二つの書体の焼印

同じ大きさで、同じデザインの焼印を書体だけ変えて2本作るご注文をお受けいたしました。この焼印の文字ですが、森水園とい文字ですが、真中の水の文字が上の森という文字と同じく(水)を3つ並べた当て字でフォントにはありませんでしたので水という文字を並べて作りました。辞書に登録されている文字ではなく当て字で焼印をつくる事があり、その場合、デザインデータを頂戴できるのでればそのまま作業にかかることが出来ますが、焼印のデザインとして使えない手書きの原稿の場合には、文字作りを行い、その文字での製作の確認をとってからになりますのでその分時間がかかる場合があります。辞書で調べますと「当て字とは、本来、漢字の意味する事とは関係なく音や訓を代わりに当てはめた文字」となっているので、本来ない形の文字を当て字と呼ぶのはおかしいのかもしれませんが、適切な言い方が思い浮かばなかったので当て字と書きました。

森水園1
森水園の焼印1

上の写真は森水園様の焼印を薄い茶系の革に試し押しした時の画像です。真ん中の文字部分は実際にはない文字ですので作りました。森という文字が木という漢字を3つ集めて出来ていますので、同じように水という漢字を3つ集めて文字を作りたかったと思います。

森水園2
森水園の焼印2

書体の変えた2つ目の焼印です。こちらは、古印体と呼ばれる書体で水の部分は作った文字です。水を3つ並べて作った文字は、上下の文字より少し細目に作ってもらいたいとの事でしたので、真ん中の文字だけ細いのが印象的でかえって目立つデザインになっています。この焼印は直火式仕様で製作しました。