色違いアクリル板に焼印を押す

ヤフーオクションで端材のアクリル板を購入しましたので、何種類かの小さな焼印を押して試してみたいと思います。アクリル樹脂は、透明性が高く、加工性も良いので携帯電話のカメラのレンズ等にも使用されています。そんなアクリル樹脂の中でもポロメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)と呼ばれる素材は、透明性が際立ち、アクリルガラスともよばれ、水族館の大型水槽に使われたりしています。特に大型水槽をアクリルガラスで作るには高度な技術が必要で、市場を日本の企業が独占している状態です。

使ったアクリル板
焼印を押したアクリル板

今回使用したアクリル板です。左が白いアクリル板で厚さが8ミリと厚いものです。中央に写っている薄い茶色のものが透明なアクリル板で茶色に見えるのは裏側に張っている傷防止用の紙です。厚さは同じく8ミリになります。右側に見えるのが黒いアクリル板で厚さは同じく8ミリになります。

小さな焼印をアクリル板に押す。

普通は、プラスチックに焼印を押す場合、半田ごて式の焼印で温度コントローラを使用した方が良いのですが、今回はあえて直火式焼印で挑戦します。実は、直火式焼印でも工夫次第で温度を一定にすることが出来ます。今回、熱源として使うアルコールランプは炎が安定しているので、炎のどれくらいの位置に焼印の印面を持ってくるか決めて、(炎は外側の方が温度が高く、内側の方が低くなります。)炙る時間を一定にすれば印面の温度差を小さくすることが出来ます。

焼印を加熱
焼印をアルコールランプで加熱

上の写真は今回の実験で実際にアルコールランプで焼印を加熱している様子です。炎からの距離をこの位にして30秒加熱して、次に押す前に一度水で冷やしてからなるべく同じ条件で押せるように工夫しました。

焼印を透明なアクリル板に押す。

最初に透明なアクリル板に焼印を押しました。種類の違う3種類を押しましたので、デザインによる印影の違いもご覧頂ければと思います。

透明アクリル板に柿の焼印
透明アクリル板に柿の焼印を押しました。

上の写真は、柿のミニ焼印を透明なアクリル板に押した時の画像です。透明なアクリル板をカメラで撮るのは難しく、見やすいようにアクリル板を青空にかざして撮りました。下記の上の方がぶれてしまいました。実は、アクリル板は思った以上に硬く、おまけに印面が熱いので板の上で印面が滑りやすくなってしまうので注意しないとブレが出てしまいます。ミニ焼印は15ミリ程の大きさです。

透明アクリル板に楓の焼印
透明アクリル板に楓の焼印を押しました。

次に楓のミニ焼印を押しました。楓の焼印は葉の形をしたベタの黒塗り焼印だったので柿の焼印よりも滑りやすく、その分押すのが難しくなります。

透明アクリル板にメロンの焼印
透明アクリル板にメロンの焼印を押しました。

メロンの焼印を透明なアクリル板に押して見ました。この3種類のデザインの焼印を選んだ理由は、柿の焼印は線で構成されていて、楓の焼印はベタな黒塗り、メロンの焼印はその中間位だったので、デザインと焼印の押し具合の参考になると思い選びました。

焼印を白いアクリル板に押す。

白いアクリル板に同じ焼印を同じ条件で押して見ます。見比べて頂ければ幸いです。

白いアクリル板に柿の焼印
白いアクリル板に柿の焼印を押しました。

上の写真は白いアクリル板に柿の焼印を押した時の画像です。写真が撮りにくかったので少し斜めにして撮影しました。透明なアクリル板に比べて溶けやすく感じました。

白いアクリル板に楓の焼印
白いアクリル板に楓の焼印を押しました。

同じく楓の焼印を押しましたが、明らかに透明なアクリル板に押した時より表面が軟らかくて、その分、印面が深くめり込み、周りが溶けて丸みを帯びています。

白いアクリル板にメロンの焼印
白いアクリル板にメロンの焼印を押しました。

最後にメロンの焼印を白いアクリル板に押して見ました。写真が撮りにくく角度がつきすぎて見えにくいかもしれませんが、透明なアクリル板の方が綺麗に押せる事がわかりました。

焼印を黒いアクリル板に押す。

黒のアクリル板に試し押しして見ました。色を付ける為に透明なアクリルに色素を混入していると思いますが、それが原因で、アクリルの熱に対する感度が変わってきていると思います。

黒いアクリル板に柿の焼印
黒いアクリル板に柿の焼印を押しました。

上の写真は黒いアクリル板に柿の焼印を押したものですが、線の太さを比べると透明なアクリル板が一番細く、その次に黒いアクリル板で一番太いのが白いアクリル板でした。このことから熱に一番強いのは透明なアクリル板で次ぎに黒、そして白と続く事がわかりました。それと一番押しやすいアクリル板は透明なものである事もわかりました。

黒いアクリル板に楓の焼印
黒いアクリル板に楓の焼印を押しました。

続いて楓の焼印を黒いアクリル板に押して見ました。線が太くなっているように見えますが、焼印の印面が滑りやすく、その分輪郭がぶれてしまいました。

黒いアクリル板にメロンの焼印
黒いアクリル板にメロンの焼印を押しました。

メロンの焼印も黒いアクリル板に押してみました。3色のアクリル板に押しましたが、透明が一番硬く、熱にも強いようでその分、輪郭も細くてぶれにくいので、アクリル板に焼印を押すのでれば透明な板が一番良いと思います。