ほぞ木の焼印

蟻工房様より焼印製作の依頼を受けました。蟻工房をいう名前から何を作っている工房と考えますか?実は、木工で木組みやほぞ等の技術をつかい木の歯車や仕掛け物を作っている工房です。では、なぜ蟻?と名前がつくかと言えば、木を継ぎ足す方法を木組みと言いますが、木組みに蟻組みと呼ばれる方法があるそうです。昔から、日本家屋や寺社の建物には、釘を使わないで、ほぞをつくり、木を組み合わせて建てていく方法がありました。テレビの職人の番組で、複雑な木組みを使って組み立てる映像をみますが、本当に誰が考えたのか?と思うほど卓越した技術です。私の亡くなった義理の父が、建具屋をやっていたので、実際に木組みをしている場面を見たことがありますが、曲尺と墨、のこぎりとカンナで凸凹部分を作り組み上げるのは職人技としかいえないと思いました。複雑な形で組み合う柱と柱、パズルのようですが、釘で打つよりも強度が高く、釘ですとサビてしまい長持ちしないが、組木の場合は、百年単位で持つそうですので昔の人の知恵には驚かされます。中学生の頃に技術家庭で、木の椅子を作ったことがありますが、簡単なほぞとほぞ穴をあけて四角い木を組み合わせましたが、綺麗にはまらず、何度も削り直したりして最終的には、木工用ボンドをつけてほぞ組みしたのを覚えています。最も、木板を真っ直ぐに切るだけでも相当な年数がかかるそうですので、授業で少しかじった位では、綺麗にできないもの当然でしょうね。

蟻工房様焼印
蟻工房様のほぞ木の焼印

上の写真は製作しました蟻工房様の焼印の試し押し画像です。大きさは高さ27mm×幅20mmで100W電気ごて仕様で作りました。画像の逆さまの台形はほぞ組み部分を表しています。