反転文字焼印

西村様からのご依頼で丸を使った反転文字の細長い焼印を製作しました。反転文字の焼印は結構人気があり、時々作るのですが、今回の焼印は細長い為に、一文字が小さくなり、どのように押せるか判断できない部分がありました。メタルアートでは、モデリングワックスを機械で削って蝋型の原型を作っていますが、その時に使う切削用の文字カッターと呼ばれる刃物があり、その刃物の刃先の径と円錐形になっている角度により使い分ける事があります。標準的に使っている刃物は、刃先の径が0.15ミリで刃先の角度が10度の物を使います。刃先の径は、どれだけ狭い溝まで彫れるかを決定しますし、刃先の角度は、有効彫の深さに影響します。勿論、刃先の径が小さく、刃先の角度も小さい方が、より細かく、より深く彫ることが出来ますが、その分、刃先が折れやすくなり寿命が短くなります。又、鋳造機の性能以上に細かく彫っても意味がありませんので、鋳造機の性能をギリギリまで出せる彫が出来るように刃物を選択して使います。今回のように、細かな反転文字がある場合では、なるべく刃先の径が小さく、角度も小さい刃物で彫ることになります。

左の写真は、木に試し押ししました西村様の焼印画像です。黒丸の中にある中抜き文字が読みにくくなっています。右は、同じ焼印を革に試し押しした時の画像ですが、木の時よりは、文字部分が読みやすくなっている事がわかると思います。この事から木より革の方が焼印向きの素材だとわかると思います。
この焼印の大きさは、幅50ミリ×高さ5.5ミリで、100W電気ごて仕様で作りました。