地名の焼印

新木場という地名の縦書き焼印の製作を依頼されました。若い頃、東京でサラリーマンをしていましたので、新木場と聞いてすぐにどのへんかわかりました。地名の焼印の場合、観光地や世界遺産になったような有名な所の地名は多いのですが、マイナー?な新木場という焼印の注文が来るとは思いませんでした。木場とは、木を集めて保管していた場所で、貯木場とも呼ばれています。貯木場ですが、陸上貯木場と水中貯木場があり、陸上貯木場は、材木置き場というイメージですが、水中貯木場は、貯木池という丸太を浮かべておく池があり、川や運河、港のそばに作られることが多く、昔、山から切り出した木を川や海を使って運んだ名残のようです。テレビ番組で、水に浮かべた丸太に乗って、鳶口のような鈎をもって丸太を集めている様子を見たことがありますが、あの場所が水中貯木場だったのですね。そんな貯木場ですが、かなりの面積が必要になりますし、色々な設備も必要になりますので貯木出来る能力は、広さ1haあたり、陸上の貯木場の場合、5000㎥、水中貯木場で3000㎥が標準だという事です。昔から疑問を持っていたことがあり、水中貯木場で丸太を水につけておくと木が水分を吸って腐ってしまわないかと不思議に思っていましたが、水につけて保存しておくのには意味がある事がわかりました。木は木材として使う場合、乾燥させないと狂いが生じ使えないという事を聞いていましたので、乾かさないとならない木をなぜ水につけて保存するのか調べましたら、木に狂いが生じるのは、木の外側と内側の水分を含んでいる割合が違うので、乾燥の仕方の違いにより狂いが発生するとの事で、水中で貯木すると木の外側と内側の水分の違いがなくなり狂いにくくなるとの事でした。それと水中貯木しておいた丸太の方が、陸上で貯木していた丸太よりも早く乾燥して狂いもすくないとの事を聞いて驚きました。又、水中貯木をした木の方が、色も綺麗になり、香りも良くなるとの事で、いいとこずくめですが、水中貯木をするためには、広い場所と綺麗な水が大量に必要になるので必然的にコストも高くなり、場所の確保も難しくなってきているので近頃では、殆どしないそうです。

新木場の焼印
縦書きの新木場の焼印

写真は製作しました縦書きの新木場焼印をシナベニア板に試し押しした時のものです。大きさは、高さ60ミリ×幅22ミリの角丸枠付きで、電熱式をご希望でしたので、200W電気ごて仕様で作りました。