ひばちの焼印

岩本様からの依頼で「ひばち」という文字だけの焼印製作を依頼されました。文字だけの焼印製作は案外多く、全体の1割位は文字焼印が占めています。昔、祖母の家にひばちがあったことを覚えています。ひばちと言っても円形のものではなく、箱型で、木製の四角い木枠の中に灰を入れる金属の枠がついているタイプで、中央部分に鉄瓶を置いておく為の金属の足のようなものが載っていました。ひばちの端に金属で出来た火箸が2本置いてあり、小さい頃、テレビで流行っていた黄金バットのシルバーバトンの替りに火箸で遊んだ記憶があります。時々、
ひばちに入っていた白いサラサラとした灰で山を作ったり崩したりしても遊んでいました。暖房としてのひばちは、北海道では不向きで、石油ストーブを使いながらひばちも使っていたと思います。今は殆ど見かけないひばちですが、メタルアートにも、石油を使ったストーブ型のひばち(火鉢)があります。暖房として石油ボイラー式の床暖房を入れているので、普段は、必要ないのですが、年に何度か極端に寒い時があり、そんな時に石油式のひばちを使います。着火も電池式で手軽にできますし、上に水を入れたヤカンを載せておくと湿度の調整もできます。そしてたまーに、ヤカンの中に缶入りの甘酒やココアを入れておき、一休みの時に飲んでもいます。そんな石油式のひばちですが、最初に購入した時には、地金を作るために使っていました。火鉢にステンレスの容器をかけて、大きなインゴットの錫の合金を溶かして小さい小口の地金にし、鋳造用の地金を作っていましたが、今は錫合金の物を作らないので冬にしか活躍の場がなくなってしまいました。

岩本様焼印
岩本様のひばちの焼印

上の写真は、岩本様からのご依頼で製作しましたひばちの焼印の試し押し画像です。幅28mm×高さ35mmの大きさで直火式にて作りました。