焼印をパンへ

使ったパンと焼印の解説等

市販されている普通の菓子パンに色々な焼印を押して見ました。今回は、なるべく普通のパンを使いたかったので、いわゆる、コッペパンに似ているパンを選んで、そのパンの表面側のふっくらとした密度の低い部分と裏面にしっとりとした密度の高い部分に分けて試し押しして見ました。

焼印を押したパン
試しに焼印を押したパン

上の写真は今回、焼印を押す為に選んだパンの写真です。昔の学校給食に出ていたコッペパンに似ていたのでこのパンいしました。ホイップクリームとイチゴジャムが入っていて私の好きなパンである事も選んだ理由ですが? 今回、パンの表面と裏面に沢山焼印を押しましたので、焼印だらけの状態になりましたが、撮影後にもったいないので食べました。少し苦かったので、食べ物に焼印を押す場合には押しすぎは味を変えるのでご注意下さい。今回使った焼印は、ミニ焼印として販売している9種類を使いました。種類を多くしたのは、デザインによる印影の写り具合の違いを少しでもわかってもらいたいと思ったからです。
使った焼印の殆どは、焼印ネット販売用ページで紹介したものですが、新たに2種類新しいデザインの物を加えました。一つは、ハローウィン用に作ったミニお化けかぼちゃの焼印で、もう一つは実験用に作った印面の彫が0.7ミリと非常に浅い小樽マンホールの焼印です。

左がお化けかぼちゃ焼印で右が小樽マンホール焼印です。どちらもミニ焼印用の木柄をつけて直火式焼印としてハンディバーナーで炙り試し押しをしました。

パンの表面に焼印を押す

最初にパンにふんわりとした表面に各種焼印を押した画像の紹介と解説を致します。焼印は直火式を使いましたが、出来る限り同じくらいの温度になるように注意して加熱しました。表面温度を数値では表せませんが、次回では、放射温度計を購入して表面温度と焼印の焼け具合の関係のページを作ってみたいと考えました。

上の左の写真は、お化けカボチャの焼印をパンの表面に押したものです。数回試し押しをしましたがこの程度しか映りませんでした。パンの内側に空気が多く含まれていて柔らかく、表面が多少硬めなので、焼印の熱で表面の皮の硬い部分が破れて、焼印の外形の形通りにくりぬかれた表面の皮の部分が、印面に押し込まれた状態と説明した方がわかりやすいと思います。内側の目や口の部分はまったくわかりません。中央の写真は秋田犬の焼印を押した画像です。これも同じくくり貫かれた形になっています。内側に模様がない外側のラインだけの焼印なので、犬の焼印を押した画像と判断できる範囲だと思います。右の写真はクリオネの焼印をした画像です。外形からクリオネと判断できると思います。

木への焼印3点1
木への焼印3点1の画像

上の写真は対比のために同じ焼印をベニア板に押した時の画像です。ベニア板は硬く表面が平らなので、内側の模様も綺麗に出ています。

 

次の3種類の焼印試し押しは、右から楓、コーギー、クローバーです。この3本の焼印は輪郭だけで内側にデザインのない塗りつぶしなので、案外、わかりやすい印影で押せました。只、もう少し印面の温度を上げた方が綺麗に押せたと思います。

木への焼印3点2
木への焼印3点2の画像

同じく、見比べてもらうためにベニア板に押した画像をあげました。輪郭だけのデザインの場合、あまり違いがなく形だけは判断できる範囲だと思います。今回の焼印のサイズが小さ目だったので、判読できる範囲で押せましたが、大きなサイズになると、表面が球面の為に押せない部分が出てきて判読できなくなると思います。

 

