焼印極小

メタルアートで作った焼印の中で一番小さいと思われる焼印を紹介します。メタルアートでは、ロストワックス鋳造という方法で焼印を作っていますが、この方法での製造には長所と短所があります。その短所として極小の物の鋳造が難しい点があげられてます。他の焼印を作っているメーカーさんでは、放電加工機を使って金属の塊から削り出して作っている所もありますが、放電加工機の精度は鋳造の精度をはるかに超えています。又、もう一つの短所として、いくら平らな印面の型で鋳造を行っても、金属は、冷えて固まる時に収縮する性質があり、鋳造物の真ん中部分がわずかに凹みます。(鋳物屋では、ヒキと呼ぶ現象です。)凹みは、わずかで十分の数ミリですが、焼印として押すときには、その差が出てしまいますので、定盤と呼ばれる平らな盤の上で平らになるまで削ります。この削る作業により線の太さが十分の数ミリ太くなります。このような関係から普段の製作依頼では、0.5ミリ以下の線の物はなるべくお受けしないようにしていますが、場合により、もっと細い線の物を作る場合があります。今回の焼印もその例外というべき焼印です。短所がでましたので長所も述べますと一番の長所は、製造設備が小さくて済み、製造コストを抑える事が出来る点と、複製が簡単だと言う点になります。

極小焼印
極小焼印の画像

上の写真は極小の焼印を木に押して試した時の画像です。見てわかるように4ミリ角の焼印で四角い枠と空の文字が入っています。下に写っている定規の線の太さと焼印の線の太さが同じくらいなので、線の太さは0.2ミリ位だと思います。又、この焼印は150W電気ごて仕様で納める為に150W用の13ミリの銅棒の先端に水平にロウ付けしないとならない為、その作業はものすごく大変でした。ロウ付けは、バーナーで加熱して銅ロウを溶かして接着するのですが、線が細いと直接、バーナーの炎が当たると溶けてしまう可能性があるので、細心の注意を払いロウ付けして作りました。