニアのときには潰れてしまったaの文字も革の場合には、綺麗に押せています。一番の原因は革の方がベニア板よりも密度が高く、表面が固めで、更に焦げにくい性質があるからです。只、革の場合、なめし方や色つけ等により押しにくい革もありますので注意が必要で、見た目で区別するのが難しいので、使用する前に、端っこに試し押ししてみて判断するのが一番良い方法になります。同じような事が木についてもあり、固めで、密度の高い木程、印面が密着しやすくなりその分押しやすくなりますので、固く、密度の高い白い木肌の場合には、少し焼印の温度を抑えて押した方が綺麗に押せますし、逆に木肌が黒っぽい場合には少し高めにした方が良いと思います。

 

会社の所在地焼印

福井県福井市の水口木材様ご注文の焼印を製作しました。会社の住所、電話番号、ロゴ等が入ったデザインで、木板に押せばそのまま名刺として使えるデザインです。昔、福井県には行ったことがあります。ナイフを趣味で作っていましたので、武生ナイフビレッジへ行きました。小樽から敦賀までフェリーが出ていますのでフェリーで行きましたが丁度、冬で日本海が荒れて具合が悪くなり、ずっとベットで寝ていました。時間がある旅だったので、敦賀でフェリーを降りた後、体の調子が戻るまでのんびりとして、武生へ行きましたが、冬の日本海のフェリーはこりごりです。武生ナイフビレッジは思ったよりも小さな感じで、職人さんがスプリングハンマーでナイフの地金を叩いているのを時間を忘れてみていました。福井県は、越前打刃物と呼ばれる刃物作りが有名で、越前打刃物とは、700年以上の歴史を持つ火作り鍛造技術で作られた刃物で、昭和54年に刃物産地としては日本で初めて国の伝統的工芸品に指定されたそうです。名前からもわかるように、鉄の地金を加熱して叩いて強度を上げる技法で、いまでは、近代的なデザインの刃物も多数作っています。武生ナイフビレッジでは色々な体験教室も行っており、私もペーパーナイフ製作を体験してきました。帰りがけにお土産用にハマグリ刃の子供でも安全に使える鉛筆用ナイフを数本買いました。ハマグリ刃とは、ハマグリの貝のように丸みを帯びた断面を持つ刃物の事で、強度と耐久性が向上するので、実用品として使う刃物には持って来いの技法だそうです。ご縁があったのでしょうか?後々になってナイフの柄の押す焼印の注文を頂いた事があります。

水口様焼印
水口様の会社の焼印

上の写真は、水口様ご注文の焼印をシナベニア板に試し押しした時の画像です。社長のお名前と会社名、住所、電話番号がデザインされた幅60ミリ×高さ50ミリの焼印で電熱式、300W電気ゴテ仕様で作りました。

英語長文焼印と商品タグ

わたべ様からのご注文で、英語の長い文章が書かれた焼印と商品タグに押すための焼印を製作しました。実は、焼印の原型を作るときに、モデリングワックスを文字カッターという先の細くなった刃物で削りますが、ここまでの工程は機械でできますが、ワックスを削った後に削った部分にワックスの削りくずが溜まってきますので、これを取り除く作業が必要になり、この作業、先の尖った柄付針での手作業となり、拡大鏡を覗きつつ慎重に取り除きますので、時間と労力が必要になります。過去にこの工程を短縮化できないかと、刃物の角度を変えたり、ワックスを特殊な溶剤で洗ったり、液状のシリコンゴムに浸して真空脱泡機で空気を抜いて固めてゴムごととりさる方法等色々と試しましたが決定的な方法が見つからずに一番の難所となっています。デザインが複雑になる程この工程に時間がかかるので未だに解決法を試行錯誤している状態です。

左の写真はわたべ様の1本目の焼印に印面の写真です下の方に英字の長文があり、スプレー管の中にも英字が含まれています。又右上の雲状の部分には細い彫り文字で英字が書かれていますので、印面の温度調整をしっかりとしないと綺麗に押すのは難しいデザインの焼印です。印面の大きさは、幅83ミリ×高さ55ミリで300W電熱仕様で作りました。右の写真は、2本目の印面で商品タグに押して使う目的で作りましたので、サイズや色といった項目が記入されています。大きさは1本目と同じで仕様も同じです。

左側の写真は1本目の試し押し画像です。文字が入り組んでいる下の部分は比較的綺麗に出ますが、上部の雲の内側部分は、細い部分が回りの熱で変色してしまうのでぼやけた感じになっています。製作も押すのも難しい焼印といえます。
右の写真は、商品タグに押すための方で、白い部分と黒い部分のバランスがよく大型でも押しやすい焼印です。スタイル等5項目を後で記入して商品タグとして使用するので、手書きのスペースを残しています。

あんまん、肉まんの焼印

前田様からのご注文で、あんまん、にくまん、豚まんに押す3本の焼印を製作しました。寒い時期になるとついあんまんを食べたくなります。どちらかというとにくまん、豚まんよりあんまんの方が好きです。中華料理で出てくる小龍包は、小型のにくまんという感じがして好きですが、コンビニの店先で買うのはいつもあんまんです。あんまんも練りあんは苦手で粒あんが好きです。あんまんやにくまんに押す焼印の場合、形は押した時に均等に圧力のかかる円形が一番よく、焼印を押す表面も平らでないために、小さな印面で彫りの深いものがベストになります。今回の2本の焼印は円形で、もう1本は豚のお尻の形ですが、均等に圧力がかかりやすい形なので、円形と同等の扱いになります。大きさは、15ミリと押しやすいサイズですので、特に問題はありません。15ミリの大きさですと、普段は電熱式の場合、80Wの電気ゴテをお勧めするのですが、今回、1本の電気ゴテで差し替えて3本使いたとの事でしたので、一つ上の100Wで製作することにしました。焼印をおさめて実際に使った所、1本の電気ゴテでは、能率が悪くなるので2本追加で電気ゴテを購入頂き、それぞれ1本の電気ゴテをつけて使うことになりました。