左から猫、ダブルハート、小樽マンホールの焼印をそれぞれパンの表面に押した写真になります。猫の焼印は外形が交わっていないので、形のわかるように押せていますが、真ん中のダブルハートの焼印の方は、大きなハートと小さなハートの外形が中心部分でくっついているので、パンの表面の硬い皮が引っ張られ一部分印面に触れないので線が途切れていると思います。右の小樽マンホールの焼印は、サイズがミニ焼印に比べて大きいので内側の凸のデザイン部分もパンの表面に触れる為に多少、わかる程度には押せています。只、画像右下部分が切れているのは、パンに最初からある皺の凹みによる影響です。このように印面が大きくなると、印面の内側がパン表面にふれる確率は高くなりますが逆に表面の凸凹の影響を受ける事になってしまいます。

木への焼印3点3
木への焼印3点3の画像

上の写真は、パンに押したものと同じ焼印をベニア板に押した時の画像です。この画像からもわかるようにデザインにより焼印の押しやすさが変化し、単に押すものだけではなくデザインも綺麗に焼印を押すときの重要なファクターである事がわかります。

パンの裏面に焼印を押す。

今度は、表面に押した焼印と同じデザインの焼印を裏面に押して見て印影や押しやすさの違いを見ていきます。パンを焼くときに下側の面は、重力の影響で水分がたまりやすく、又、下側の板の部分にくっついているために、表面に比べて平らな部分が多く、表面もしっとりとして硬くない為に、適度な弾力性があり、その分パンの表面よりは焼印を綺麗に押しやすくなります。

上の写真はパンの裏面に3種類の焼印を押した時の画像です。表面に押したものと見比べてもらえると違いがわかると思います。左は、お化けカボチャの焼印を押した時のものですが、パンの表面に押した時には、外側の外形しかわかりませんでしたが、ハッキリとしませんがお化けカボチャの目の部分と口の部分が写っています。これは、表面の時には、表面の皮が硬くて破れやすかったので外形ごと皮が破けて押し込まれたものが、裏面では表面が柔らかく、当たった面がそのまま押し込まれたことにより、内側のデザイン部分もパンに触れたのでその分印影として映し出されました。只、表面が凸凹していて、その凸凹を吸収するだけの弾力性がパンになかったので、口と目がはっきりしない欠けた状態でうつりました。真ん中の秋田犬の焼印も右のクリオネの焼印も表面の時とは違い、内側まで黒く変色しているのがわかると思います。これも、印面がパン生地に触れる事が出来たのでその部分が焼けて黒くでた結果です。

 

左から楓、コーギー、クローバーの各焼印をパンの裏面に押した時の画像です。表面と違い内側まで焼けているのが特徴的です。パンの生地の特性かわかりませんが表面より裏面の方が焼けやすいようですので、温度を調整して、表面の場合より少し温度を下げて、その分、押す時間を少し長くすればもっと綺麗に押せたと思います。

 

左から猫の焼印、ダブルハートの焼印、小樽マンホールの焼印をパンの裏面に押した画像になります。猫の焼印の場合には、表面と違い、内側まで焼ける事、ダブルハートの場合には、表面では中心部分のハートとハートの間が切れてしまいましたが、裏面に押した時には綺麗につながって押せています。右側の小樽マンホールの画像では、表面の時と差異がなく、かえって表面の方が良く押せているような気がします。

最後に!

今回、同じデザインの焼印をパンの表面と裏面に押し比べた事により、幾つか事がわかりました。第一に、パンの表面のように皮が硬く破れやすい場合には、内側にデザインがないアウトラインだけの焼印でサイズ的に20ミリ以内くらいの大きさであれば押すことが出来るという事です。又、線と線の間隔が近いデザインの焼印の場合には、パンの表面には向いていない事、大きくて、デザインの細かい焼印の場合には、表面、裏面の差異がなく、表面の凸凹の影響の方が大きい事がそれぞれわかりました。今回は実験できませんでしたが、表面の硬い皮の部分に霧吹きで水分を与えて多少時間を於いてから焼印を押せば、今よりは多少綺麗に押せると思われますので一度試してみたいと思います。