鳥の屋号の焼印

緑川様からのご注文で、2羽の鳥が向かい合って屋号になっている石やの焼印を製作しました。屋号に関しては、図案の決まりがないので色々なデザインの物を作りましたが、鳥が2羽向かい合って八の字を描いているデザインは初めてでした。石やという文字も石屋と漢字でない部分に、石を扱っている職人気質のようなものを感じました。古来から石に関しては不思議な力があると思われてきましたがそれは、人々を魅了する色合いをもっていたり希少価値があったりしていたからだと思います。ちなみに私の誕生石はアメシストで和名を紫水晶といいますが、水晶も呪術や占いに使われてきて、不思議な力を秘めていると言われています。水晶は二酸化珪素の結晶ですが、圧力を加えると電気が発生する圧電対でありこの原理を利用して水晶発振式の時計が作られています。時計の話が出たついでに、焼印で時計の銘板を製作した事もあります。色々と人の役に立つ石ですが、一番有名な石と言えばダイヤモンドでしょうね。ダイヤモンドは、屈折率が高く、キラキラと輝く宝石ですが、その硬さを利用して工業材料としても使われています。近年の人工ダイヤは、宝石商でも見分ける事ができないと言われる程天然に近くなっているそうです。工業用のダイヤは、研磨材として使われておりモース硬度という硬さを表す基準で硬度10と天然の素材のなかでは一番硬いと言われてきましたが、最近は、もっと硬いものが見つかっており、ウルツァイト窒化ホウ素やロンズディライト、カルビンという硬い物質が次々と現れています。この中のウルツァイト窒化ホウ素は、実際に硬いものを削るバイトという工具に使われています。ロンズディライト、カルビンは、ダイヤモンドと同じ炭素からできていますが、カルビンは硬度30と言われていますが、極少量しか合成できないので、工業材料としては使えませんが、近い将来、技術の進歩で大量に作れるようになれば夢の工具ができるかもしれません。

緑川様焼印
鳥の屋号が入った焼印

上の写真は、緑川様の依頼で製作しました焼印のシナベニアへの試し押し画像です。高さ64mm×幅26mmで150W電気ゴテ仕様で作りました。文字部分や太い丸枠の内側が放射熱で変色しやすくなりますので、彫りを5mmに深くして、ガス抜き穴を各所にあけています。屋号の鳥の尻尾部分と丸枠が重なる部分の白い余白が狭く、焦げてしまうので、鋳造後に印面部分にタガネを入れて幅を広げつつ試し押しをして調整しました。又、長時間電源を入れた状態で、使用するために温度コントローラも付属しました。