海外からの焼印製作依頼

海外で使う焼印

日本の会社や個人が海外に販路を求めての進出する事が多くなった近年、色々な国から焼印の製作依頼があります。困ったことに英語が堪能でないので、翻訳サイトを利用してしのいでいるのが現状ですが、日本語のわかる方を間にいれてお問い合わせ頂ける方も結構いますので、助けられることも多くなっています。
海外の国によっては、焼印自体を使用しない国があったり、又食品で使えるような焼印がない場合が多々あります。
日本人は、衛生意識が高く、海外で焼印を使う場合も、製法や使われている焼印に有害な重金属が含まれていないか等注意を払うので、現地で条件の合う焼印を見つけることが難しく、サイト経由で日本の業者さんに問い合わせが来るようです。
実際にご注文頂ける場合、直火式焼印であれば特別の問題もないのですが、電気ゴテ焼印n場合には色々問題が起きるので以下の3通りのパターンになります。

国内用の100Vの電気ごてを使う場合

海外での電気ゴテ焼印を使用する場合、一番簡単なのが、国内で使っている電気ゴテ焼印をそのまま海外で使うことです。この場合、良い所も悪い所も出てきます。

長所

1.普段製作しているままの仕様で作るので、納期が短く、急いでいる場合には有   利になります。
2.製作経験が沢山ありますので、電気ゴテの出力(ワット数)と印面の大きさの関係がハッキリしていますので、使う焼印にあったぴったりの電気ゴテをオススメ出来ます。
3.焼印完成後の試し押しが可能で、ヒーター等の消耗品がいつでも入手可能

短所

1.使う国にあった適切な変圧器が必要になります。
2.故障の場合には、日本まで送ってもらうことになり、時間とコストがかかる。
3.変圧器を通して使うと、日本で使う場合より、ヒーターの寿命が短くなり(電圧を同じにしても周波数が違ったりする為と思われる。)交換頻度が上がる。

上の2つの画像は、海外で和食レストランを営んでいるお客様からのもので、日本の方なので、日本製品に拘りがあるようで日本の電気ゴテを使う事になりました。

海外製電気ゴテの成功例

アメリカで和食店を営んでいる方からの注文で、店で使う割箸用の焼印を電気ゴテで作りたいとの事でした。
今回は、アメリカ製の電気ゴテを現地で買ってもらいそれを使って焼印を作る事になりました。
お客様の方でアメリカのAmazonのページから何種類かの現地の電気ゴテの画像を送ってもらい、ワット数や形状による使いやすさ等を相談して、柄の曲がったアメリカ製の電気ゴテを購入してもらいそれに合わせて焼印を作りました。
色々と問題も出てきましたが、最後には、満足のいけるものになりました。

長所

1.現地仕様になっているので、そのままコンセットに差し込めば使えること
2.故障や消耗品のヒーターが切れた場合には、その場で対応が出来る事

短所

1.出来た焼印を現地で使う状態で試し押しができないこと
2.追加の焼印を印面だけ作る場合、日本の電気ゴテの軸棒と太さが違うので、現地で軸棒をかって送ってもらう必要がある事

左の画像は、アメリカ製の電気ゴテです。先端が曲がっていて使いやすい構造になっています。中央は、出来上がった電気ゴテ焼印と試し押しの為に現地から送ってもらった割箸に焼印を押した画像です。右の写真は、押した割箸だけをまとめたものです。このアメリカの電気ゴテ、曲がっている角度が計算されていて非常に使いやすく、本来は割箸に手で焼印を押すのは難しく、スタンドがいるのですが、この電気ゴテの場合には、私でも手で簡単に押すことができました。

海外製電気ゴテの失敗例

カンボジアの日本食レストラン経営の日本人の方から相談を受けて現地の電気ゴテを使って焼印を作る事になりました。
今回は、現地にいるスタッフがカンボンジアの電気ゴテを購入して送ってもらいそれに合わせて作る事になりました。
一応、こちらから、作る焼印の大きさに合わせて熱量100W1本と200W1本の合計2本をお願いすることになりました。
現物の写真での確認も出来なかったので、到着までどのような電気ゴテがくるかわかりませんでした。

長所

今回は、うまくいかなかったので、長所と言えるものがありませんがあえて上げると、現地での電気ゴテの完成度を知ることが出来ましたので、次回、同じことがあったら、日本製をオススメ出来ることです。

短所

カンビジアの電気ゴテ自体が、半田付けできれば良いという位の完成度で作られていました。軸棒と電気ゴテ本体の接地部分がガタガタで焼印の印面を取り付けてもガタガタと動くので、上手く押すことができないばかりか、熱の伝わりも悪く、規格通りの熱量を軸棒に伝えられないと思います。このように、焼印用には不向きなものがあることがわかりました。

左の画像は、カンボジア製220V100Wと200Wの電気ゴテです。 軸棒が短く、中のヒーターとの隙間が大きすぎて、熱が効率的に伝わらないと思います。左から2番目は柄の部分の電力表記です。左から3番目は、出来上がった焼印を電気ゴテを並べて撮ったものです。軸棒の短さがよくわかると思います。
右は、印面だけの写真で大きい方は、幅40ミリと幅80ミリの2本です。出来上った焼印、220V用なので、日本で試し押しができませんので、現地に送って使って見ることにしましたが思ったように焼けずに、結局、後日、日本製の100Wと200Wの電気ゴテに付け替えて、変圧器を使って使ってもらうことになり
ました。

結果として

電気ゴテ自体の完成度がそれぞれの国で違うので、完成度の高い高性能な電気ゴテが販売されている国では、現地の電気ゴテを使っても大丈夫だが、電気ゴテの完成度の低い国の場合には日本製を変圧器を使って使用する事がよいようです。