鋸状焼印

鋸の刃のギザギザしたような模様の細長い焼印を作りました。メタルアートでは金属を切断するのに金ノコを使っていますので、鋸刃も用途に合わせて何種類か用意しています。焼印自体は真鍮で加工しやすい金属なので、普通の鋼の金鋸刃を使って切りますが、焼印関係でもステンレスやその他の硬い金属材料を切断する時には特殊鋼の金鋸刃を使っています。私が一番気にいっている金鋸刃はスエーデン製のバイメタルと言って二種類の違った金属を電子ビームで溶接してくっつけた刃です。この刃は、硬い超合金鋼と弾力性のある比較的柔らかい鋼から出来ていて切れ味も良く、するどい切れ味が長く続くので使いやすい一品です。只、値段が少々高いので、難削材の時以外は、安い鋼の刃を使っています。安い鋼の金鋸刃の場合、真鍮のような加工しやすい材料でも少し使うと切れ味が鈍くなり使いにくくなりますが、高い刃の1/5位の値段なので取り換えてつかっています。只、切れ味が悪くなると、余分な所に力が入るせいか、切断面が曲がりやすく切り口も汚くなるので精度が必要な場合も切れる鋸刃を使っています。
もう一つのお気に入りの鋸刃は、超硬合金の中でも優れているタングステンという素材を使った合金鋼の刃でこの刃が一番高いので精度が必要で加工の難しいチタンのような素材の時以外はあまり使いません。焼印を鋳造で作っているとどうしても鋳造の具合が上手くなく、鏨を入れて修正する場合が出てきます。この時に使う鏨も超硬合金の物を使っていますので、この鏨の刃を研ぐ場合には、ダイヤモンドヤスリを使う事になります。私の使う工具の中で一番硬いものはダイヤモンド工具になりますが、今は、旋盤用のバイトと呼ばれる刃物にダイヤモンドよりも硬いウルツァイトフッ化ホウ素を使ったものもあるそうです。

鋸状の焼印
鋸状の焼印の画像

上の写真は鋸のように見える焼印を厚紙に押した時の画像です。見方によっては倉庫の屋根が連なっているようにも見えますね。この焼印見た通りに非常に細長く長さは60ミリありますが、高さが5ミリ程しかないので、電気ゴテ仕様で作りましたが熱容量の大きい150W用の半田ごてを使う事にしました。さらに熱の伝わりが良くないデザインでしたので、焼印の印面の彫の深さも4ミリとして台座部分は少しでも熱を保持できるように厚めにしての製作になりました。