焼印でキーホルダー作り

焼印を革に押してキーホルダーを作るまでの流れを見ていきます。実際に作ったキーホルダーは観光お土産品として販売していきます。今回、作るキーホルダーのデザインは小樽市内にありますマンホールのデザインを使い、流れをわかりやすくする為に、材料はオークションで市販されている物を使いました。

焼印を使ったキーホルダー作り開始

観光お土産品として販売できる完成度と販売に適した価格で作る事が出来るように、材料以外はすべて自作で作り売価で540円で売れる製品を目指していきます。委託販売では、販売手数料がネックになるので、売れる数は少なくてもネット販売できるようにしていきたいと思います。

焼印キーホルダー用革等の購入

先ずは、キーホルダー本体の革を購入したいと思います。現時点では、販売量が少ないと思われますので型抜きされた素材を購入しますが、数が増えれば革抜き用の型枠を作り自分で型抜きしてコストを抑えていく予定でいます。ヤフーオークションで丁度よいサイズのキーホルダー用に使える抜き革が出品されていましたので購入してみました。

買った抜き革
買った抜き革の画像

上の写真は、オークションで購入した抜き革の画像です。40枚単位で売っていましたので購入しました。大きさは円形部分で40ミリありますので、この革に合わせて35ミリで小樽マンホールの焼印を作りたいと思います。

購入した革拡大図
購入した革の拡大図です。

上の写真は購入した革の1枚を拡大した画像です。左右の丸い2箇所に焼印を押して中央部から折って接着して作ります。実際に革に焼印を押す為には、指定した位置に綺麗に焼印を押す事が絶対条件になりますので、この革専用の冶具を作って焼印スタンドを使い定位置に綺麗に焼印が押せるようにする必要があります。

取付金具
購入した金具

上の写真は、このキーホルダーに使う金具の画像です。この金具も同じくヤフーオークションで購入しました。

今回使う焼印の紹介

今回は、前に作っていた小樽マンホールの直火式焼印を焼印スタンドで使えるように100Wの半田ごて仕様に作り替えて使います。作り替えるといっても、直火用に印面にねじ込む部分を削り取り100W用の8ミリの銅棒をロウ付けするだけです。

使う焼印
使う焼印紹介

上の写真で左側が小樽マンホールの原画です。左側が100W半田ごて用に改良した焼印の印面部分になります。今回は、焼印スタンドに取り付ける時にシリコンゴムの口金を使いますので、それに合わせて100W用の焼印に改良しました。

焼印スタンド用冶具を作ります。

購入したキーホルダー用の革にあった専用の冶具を作ります。型抜きされた革は、すべて同じ形状をしていますので冶具作りには向いています。

革用冶具作り
専用の革用冶具作り

まずは冶具データを作成します。上の写真はイラストレーターのソフトに写真を配置して輪郭をとった時の画像です。わかりやすくするために赤い線を太くしてありますが、データとして出力する場合には一番細い線にします。
写真の画像から赤い線を0.25ポイントに細くしてアウトライン化してから背景の写真画像を削除して別名で保存を選んでSVGファイルで保存して3Dプリンタで使えるデータにします。

革データ123
革データ123の画像

次に123Dデザインのソフト(無料のソフトなので3Dプリンタで物を作る場合に使っています。)を立ち上げ左上のメニューからインポートSVGを選び、As Sketchを選んで先ほど作ったファイルを読み込めば上記の写真のような画面が出てきます。でた画面の作図は大きさが原寸と違っていますので、原寸になるように縮小して、このデータを使い3Dプリンタで専用冶具を作ります。

