廃材に焼印

解体事情

建物は、時間がたつと立て替えないとならない時期が来ます。最も建物に限らず現存する全ての物がそうです。日本では、昔から木造建築が盛んであり、湿気が多く四季のある気候から建物の劣化も早くなりますので、建て替えの需要も結構あります。この流れに逆行するかのように、建物の解体費用は上昇しています。この原因の一つに環境負荷の問題があります。昔であれば、木造の家でしたら、重機でバラバラにして壊せばよかったので解体費用もあまりかかりませんでしたが、今は、バラバラに解体しても、ゴミとして分別してから処理しないとならない為に、昔のように重機でバラバラにすると分別に時間とお金がかかることから手作業での解体になり、人件費がかさみ、解体費用が上がる結果になります。

解体費用と固定資産税と空き家の増加

近年、空き家の増加も大きな社会問題になっていますが、これにも解体費用が絡んでいると思います。実は、最近私も古い家を処分したのですが、土地付きの一軒家で築40年近い古い家でした。不動産屋さんを何件もあたりましたが、買い取ってくれる業者はなく、ある不動産屋さんに、更地にした方が買い手があると言われて調べた所、更地にするための解体費用の方が、土地の販売価格よりも高くなるとの事で驚きました。言わば売り損が発生してしまいます。又、家を壊して更地にしてすぐに売れればまだよいのですが、売れなかった場合には、更地にしたために固定資産税が大幅に上がってしまう事になるそうで、にっちもさっちもいかない状態でした。そんな状態であきらめかけた時に買い取ってくれる不動産業者が現れましたが、その買い取り金額は微微たるものでした。結局、考えた末に買い取ってもらいましたが。どの地区でも同じような理由から空き家問題が解決できないのだろうなと痛感しました。

建物の思い出と焼印

今回製作しました焼印は、色々な思い出のある建物の解体にあたり、解体で出た廃材に焼印を押して記念品とするために作られました。キーホルダーとして使えるサイズに廃材を切りとり研磨して焼印を押して関係のある人たちに配布するとの事です。

廃材焼印
廃材に焼印を押す

上の写真は廃材を記念品にするために作られた焼印を板に試し押ししたものです。解体された建物の内容が箇条書きされています。文字が多い焼印で画数の多い漢字も多用されているので、焼印として押しやすいゴシック体を選びました。この焼印の大きさは、高さ50ミリ×幅22ミリで、200W電気ごてをつけて納めました。