特殊文字焼印

変わった文字や特殊文字焼印

焼印製作でも、普通に黒い線と塗りつぶしで表された文字が主流ですが、文字が白で塗り潰されたり、細い輪郭線で表されている文字もあります。これらの文字は、中抜き文字と言われ、黒塗りの文字の外側だけを黒い線で表して、内側を白くする文字を輪郭文字と言い、背景が黒塗りで、文字部分を白くした文字を白抜き文字と言います。どちらの特殊文字も焼印でも使われますが、熱で変色させて白黒を表す焼印だからこそ、それぞれに、注意すべき点が出てきます。

中抜き文字

中抜き文字は普通の塗りつぶし文字とは違った印象を与えてくれる特殊文字です。焼印の場合には、黒い背景の中に白い細い線があると、周りからの熱で白い細い線が変色してしまうのと、黒い線でも0.5ミリ以下になると上手く製作できない場合が出てきますので、中抜き文字での製作の場合、デザインによっては作れない場合が出てきますので、そのような場合には、製作をお断りする場合があります。又修正をお願いする場合もあります。

輪郭文字

輪郭文字は内側が白く(印面で言うと凹でへこんだ部分)外側の文字の輪郭が黒い細線(印面で凸で出っ張った部分)になります。革や木用の場合には、文字にある程度の大きさがあれば大丈夫ですが、食品の場合には、焦げ付きやすい食品や印面にくっつきやすい食品の場合には、あまりお勧め出来ません。

上の写真の左側は、MSWPの文字を輪郭文字にして製作した焼印です。普通の黒塗り文字にするとTM部分が目立たないので大きな文字部分だけ輪郭文字にしました。大きさは幅50ミリ×高さ26ミリで150W電気ゴテ仕様で作りました。
中央の写真は文字全体を輪郭文字にしたもので、文字の上側に輪郭の横棒を1本通してデザイン化しています。大きさは幅60ミリ×高さ21ミリで200W電気ゴテ仕様で作りました。
右の写真は、キャラクターを入れて全体を輪郭文字にした焼印です。「e」の文字の内側が出るかでないかギリギリの大きさでした。

輪郭文字と普通文字のコンビ

輪郭文字と普通の文字を使うと強調したい部分を表現することもできます。白と黒の2色でしか表現できない焼印ですが、色の代わりに文字を反転させるもの面白いと思います。

左の写真は、家型の枠に普通の文字と輪郭文字の2種類で構成された焼印です実は、&の部分だけ太字にしてあります。幅32ミリ×高さ26ミリで100W電気ゴテ仕様で作りました。中央の写真は、恐竜のキャラクターと2の文字だけ輪郭文字にした焼印の試し押し画像です。体の部分は細めの線を加えて立体感を出しています。幅36ミリ×高さ32ミリで100W電気ゴテ仕様で作りました。
右の写真は、中央の数字部分だけ輪郭文字にした焼印です。一般的に電気ゴテ式の焼印の場合、中央部分から熱が伝わるので中央部分が焦げやすくなりますが、中央部分に冷めやすい輪郭文字を持ってくるのは利にかなっています。

少し変わった輪郭文字焼印

輪郭文字に影をつけたり、輪郭というより全体を覆う変形した枠のようなデザインの焼印を紹介します。これ以外にも工夫次第で色々なバリエーションが楽しめます。

左の写真は、輪郭文字に影を加えたデザインの焼印です。岩のような感覚を出すためにヒビも入っています。幅45ミリの100W電気ゴテ仕様で作りました。
中央の写真は、輪郭文字と言うよりも滑らかな枠をつけたようなデザインになっています。大きさは、幅40ミリ×高さ9ミリの100W電気ゴテ仕様です。
右の写真は、輪郭文字と塗りつぶしを合わせたデザインです。文字の外側の白線が細いのである程度大きな焼印でないと作れません。幅49ミリ×高さ50ミリの大きさで200W電気ゴテ仕様での製作になりました。

白抜き文字の焼印

輪郭文字とは少し違い、背景を黒く塗りつぶして文字全体を白くするデザインを白抜き文字と言います。白抜き文字の焼印は、綺麗に押すのが難しい場合がありますので、注意が必要です。

左の画像は、中央に白抜き文字を持ってきたデザインの焼印です。細い黒い線が所々ありますが、印面が大きかったので製作出来ました。幅100ミリの大型で300W電気ゴテ仕様で作りました。中央の写真は、家具屋さんの焼印で引き出しかかる mの文字だけ白抜きになっています。大きさは、幅30ミリ×高さ13ミリで80W電気ゴテ仕様です。一番右の写真はmuseumの文字だけ白抜き文字になっていますが、白い部分の線が細いことと、周りの黒塗りの部分の面積が広く、放射熱が多く出るために変色しています。このように白抜き文字の場合、綺麗に押すのは難しくなります。

周り文字の焼印

中抜き文字のように文字自体を変えなくても、枠や円周、外側の線等に合わせて文字の配置を変える場合があります。そのようなデザインの文字を周り文字と言います。周り文字のデザインで文字を配置した線や枠をそのまま残しておくものと、文字だけ配置して枠や線を消すデザインのものがあります。

枠や線を残した周り文字焼印

文字を配置する場合、元になる線をそのまま残してデザインする焼印の場合になります。普通はデザインされたデータで頂戴することが多いのですが、たまに、画像の周りに文字を配置して下さいと頼まれる事があります。その場合、配置の元になる線を書いてデザインソフトの機能を使い一発で配置する場合と1文字1文字動かして配置する場合があります。

左の写真は、二重になっている線幅の違う丸い枠の内側に文字を配置した周り文字の焼印です。50ミリの円形で200W電気ゴテ仕様で製作しました。
中央の写真と右の写真は、外側の円形の枠の内側に文字を配置した周り文字の焼印です。中央の焼印の大きさは、40ミリ丸で右の焼印は、70ミリ丸の大型です。

枠や線のない周り文字焼印

枠や線のないデザインの場合もあります。枠がある場合の印象はかたく感じるのですが、同じデザインでも枠がないとやわらかい感じになります。

左の写真は地球の輪郭部分に文字を周り込ませたデザインの焼印です。大きさは、35ミリ丸です。中央の写真は人形の周りに楕円形に文字を周り込ませた焼印です。大きさは、高さ40ミリ×幅30ミリで100W電気ゴテ仕様で作りました。
一番右の写真は、丸い枠に文字を沿わせてから枠を消して作った焼印です。中央の空いた部分に他の何種類かの焼印を押すためにあけました。