波の焼印

下坂様から浮世絵に出てくるような波の焼印製作を依頼されました。葛飾北斎の富嶽三十六景の神奈川沖波裏のような荒波で波がしらがたっているようなデザインの中にアルファベットで「keiko」と印してある焼印です。私の暮らしている小樽市も日本海に面しており、冬にはよく大荒れになります。前に仕事の用事で、冬の時期に小樽から舞鶴までフェリーで行ったことがありますが、海がしけていて船がすごく揺れてしまい、ベットの中で寝て過ごした経験があり、それ以来、冬の日本海のフェリーには乗らないようにしています。そんな荒れる海ですが、未来に向けての新しいエネルギー源としても注目を浴びています。その一つが波を利用した波力発電で、波力発電には大きく分けて二つの方法があります。その一つが、波の上下の動きをジャイロを使い回転運動に変換する方法で、ジャイロ式発電といわれています。もう一つは、空気室と呼ばれる部分を波の上下運動を空気の押し出し運動に変えてタービンを回す方式で、ジャイロ方式の方が効率がよく実用向きだそうです。又、波力発電ではありませんが、海が荒れるということは、海上に強い風が吹くということで、海上に風車を取り付けた海上風車発電も有用かと思います。只、一年中波が高いわけではなく、波力発電に向かない時期もあることから波自体の運動エネルギーを使うのではなく、海の海面部分と深い部分の海水の温度差を利用して、発電を行う方法も研究中だと聞いています。四方を海に囲まれた日本は、海洋のエネルギーを有効に使うことでエネルギー問題を解決できるのではないでしょうか?産業の発展に必要な3つの要素として、資源、エネルギー、労力があげられますが、少子高齢化を迎えた日本の労働力問題を解決するのは、人口知能だといわれています。又、資源の問題は、日本近海にある熱水鉱床から効率的に資源採掘できる技術待ちですし、エネルギー問題も日本の自然を生かした対策を進めれば解決できるのではないでしょうか。産業構造的に見ればピークを過ぎた日本ですが、持ち前の技術力を工夫を活かせれば、これからも世界をリードしていけると思います。

左の写真は下坂様から焼印製作用に頂戴した画像データです。このデータをトレースして版下データを作りました。右の写真は、出来上がりました焼印をシナベニア板に試し押しした時の画像です。焼印の大きさは、幅20ミリ×高さ16ミリの小さなサイズで、80W電気ゴテ仕様で製作しました。