カトラリーの焼印製作

ケーアイ様からカトラリーの4種類の焼印製作を依頼されました。カトラリーとは、食卓用のスプーンやナイフ、フォークの事ですが、中世ヨーロッパでは、暗殺を恐れて銀製のカトラリーが使われていました。当時、暗殺に使われた毒物がヒ素の化合物で、精製技術が未熟だった為に、ヒ素に硫黄分が残り、その硫黄に銀が反応して硫化銀になることで、銀食器が変色する事を利用したそうです。
メタルアートでも、柄の部分が木管楽器のフルートの形をしている925銀製のスプーンを製作して収めたことがあります。
今ではカトラリーの大半がステンレス製になっています。今回の焼印もカトラリー本体は金属なので押すことができないのでカトラリーのセットを収める木製のケースに押して使用すると思います。

上の写真はカトラリーの木製箱に押すために製作しました4種類の小さな焼印の試し押し画像です。一番左はアルファベットのMの文字に花の飾り等を加えたデザインで、大きさは幅10ミリ×高さ7ミリと小さなものです。左から2番目の画像はバラの花をイメージしたデザインの焼印で、大きさは、幅10ミリ×高さ8ミリです。右から2番目は、葉っぱを2枚重ねたデザインで、大きさは幅8ミリ×高さ5ミリになります。一番右の画像は、「many」のアルファベットの焼印で、大きさは、幅15ミリ高さ7ミリになります。この4本の焼印は、1本の40W電気ゴテで差し替えて使用するようになっており、各焼印の印面台座部分には、40W用の5ミリの銅棒が取り付けられています。1本の電気ゴテで印面部分を差し替えて使う場合、別の印面に差し替えてから焼印が押せる状態まで印面が温まるには、多少時間がかかります。お客様によっては、焼印を押す能率を上げるために、お使いになってから、電気ゴテを追加注文される場合もあります。ケーアイ様も能率を上げる為に別に40W電気ゴテを1本追加され、電気ゴテ2本と焼印の印面4本の体制で使用されました。1本の電気ゴテで複数の印面を差し替えて使用する場合に、別の方法もあります。その方法は、熱容量の大きめ電気ゴテを使用して温度コントローラを使う方法です。熱容量が大きい電気ゴテは当然、温まるのも早くなりますが、温まり過ぎる事もありますので、この場合には温度コントローラの併用をおススメしております。