焼印製作の応用

別商品への焼印技術応用

友人から相談をもらい、焼印作りで使っている幾つかの製法を応用して別の商品作りを試作しました。今回、使用した技術は、焼印の鋳造用蝋型原型をつくる時に使う3D切削の技術と同じ焼印を複数個作る時に使う、シリコンゴムの製作技術の2つで、焼印とは関係がないのですが、メタルアートで特注品を作る時に使うUVレジン(紫外線硬化型樹脂)に関する技術も混ぜ合わせました。
小樽には、「青の洞窟」と呼ばれる海に面した海岸線があり。観光名所として数多くの業者が船を出しています。この遊覧ツアーを友人の所でも行っており、差別化をはかる目的から色々なイベントと組み合わせいて、磯でカニを釣る体験等を追加していましたが、何かの製作体験も組み込みたいとの事で、磯でカニ釣り体験を行っているのでその場所で小さな貝殻等を拾い、その自分で拾った貝殻を利用して思い出に残るものを作ってもらいたいとの事で、プラスチックに貝殻を封入してキーホルダーやペンダントとして持ち帰ってもらうのが良いのではという事になりメタルアートで試作品を作ってみる事になりました。
以前、観光のお土産品としてアクリル樹脂に小物を封入した商品を販売していましたので、作業工程や必要な道具等すべて揃っていたのですぐにかかりました。
価格や利便性、必要な機材等(体験として行う為には人数分の機材が必要になりますので、なるべく低価格でできるものとしました。)を列挙して3種類の樹脂を
選びました。
(1)注型用エポキシ樹脂
比較的価格が安く、強度もある樹脂ですが、透明性はアクリル樹脂より劣
ります。只、硬化時間がかかるので体験後に持ち帰る事が出来ません。
(2)注型用アクリル樹脂
透明性に優れた樹脂で、一般に売られている昆虫などを封入したものはこ     の樹脂で作られています。価格はエポキシ樹脂より少し高く、固まるまで
の時間もエポキシ樹脂と同じくらいかかります。
(3)UVレジン
価格は、エポキシやアクリルよりも高いのですが、紫外線ランプを使うと
数分で固まりますので、製作して持ち帰ることが可能です。
以上の3種類の樹脂を考慮してUVレジンを使う事にしました。

焼印製作法の応用

見本として何を作るかを考えて今回は、「青の洞窟」の写真から、洞窟の入り口部分を模って、文字を入れる事にしました。

青の洞窟
小樽の青の洞窟

上の写真は小樽の青の洞窟の入り口部分が写った画像です。この入り口部分を外形にして中に「青の洞窟」と文字を入れてデザインする事にしました。

蝋型原型
蝋型とシリコン型

写真の左の青い塊が、焼印を作る時と同じく切削した蝋型です。只、焼印を作る時には左右反転しますが今回は反転していません。少し見にくいのですが右の白い塊が、UVレジンを流し込む型になります。紫外線の通りを少しでもよくするために半透明のいシリコンゴムを使いました。

青の洞窟UVレジン製作

シリコンゴム型だ出来たので実際にUVレジンを入れて作ります。今回は試作品だったので、ダイソーで売っている小分けになっているUVレジンを使いました。

ダイソーUVレジン
100円ショップのUVレジン

UVレジンは色のついている物と透明な物があります。又、透明なUVレジンに染色剤を入れて色を付ける事も出来ますが、今回は試作なので、透明とブルーの2本を購入しました。
又、体験で使うので、製作時間も関係してくる事から、紫外線ランプも購入して実際にかかる製作時間も求めました。

UVランプ
購入したUVランプ

上の写真はアマゾンで購入したUVランプです。本来は、ネイルを固める為に使うものですが、価格が1,500円と安く、数をそろえるにも負担にならないのでこれに決めました。

青の洞窟キーホルダー
試作の青の洞窟キーホルダー

最初に何も封入しないでUVレジンを入れてみました。買ってきたUVレジンのブルーの色が少し濃かったので、透明なUVレジンと2層にして使う事にして、最初に文字のある側に透明なUVレジンを入れて硬化させてからブルーのUVレジンを加えて硬化させました。

キーホルダー表側
青の洞窟キーホルダーの表面

出来上がった青の洞窟キーホルダーの表面の写真です。文字部分は凸文字になっていますので、ゴム型は反対の凹になり、気泡がたまりやすいので、楊枝で丁寧に気泡ととります。又、スポイトを用意しておくと、気泡部分を吸い取るのに便利です。表面は、文字を彫る時についた細かな傷の為にすりガラスのような透明度になっています。

キーホルダー裏側
青の洞窟キーホルダーの裏面

裏面の写真になります。裏面は、レジン液を重ねてそのまま硬化させましたので透明度が高く光沢もあります。又、表面張力で端が丸くなっていますので仕上げもいりません。

青の洞窟ペンダント
試作の青の洞窟ペンダント

続いてペンダントを作ってみました。中に貝殻を封入したかったのですが。手元になかったので替わりに銅の小さなリベットを入れてみました。

ペンダント表側
青の洞窟ペンダントの表面

上の写真は青の洞窟ペンダントの表面の拡大写真です。中央部分に見えるのが貝殻の代わりに埋め込んだ銅の小さなリベットです。

ペンダント裏側
青の洞窟ペンダントの裏面

裏面から撮りました。裏面は透明度が高いのでリベットがハッキリと写っています。

ペンダント側面
青の洞窟ペンダント側面

上の写真は青の洞窟ペンダントを側面から撮ったものです。表面から見た時に中に入れたリベットが見えにくいようにしつつ、裏面からはハッキリ見えるようにして、さらに青い色が濃くならないように3層構造にして中間の透明部分を厚くして両側の青い部分を薄くして作りました。

キーホルダーとペンダント
キーホルダーとペンダントの側面

写真は出来上がったキーホルダーとペンダントを横から写した画像です。キーホルダーの方は2層で厚さが3.5ミリあり、表面2分と裏面2分の合計4分の硬化時間がかかりました。ペンダントの方は、厚さが約8ミリあり1層の硬化に2分かけましたので合計6分の硬化時間になりました。
UVレジンは少し高めなのですが、すぐに硬化させることが出来るのし、手軽に色を混ぜる事も出来るのでUVレジンを薦めようかと思います。
もう少し工夫する余地がありますので、時間をかけて良くしていきたいと思います。