古銭の形の焼印

安斉様から古銭の形をした焼印の製作依頼を受けました。銭形平次が泥棒に投げる古銭は寛永通宝という丸く中央部分に四角い穴が空いたお金ですが、同じ形で文字部分だけを変えたデザインの焼印でした。知りませんでしたが、寛永通宝等の古銭の中央に四角い穴が空いているのは、その四角い穴に四角い棒を差し込んで、研磨材にこすりつけて一度に多くの枚数の銭の円周を丸くするためでした。
又、寛永通宝の裏面のデザインも何種類かあり、裏側に波の模様の入ったものは1枚4文として使われ、それ以外は殆ど、1枚1文だったそうです。これらの古銭の製造方法もメタルアートと同じように鋳造で作っていましたが、鋳造方法は違い砂や土、粘土等を使った砂型鋳造で、使われた金属も、銅や鉄、真鍮があったそうです。時代劇で、寛永通宝を紐を通して束ねているものを見ることがありますが、この束ねたお金を通し銭とよび、寛永通宝を96枚通したものを通し100文といい実際に100文として使うことが出来たそうです。 古銭のデザインに関しては、焼印以外でも利用して製作したことがあり、メタルアートでは、お祝い銭も作っていますので、還暦祝い銭や100才祝い銭等のデザインも同じく真ん中に四角い穴が空いた古銭の形をしています。お祝い銭の場合、貴金属で作る事が多く、大抵の場合、金銭、銀銭、銅銭の3種類で作ります。

古銭の焼印
古銭の形の焼印

上の写真は製作しました祝い銭の焼印の試し押し画像です。祝い銭の場合、おめでたい言葉や縁起の良い言葉を並べます。今回のデザインもお金が貯まり、福があるおめでたい言葉が並んでいます。大きさは20ミリ丸の小さなもので、80W電気ごて仕様で作りました。