前田様焼印
前田様の3本の焼印

上の写真は、3本の印面を並べて写したものです。左から豚まん用の豚のお尻の図柄と中央はあんまん用、右はにくまん用になります。後ろに見える棒の部分は、電気ゴテに仕込む部分で、差し込んだ後に固定用ネジを締めて使います。この棒の部分電気ゴテのワット数により変わり、100Wですと太さ8ミリの銅棒になります。

左の画像は、豚まんに押す豚のお尻の焼印です。尻尾の部分がお尻であることを表現しています。真ん中の画像は、にくまん用の焼印で、右の画像はあんまん用の焼印です。3本同時のご注文でしたので複数本割引を使い値引きしました。

 

キリスト教会の焼印

はるな様からの依頼で四角い会社の印鑑に似た落款のようなキリスト教会の焼印を製作しました。私は元来、無宗教者で(人間の作った宗教は信じておりませんが、宇宙を司っている神?は存在していると思います。)特定の宗教はありません。日本人の宗教感はほとんど同じだと思います。家に仏壇があるから仏教を信仰している訳ではなく只なんとなく受け継いでいるというのが本音だと思います。元々、殆どの家には、神道の神棚と仏教の仏壇があると思います。このことから、宗教自体を信仰しているのはなく、文化の一環としての行事として捉えていると思います。もっと違った考え方をすると日本人の事なかれ主義が影響して、今までと同じようにしていれば無難に解決出来るという思いかもしれませんね。そんな私ですが、高校時代に先輩に引っ張られて教会に行ったことがあります。その時に先輩は一生懸命にキリスト教の事を語っていましたが、私には歌った賛美歌が良かった記憶しかありません。この時の影響かその後、歌は好きになり今では、ヘンデルのメサイヤやモーツァルトのレクイエム等を歌わせてもらったり、クラシック音楽を聞くことが趣味になっています。 フランシスコザビエルが、来日してキリスト教を日本に布教させる為に色々な行動をとりましたが日本人信者を増やすことができなく帰国したことは有名ですが、この原因は、信長のキリスト教弾圧等が原因と言われるのですが、私の考えでは、日本人は元々、どんな宗教にも信仰心はなかったせいで布教しなかったと思います。
幕末以後、日本がヨーロッパの列強の植民地にならなくてすんだのも、キリスト教の布教の失敗から日本人の心底を知ったヨーロッパ人が、植民地として平定するのは難しいと思ったと私は考えております。

はるな様焼印
はるな様の落款形焼印

写真ははるな様の依頼で製作いたしました四角い落款のようなキリスト教会の焼印の試し押し画像です。製作は実際に使用している印鑑を押した紙をもらいましてその紙からトレースして製作しました。大きさは30ミリ角で100Wの電気ゴテ仕様で作りました。

虎の焼印

ドンキホーテ様からのご依頼で虎の焼印(タイガースの)を製作しました。画像ファイルからトレースしての製作になりましたが、デザインが複雑でしたので時間がかかりました。私はプロ野球はあまり見ないのでわかりませんが、阪神タイガースのファンは熱狂的で熱い人が多いと聞いていました。阪神タイガースが優勝した時のテレビ放映で、阪神ファンの人たちが、道頓堀川に飛び込む姿をみましたが、さすが大阪の阪神ファンだと思いました。道頓堀川といえば他の意味でも阪神ファンに影響を与えているようで、カーネル.サンダースの呪いというものがあるそうです。ケンタッキーフライドチキンの生みの親のカーネル.サンダースの像を、1985年に阪神がセントラル優勝した時に、阪神ファンの人が道頓堀川に投げ入れた所、その年から阪神の成績が急降下したということで都市伝説化されました。私の年代では、虎を見るとタイガーマスクを思い出します。孤児院出身で悪役レスラーの巣窟である虎の穴に所属している伊達直人が、昔お世話になった孤児院に援助して行くうちに正義感に目覚めて悪役レスラーから正統派のレスラーに変わっていく過程で、虎の穴との対決や日本プロレスの仲間の友情に支えられ、最後には虎の穴の首領を打ち負かすストーリーでしたが、昭和の哀愁が漂い、涙ぐむ場面も多く、感動しながら見ていました。だれがなんと言っても黄色と黒の縞模様に、鋭い牙をもつ虎の姿は勇者を連想させます。

左の写真は、ドンキホーテ様から頂戴した焼印用の版下画像です。この画像から切削用データを作りました。右の写真は、出来上がった焼印をシナベニアの板に試し押しした時の画像です。口の周りは黒い部分の面積が広く、そばにある小さな白い部分は、放射熱の影響で変色してしまいます。焼印の大きさは高さ70ミリ×幅65ミリで300W電気ゴテ仕様で作りました。野球に関する焼印もちょくちょく頼まれます。背番号の焼印やチームのロゴマーク、革のグラブに押したり、グッツ販売に使われるようです。