焼印用の治具

治具

焼印を指定箇所に綺麗に押すためには、押す材料を固定する必要があります。
この固定具を治具と言いますが、固定する材料の形状に合わせて作る必要が出てきます。焼印スタンドで小さな材料を扱うときには、治具は不可欠なものです。
只、材料に合わせてオリジナルで作る為に、時間とお金がかかりますので、それを少しでも抑えようとメタルアートでは、3Dソフトと3Dプリンタを使っています。

アイスステック用の治具

大量にアイスステックに焼印を押したいとの相談があありました。
アイスステック自体は、同じ形状のものでしたので、専用治具と焼印スタンドをオススメ致しました。治具は焼印スタンドの作業台の固定用ネジ穴を利用して固定するように設計します。

治具の構造

焼印スタンドに固定して使用する治具ですが、只、固定するだけでは上手く機能しませんので、治具を3層構造で製作しています。第1層目は、スタンド本体に固定する部分です。この部分は、作業台を固定するネジ穴にネジを通して固定する事と、いつも作業台に対して水平に治具を固定する為に、作業台のT溝部分に治具のガイドが当たるようにして設計します。第2層目は、黒い補正スポンジです。
この部分で焼印に対する垂直補正をします。第3層目は、アイススティクの棒を固定する部分です。

上の写真は、一番左がアイスステック用治具の全体像です。左から2番目は治具を裏側から撮った写真で、画面上の方にあります細長い凸部分が、焼印スタンドの作業台と常に水平になるようにする為のT溝ガイドになります。右下の穴がスタンドに固定する為のネジ穴です。左から3番目の写真は、治具を横から見たものです。3層構造になっているのがわかります。一番右は、実際にアイスステックの棒を取り付けたものです。

治具の取り付け方

今度は焼印スタンドの作業台に治具を取り付けてみましょう。
取り付けは六角ネジで固定するだけです。六角レンチは、焼印スタンドに付属の物を使います。

上の左の写真は、焼印スタンドに治具を合わせてみた画像です。
治具の左側の穴がその下のネジ穴に入ります。左から2番目の写真は、治具の下部分のガイドをスタンドのT溝に合わせている所です。
左から3番目の写真は、位置決めしてネジを合わせた画像です。右の画像は、ネジを固定して使用準備がととのった所です。

実際に焼印を押します。

治具の取り付けが終わりましたので、実際にアイスステックに焼印を押します。今回使用する焼印は「当たり」と書かれた焼印で、電気ごては100W用、口金はシリコンゴム口金を使います。

左の写真は、治具にアイスステック棒を差し込んで焼印を押した画像です。右の画像は、連続して押している画像です。1分間に、40本前後押せると思います。

涙型スプーンの治具も作ります。

涙型スプーンの治具も同時に注文を受けましたので製作しました。
構造や取り付け方は、同じです。

左の写真は、3Dプリンタで製作した後の治具部品を銀色のスプレーで着色した画像です。真ん中の画像は、必要な部材3層分を並べたもので、右の写真は、木製の涙型スプーンをセットした画像です。

3Dプリンタでの焼印治具作り

プラスチック板や金属板を切って治具を作るのは結構大変ですので3Dプリンタを使って作っています。第一に焼印を押す材料の外形に沿った凹みを作るのですが、お客様の方に、材料に関するデータがある場合にはそれを使います。ない場合には、データ作りから始めます。 私が治具作りで使っているソフトは123Dデザインというフリーソフトです。

上の左の画像は、アイスステックの棒部分の押さえ板です。
お客様の方で材料のデータがなかったので私の方で実際のステックをノギスで図りながら、データを作りました。
中央の画像は涙型スプーンの治具の画像です。この材料のイラストレーターデータが貰えましたので、そのデータを元に作りました。
右の画像は、治具をスタンドに固定する部分ですが、この部分は併用出来ますので便利です。(規格化しました。)イラストレーターのデータが実寸でアウトライン化されていましたので、イラストレーターのメニューから、別名で保存を選びSVGファイルで保存します。保存したSVGファイルを123DデザインのSVGのインポートから読み込んで厚さを付けて出力します。
データがあれば直ぐに出来ます。データがない場合は、現物を図りながら作るので時間がかかります。
メタルアートでは、治具作りも行っていますが、治具作りもデータがない場合とある場合では製作金額が変わってきますので、ご一報頂ければ御見積させて頂きます。