123Dデータ修正
大きさを調整

今回、読み込んだデータを123Dの画面上でスケールを使い実測してみますと266.155ミリの大きさがありました。イラストレーターからSVGファイルに出力すると、色々試しても実寸でデータがきませんので、読み込まれたデータのサイズを変更して製作サイズにします。今回の焼印を押すキーホルダーの革の全長が85ミリありますので、先ほどの実測値(266.155)から縮小する倍率(0.319)を計算して123Dのソフト上で実寸にしたのが上記の画像になります。(画面の薄い青の部分は縮小する前の原図で中心の濃い青部分が実寸に縮小した図形になります。)又、イラストレーターからSVGファイルにすると接点が途切れて閉じた図形として認識しない場合もありますので、その場合は、123Dのソフトで切れた部分を結合して閉じた図形にしてから、実寸にして下さい。
ここで、作る冶具の形を考えてみます。今回は初めて、革の素材に同じ焼印を2か所押す事になりますので、どのような形の冶具にするか色々と考えました。
瓢箪型の革は、焼印を押した後にくびれ部分から半分に折り、接着する事になりますので、2か所押す焼印も1か所めと2か所目は180度回転させて押さないと両面で同じ図柄にならない為に瓢箪型の冶具を作っても片棒の丸部分しか押せなくなり、考えた末に、一つの丸部分を押せる冶具を作り、片方を押した革をひっくり返して反対側を押す方法がベストだと思いましたのでそれに合わせて冶具を作ります。文章にするとうまく伝わらないので下の図を見てもらうとわかると思います。

焼印配置図
革と焼印の関係図

上の画像のように焼印を反転して2か所に押さないと画像上の赤い縦線部分で折った時に図柄の位置がそろわない事になります。そこで瓢箪型の半分だけの冶具を作ります。

焼印冶具の上側
焼印冶具の上側の画像

上は123dソフトで作ったキーホルダー焼印の冶具の上側になります。この後3Dプリンタで出力して製作します。

3Dプリンタ画面
3Dプリンタ画面です。

冶具の上部を出力して、余分な部分を手作業で取り除き仕上げます。

冶具の裏面です。
123Dで作った裏面

上の画像は、123Dデザインで作った冶具の裏面です。表面同様にダビンチで出力して手作業で仕上げ、表面と裏面の間に凸凹吸収用硬質スポンジをいれて冶具を完成させます。

冶具の上部分
冶具の上部分の画像

上の画像は3Dプリンタで出力した冶具に上の部分で、キーホルダー用の革を押さえて焼印を定位置に押しやすいようにする部材です。この後、ヤスリで仕上げて塗装して組み立てにかかります厚さは2ミリで作りました。材質はABS樹脂です。

冶具の下部分
冶具の下部分の画像

今度は冶具の下部分です。写真の下の方に直線的に見えるのは、出っ張り部分で、この部分を焼印スタンドのT溝に合わせて、冶具を水平に固定する為の補助バーになります。

完成した焼印冶具
焼印冶具の画像

上の写真は出来上がった焼印用冶具と押す為の革の画像です。冶具の左側にあるのは焼印スタンドに冶具を固定するためのネジ穴です。ネジ径は6mmです。
黒い部分は凸凹を吸収するための硬質ラバースポンジです。

冶具に革を取り付け
革をつけてみました。

出来上がった冶具に焼印用の革素材を取り付けてみました。実際に焼印を押した時に革が動かないようにする為と印面が押した革と一緒にとれないように、冶具の内径は革より0.5ミリ程小さく作っていますので、少し力を入れて革を押し込むようにして冶具に革をはめ込みます。最初の頃は、革の大きさと同じく作っていましたが、焼印の印面が革にくっついて冶具から外れる事がありましたので、改良して少し小さ目にしてはめ込む形をとりました。

冶具装着
冶具を装着

上の写真は今回製作したキーホルダーの革専用冶具を焼印スタンドに取り付けた画像です。取付の方法等は専用冶具ページでもご説明しておりますので、詳しくはそちらをご覧ください。

焼印キーホルダー
焼印キーホルダー完成

上の画像は両面に焼印をおしてから二つ折りにして接着剤で張り合わせた革キーホルダーの画像です。売り物にしますので、ここからは、革工芸に手法で仕上げていくことになります。革工芸は素人ですので、「誰でもわかる革工芸」という本を頼りにして売り物までレベルアップしていきたいと思います。

キーホルダーの横側
キーホルダーの横側画像

売れるレベルにするには、革を重ね合わせて接着した部分を綺麗に見せる必要があります。本によると、この部分をコバと言い、コバ処理という工程があるのでその通りしようかと思いましたが、自分なりに考えて工程を短縮する事にしました。本来のコバ処理では張り合わせたコバの部分に綿棒を使い水を含ませてからプレスリッカーという木の道具でコバ部分をこすり、磨きあげてから、コバ処理のためにトコノールという仕上げ剤を塗り、半乾きの状態で再びプレスリッカーという道具を使い仕上げていくとの事でしたが、手間と時間がかかる分、販売単価を上げないとならなくなるので、コバ部分に塗る専用の塗料をつけてからプレスリッカーで磨いて仕上げていくことにしました。

