焼印を割箸に押す

割箸に押すための焼印を製作する事がありますが、小さな、動きやすい割箸に正確に綺麗に焼印を押すためには幾つかの解決しないとならない問題が出てきます。その問題について考えて見みます。

割箸に焼印を押すための問題

割箸に焼印を押したいとの依頼がある場合、SNSやホームページに載せるために数本だけ焼印を押した割り箸が必要な場合と、レストラン等で実際に使うために沢山の割箸に焼印を押す場合の2種類があります。それぞれの場合により揃えなければならない器具とかけることのできる金額が違うために、それぞれ別の方法が必要になります。

何本かの少ない割箸に焼印を押す場合

もし、写真撮影やカタログ作りに必要な場合には、実際に焼印を押す割箸の本数は数本位ですので、このような場合には、焼印用スタンドや治具を使うこと自体が無駄になり、費用も嵩みますので、普通の電気ゴテ式の焼印を作り、テーブルの上に割り箸を両面テープで固定して、焼印を押してもらうのが一番、お金がかからずに済む方法です。この場合でも、少し工夫して、割箸のおしたい部分だけ出るように厚紙を切って、補助のスケールを作れば案外と上手く押せるものです。 又、少し邪道ですが、撮影の為につかうだけで予算がない場合には、焼印を使わずに、レーザー彫刻機で、焼印で焼いたようになるように、デザインの解像度を落として焼けば、数百円で、焼印で押したものと見分けのつかない焼き目をつける事ができます。

スタンドを使わず割箸に焼印を押す方法

専用のスタンドを使わないで手で焼印を割箸に押す場合の方法について説明いたします。只、どうしても手で押す場合には、ロスが出ますのでその点はご了承ください。実際に80Wの電気ゴテ式焼印で、台の上に割箸を載せて焼印を押してみます。その時に焼印を押しやすくする為の工夫が必要になり、この工夫はスタンドを利用して押す場合でも、スタンドを使わずに普通のテーブルの上で押す場合でも有効です。特別な道具は必要しませんが、身の回りにある文房具等を利用します。第一に用意するものは、定規になります。小さな割箸に焼印を綺麗に押すには、第一に割箸を動かないように固定して置く必要があります。焼印スタンドをお使いの場合には、スタンドの作業テーブルに両面テープで定規を貼り付けて使うと治具の代わりに使えますし、定規のメモリを活かしての位置決めもできます。同じように焼印スタンドと使わない場合でもテーブルの上に定規を貼り付けて使用すれば格段に焼印を押しやすくなります。
定規は、割箸を動かないように挟むために2本以上あったほうが便利です。

定規等写真
定規と両面テープ

次に必要なのは、両面テープです。両面テープは、定規をテーブル等に固定したり、直接、割箸が動かないように固定するために必要です。はがす時に痕のつかないはがしやすいタイプのものを使う方が良いと思います。続いて厚紙もあった方が良いと思います。厚紙は、焼印スタンドを使用する場合には、必要ありませんが、スタンドを使わないで押す場合、割箸を固定しても、焼印自体は、手でもって使うことになりますので、位置決めが難しくなりますので、押す印面の形に合わせて切り抜いた厚紙を用意して割箸の上からかぶせますと、印面部分の位置決めがしやすくなりますし、他の部分が焼けるのを防ぐことができます。
お菓子の空き箱等を切って使えば大丈夫です。
実際に80Wの電気ごてを使い「ニセコ」という文字の焼印を割箸におします。

準備道具
準備道具の写真

上の写真は、焼印を使う文房具類の画像です。今回は、机を汚さないようにカッターマットを机に見たてて焼印を押します。画像の上の部分の細長い青いものは厚紙を重ねて張り合わせたものです。画面下の割箸に押します。最初にカッターマットの中央に定規を両面テープで貼り付けます。

定規と厚紙
定規と厚紙画像

定規と厚紙で割箸を挟むようしてから定規、割箸を両面テープでマットに貼り付けます。これで割箸をマットに固定することが出来ますし。割箸の左側が細く、右側が太いので、次の割箸に変える時も右に割箸をずらすと取ることができます。

割箸をずらす
割箸をずらした写真

上の写真のように右に割箸をずらすと外せます。下の穴の開いた青い四角は、厚紙を焼印の印面の大きさに穴を開けたものです。

固定図
割箸を固定した図

上の写真は穴を開けた厚紙を両面テープで固定して割箸の焼印を押したい部分だけ出るようにした拡大図です。後は焼印を温めて、開けた穴を目印にして押します。

ニセコ焼印を押す
実際に焼印を押す

上の写真のよう押してみると案外簡単に押せました。慣れれると100本位すぐに押せるようになります。(それではスタンドいらないのではと言われてしまいますか?)

