革工芸用いもりの焼印

いもりの焼印製作を依頼されました。デザインを画像でもらったのですが、デザインの右端に落款が描かれており、その落款の文字が守宮と書かれていましたので人の名前かと思いましたが、調べてみたら、守宮とは、いもり(ヤモリ)と読むそうです。いもり、ヤモリの2種類の読み方があるのですが、生物学的には、ヤモリ読んだ方が正しく有鱗目ヤモリ科の爬虫類で林や家の周りに住んでおり灰褐色で斑紋があり、尾の部分が再生し、瞼が動かない生き物です。又、いもりは、昔から言い伝えられる妖怪の仲間で、戦で死んだ武士の霊が、小人の妖怪となり井戸の周りに住み着いたものです。守宮の言葉の語源は、後宮を守る(女性の操を守る事です。)が守宮になったとこ事で、ヤモリの粉末を女性の肌に塗るとアザのような印が出来て、浮気をするとそのアザが消えるという言い伝えからきているそうです。なんともすごい言い伝えですね。

左の写真は、製作時に頂戴しました白黒原画です。この原画よりトレースして製作しました。右の写真は、出来上がりました焼印をシナベニアの板に試し押しした画像です。大きさは、幅75mm×高さ45mmで300W電気ゴテ仕様で作りました。革に押す焼印としましては、押し安い方だと思います。印面の彫りの深さも押しやすいデザインでしたので標準の3mmにしました。確かに印面の彫りが深い程、綺麗に押しやすくなりますが、印面のサイズが大きかったので、深く彫ると温まるのが、遅くなりますので、標準彫りで作る事にしました。