調理器具焼印

調理器具の泡だて器のデザインの焼印を製作しました。木製の調理器具、例えばスリ棒のような物に押す焼印はよく作りますが、デザインが調理器具になっているのはスプーンやフォーク以外はあまり作った事がありません。泡だて器といっても昔ながらの手でかき混ぜるタイプのものから、電動式の物までたくさんの種類が販売されています。実はメタルアートでも調理用の電動泡だて器を使っています。鋳造する時に使う埋没材という石膏があるのですが、小さな型の場合には、スパチュラーというヘラでよくかき混ぜて使うのですが、大きな型で大量にかき混ぜる必要がある場合には、電動式の泡だて器を使います。埋没材は良くかきまぜた後に脱泡という作業を2度しますので、短時間でしっかりとかき混ぜる必要があり、メタルアートの場合には、直径76ミリまでの鋳造リングの場合には、手で攪拌しますがその上の90ミリ以上の鋳造リングの場合には、手で攪拌していると時間がなくなるので機械だよりになります。脱泡という話が出たのでついでに少し説明します。皆さんがお風呂の中に入った時のことを思い出してください。体に泡の粒がたくさんついていると思います。このような空気の粒が、鋳物の型の内側に残るとその部分に空洞が出来てしまい、解けた金属が流れ込んで泡の形の金属物が出来てしまいます。それを防ぐのに脱泡をいう気泡を抜き去る作業が必要になります。脱泡の作業には、振動を利用したバイブレーター式のものと超音波を利用したものと真空ポンプを利用したものがありますが、メタルアートでは、真空ポンプ式の脱泡機を使っています。この機械は、密封式の容器にいれた鋳造リングの中の空気を真空ポンプで吸い出して脱泡を行います。
脱泡は溶いた石膏の段階で行う一次脱泡と埋没材を鋳造リングに入れてから行う二次脱泡がありますが、それでも微小な気泡が残る恐れがありますので、鋳造リングに入れる前の蝋の型にパターンコートといわれる界面活性剤を含んだ溶液をかけた処理を行います。

調理器具焼印
調理器具焼印の画像

上の写真は調理器具の泡だて器のデザインの焼印を紙に押した時の画像です。幅20ミリ程の小さな焼印で、40W電気ごて仕様で製作しました。