割烹の焼印

長峰様から割烹ながみねの焼印製作を依頼されました。割烹とは高級料亭というイメージがありますが、元々の意味は、料理の時に野菜や肉、魚等を切る事を割といい、火を使って食物を煮炊きする事を表す烹を合わせた食材を切って煮炊きする所という意味があります。江戸時代に、江戸料理といわれた、懐石料理、会席料理や精進料理といわれたものに対して、上方の大阪方面の料理を割烹料理と呼んだ事から始まり、江戸後期になって、高級な和食料理を割烹料理と呼ぶようになりました。一般的には、割烹と料亭と区別されていますが、料亭は、お座敷が中心の店構えで、決められたコース料理を中心にしており、仲居さんのような接客係がいるのに対して、割烹は、主にテーブルやカウンター席で、お客様の注文に応じて料理を作り、接客の係もおかないのが違いになっています。そんな割烹料理ですが、近ごろでは、割烹料理店にはいるといくらかかるかわからないので、入りにくいという若者の声に応じて定額制でお店に人とカウンター越しの臨場感が楽しめるお店も増えてきているそうです。又、外国の観光客相手に日本の割烹料理を楽しんでもらえるようなツアーもあり、割烹に押しかける外国人も増えています。変わったところでは、割烹料理の店と高級バーを組み合わせたサービスを提供しているお店もありますし、今までは、大切なお客様に最上のおもてなしを提供する割烹料亭というイメージでしたが、気軽に入店できてリーズナブルな価格で、お客様に満足感を与える大衆的な割烹料亭も出てきています。一見さんお断りというような敷居の高い店から、外国人にも広くもんとを広げ、大衆化を目指しているお店と二極化してきています。

左の写真はながみね様の焼印の全体像です。電熱式をご希望でしたので、印面の大きさにあった300W電気ごてを取り付けました。右側の写真は出来上がった焼印をシナベニアの板に試し押しした時のものです。右端に白抜き文字と普通の文字で旬彩割烹と小さくデザインされておりますが、この大きさの漢字の白抜き文字は綺麗に押すのが難しく、周りが変色しやすくなりますが、デザイン的には洗練されて美しいと思います。製作しました焼印の大きさは、高さ80ミリ×幅41ミリの大きな焼印です。印面のデザインに沿って台座部分をカットしなかったのは、四角い物に焼印を押すときに水平、垂直を出しやすくするためです。