盾枠の焼印

盾の形をした枠が付いた焼印を作りました。焼印の枠はつける場合とつけない場合の割合は6:4で6割は枠が付いています。その中でも丸い枠や四角い枠が断然多く今回のような盾の形の7角形は初めてです。枠が付くことで全体的に引き締まり、格調の高いデザインになる事と、枠が付く事により印面が押すものに触れる面積が大きくなり、その分、力が均等にかかりやすくなり、綺麗に焼印を押しやすくなるのが枠が好まれる理由の一つだと思います。只、お菓子類の場合には枠がない方が良い場合があります。例えば饅頭の場合、中心部分が周りより高くなっていますので、その分、焼印の印面の面積が大きくなると印面が触れない部分が出てくる可能性がある為です。いつもご注文を頂きますお菓子屋さんの職人さんにお聞きしたところ、どら焼きに焼印を押す場合に、枠のあるデザインや印面が大きめのデザインの場合には、どら焼きの餡を入れる前の焼きあがった皮がまだ熱いうちに平らな状態で焼印を押して、それから餡をくるむそうです。又、どら焼きの皮に焼印を押す場合には、焼き上がりの方が良く、熱で表面が硬めになっていて、内側が柔らかく水分を適度に含んでいる状態が一番押しやすく、焼がってから時間がたつと、内側の水分が表側にうつり、内部の水分が減る事で綺麗に押しにくくなるそうです。又、ある職人さんは、デザイン的に細かくてうまく押すのが難しい場合には、霧吹きを使い微量の水分を与えてから焼印を押す場合があり、その時も普通の水ではなくお菓子専用に工夫した液体をかけるそうです。それが何なのかは、教えてくれませんのでわかりませんが、独自の工夫があるそうです。

 

盾枠焼印
盾枠焼印の画像

盾型の枠の焼印を木の板に試し押しした時の画像です。大きさは、高さ25ミリで、80Wの半田ごてに取り付けました。藤の文字の内側が少し茶色に変色しているのは、焼印を押した時にでる高温のガスの逃げ場がなく木の表面を加熱したせいです。