HEMの焼印

HEMという英字の焼印を作りました。hemというと英語訳では、ヘリを縫う、取り囲む、取り巻くという意味があり、使い方によっては、咳払いをする、口ごもるという時にも使うそうです。私の場合は化学を専攻していたので血液のヘモグロビンを思い出しました。hemとは鉄のキレートの事で、このキレートを簡単に説明するのは難しいのですが、原子が結合する時に結合する片方の原子からのみ電子が供給される状態(配位子)で金属元素に複数結合しているものを言います。ちなみに人の血液の場合の金属元素は鉄です。大学受験の時に化学Ⅱでやりましたが、受験用にどうにか覚えましたが、わかりやすく説明できません。
ちなみに、キレートとはラテン語で「カニの鋏」を意味し、分子の構造上の隙間から金属原子を掴んでいる様子が、カニが鋏で挟んでいる状態と似ていたためについた言葉です。

hemの焼印
hemの焼印画像

上の写真は出来あがったhemの焼印を木の板に押した時のものです。変わった書体で、画像ファイルで焼印デザインを頂戴しましたので、30ミリの幅で表せるデザインに補正しながらデザインデータを作りました。原図の方は、焼印のデザインよりカスレ部分が多く真ん中のeの文字がカスレで虫食い状態でしたが、大きさ的にカスレを表現しきれないので、ご相談の上、カスレ部分を全部取り払って、ツタのデザインを入れる事にしました。全体的にツタを絡ませたようなデザインの焼印にしたいとの事でしたが、ツタを複雑に絡ませるには幅30ミリで出来る事が制限されるので、何度か思案してeの文字だけツタを絡ませて、Hの文字は太目で柱が支えているようなデザイン、Mの文字も柱の感じを出しつつカスレを入れました。この焼印、幅30ミリで高さも9ミリ程ですが、通常であれば80Wか100Wの電気ごてにするところを40Wの小さ目の電気ごてで作りましたので、熱の回りの状況から最初のHの文字の焼き具合が薄かったようです。