割箸を外す
押した割箸を外す

右側に割箸をずらせば何度でも押すことが出来ます。

レーザー彫刻機での焼付

近年、レーザー彫刻機が安くなり、普通に買って使えるようになりました。焼印業者にとってはライバル的な存在なので、メタルアートでも安いレーザー彫刻機を買って実際に使い色々と試しています。メタルアートで買ったレーザー彫刻機はアリババで150ドル(日本円で17,000円前後)と安い機械ですが、使ってみると焼印よりはるかに高性能です。只、焼付の時間がかかるので、趣味で使う場合であれば良いのですが、お菓子や木板等に大量に押す場合には焼印には勝てませんので一安心、でもいずれはとって変わられる時が来ると思います。

レーザー画面
レーザーのソフト画面

今回は、焼印で押したニセコという文字と同じものをレーザー彫刻機で実際に焼いて比べてみました。標準的な出力と解像度で焼きましたが1分近くかかりました。多分、高機能の機械であればもっと早いと思います。

レーザー加工機
レーザー加工機の画像

割箸を実際にレーザー彫刻機で焼いている画像です。安価な機械なのでカバーがついていませんので、目を保護する保護メガネをかけて作業をします。ソフトも使いやすく便利ですが、マニュアルが中国語と英語の2カ国語だけなので英語が苦手な私は結構大変でした。

焼比べ
レーザーと焼印の比べ

同じ割箸にレーザー加工機と焼印の焼比べをしました。写真の上の袋が写っている割箸が焼印で焼いたもので、その下がレーザー加工機で焼いたものです。焼印の方がムラが出ていてレーザーの方はムラがなく単調な感じがします。

実際に使うために多くの焼印を押した割り箸が必要な場合

お店でロゴを入れた割り箸を出したい場合など多くの割り箸が必要になる場合には、多少、器具にお金が掛かっても、押しやすくてロスの少なくてすむ焼印システムが必要になります。この場合でも、割り箸の種類が1種類しかない場合でしたら、ホームセンターで売っている電動ドリル用のスタンド(5000円前後)を買って、使っている焼印の電気ゴテにあった口金を購入するか自作する事で対応出来ると思います。只、本数が多かったり、何種類かのデザインの焼印を割り箸に押す必要があるのでしたら、専用のスタンドと治具があったほうが断然よいと思います。

焼印スタンドを使う
焼印スタンドに取り付け

上の写真は、厚紙で作った簡単冶具を焼印スタンドに取り付けて使ってみました。専用冶具がなくても厚紙と定規で代用できますので、お金をかけたくない場合はこれでOKだと思います。(専用冶具が売れなくなるかもしれないですね。)
只、割箸のように直線的な形のものであれば定規や厚紙で固定も簡単にできますが曲線のデザインのものや、何種類もの焼印を押す必要がある場合には専用冶具が一番だと思います。

スタンド拡大図
スタンド部分の拡大図

焼印スタンドに簡単冶具を取り付けて押した時の拡大図です。スタンドにつけて使う場合は、印面のブレがないので、穴を開けた厚紙のガイドは必要ありません。決まった位置に割箸を固定しておければどのような形でも良いわけで、市販のドリルスタンドでも工夫すれば使えるようになります。

ガイドを除く
ガイド無しで使用

上の写真は、厚紙のガイドを除いて押してみた時の画像です。押す人がご自分で工夫して押しやすい環境を作る事が出来れば一番ですが、難しい場合には、是非、メタルアートに一声かけてもらえれば、最善の策をご提案させて頂きます。
焼印専用冶具の使用に関しましては、専用冶具ページでご紹介しておりますのでそちらをご覧ください。