冠の焼印

細かなデザインの冠がついたついた焼印を製作しました。冠と聞いて私が最初に思った事は、昔読んだ童話の話です。詳しく覚えていませんが思い出せる範囲を概略で説明すると、ある国の王様がご自分の冠(王冠)を新しく作ろうと思い、ある金属細工師を呼んで、王冠を作る為に必要な金の塊を預けてこの金を使って冠を作るようにと命令しました。後日、美しい冠が出来てきて王様もたいそう喜んでおりましたが、いつの日か、町中で王様の冠はまがい物であるという噂が流れ始めました。そんな話が王様の耳に入り、王様は大臣を呼んで冠がまがい物であるという噂があるが確かめるように命令しました。そこで大臣は金属細工師に渡した時の金の重量を王様から聞いて、冠の重さと比べましたが、重さはおんなじでしたので、大臣には、それ以上わかりませんでしたので、町中におふれを出して冠を調べる事が出来る者はいないか情報を集めた所、白いひげを生やしたお爺さんが名乗り出て調べる事が出来る旨を告げると、王様の眼前で実際に調べてみる事になり、その白髭の老人は、王様が金属細工師に渡したものと同じ量の金と作った冠を用意するように言い、王様の前で実際に試してみました。その試した方法が、水をギリギリまで入れた桶を用意させて、その桶の下にそれより大きな桶を置いて、冠に糸を結び付けて水の中に沈め、こぼれた水の量を計り、同じことを王様から借りた金地金で行い、両方の水の量の違いから金に混ぜ物をして金をくすねた事がわかり処罰されたという話です。今であれば金の品位も正確に調べられますが昔は分析器などないので、比重の違いを比べて判断したようですね。私たちの生活はあまりにも便利になりすぎていて、昔ながらの大事な事が忘れ去られているような気がするのは、私だけでしょうか?

冠焼印
冠焼印の画像

上の写真は出来上がった冠の焼印を紙に押した時の画像です。冠部分のデザインが細かいので、普通よりも鋳型を高温にしてから鋳造する方法で作った焼印です。大きさは、幅60ミリ×高さ25ミリで、200Wの半田ごてに取り付けて製作しました。