コバを塗り
コバを塗り画像

上の写真は、コバ部分を専用塗料で塗ったものです。私は、割箸に塗料をつけて塗ってみましたが、慎重に注意深く塗っていかないと失敗してしまうので大変時間がかかりました。革工芸をする人に聞いた所、専用のローラーがついたコバ塗する為の器具があるそうなので、量産するのであれば買った方がよいのでしょうね。ここまでで焼印を押したキーホルダーは出来上がりましたが、売り物にしたいのでパッケージも自作してみます。

パッケージ袋
パッケージ袋画像

商品らしく見せる為にパッケージにいれて印刷物を入れてみる事にしました。まずは、材料店からマルチフクロ(T-6-10)という上記の袋を購入しました。大きさは6cm×10cmで封用のテープがついたタイプです。テープの折り返し部分は3cmと書かれていましたので、袋に合わせてラベルを作り印刷紙して売り物として仕上げていきます。中のラベルは、A4番に薄いベージュの紙がありますので、その紙にイラストレーターでデザインして切って入れていきます。

ラベル表
ラベル表のデザイン

上の画像は、マンホールキーホルダーのラベルの表面の画像です。ラベルの大きさは、幅56ミリ×高さ90ミリにして、1枚のA4の用紙から9枚取れるようにします。裏面も作りますので、両面印刷して切り取って袋に入れるようにしますので、表面と裏面の印刷部分が一致するように表面で作ったデザインの文字を消してから、改ためて裏面のデザインを枠内に合うように作り、裏面のデザインが出来た時点で裏面の罫線を削除して印刷すれば表と裏に位置が一致したデザインになり、表面の罫線を切り取り線として使えば綺麗なラベルが出来ると思います。

ラベル完成
ラベル両面完成

上の写真は、袋のサイズに合わせて作ったラベルの画像です。左側が表面でこの上に小樽マンホールキーホルダー本体を載せます。右側は袋の裏面にあたり、マンホールのデザインとそのマンホールが小樽市内のどこで見る事が出来るか抜粋しています。

出来上がったキーホルダー
完成したキーホルダー

上の写真は出来がった小樽マンホールキーホルダーの表面の写真です。中身からパッケージまですべて自社で手作りしました。色々なデザインのマンホールが沢山ありますので、一つ一つ作って、小樽マンホールコレクションとしてまとめの販売も考えております。

キーホルダー裏面
パッケージの裏側です。

マンホールキーホルダーのパッケージの裏側画像です。焼印のデザインの元になったマンホールの画像をのせました。又、このマンホールのデザインは、小樽が新橋、横浜間についで2番目に鉄道が開通したことにちなんだデザインで、小樽市総合博物館の近くにもこのデザインのマンホールがある事を書きました。ちなみに小樽総合博物館は、前に小樽鉄道記念館と呼ばれていた所で、日本で2番目に鉄道が開通した時の手宮駅があった場所に建てられており、名称は、小樽総合博物館となりましたが、今でも、鉄道車両や当時使われていた汽車の方向を変える設備や当時の様子がわかる写真や模型等を展示しています。鉄道ファンの方は是非一度見た方が良いと思います。又、小樽総合博物館にすぐ隣には、小樽古代文字があり、この二つは小樽の隠れた名所になっています。
今回は、小樽マンホールキーホルダーの第一弾として汽車の図柄を選びましたが(このデザインのマンホールの正式名称は、「SLが走る風景」と言います。)、この後、「小樽運河」のデザインのマンホールや「大型クルーズ客船」、「歴史的建築物」、「ラッコ」等のデザインを追加していく予定です。マンホール以外にも埋もれている観光資源が沢山小樽にはありますので、「小樽ギフト」というネットショップを立ち上げ、手宮古代文字、歴史的建造物、ニシン御殿やトド岩等の眠れる観光資源のお土産品を製造販売していく予定でいます。