焼印をお湯で加熱する

低い温度での焼印押印

今まで、焼印を加熱するのに、バーナーの炎や半田ごての電気ヒーターの熱を使ったものをご紹介してきましたが、今回は、比較的低い温度で焼印を温めて、色々なものに押して試してみます。第一弾として、お湯で焼印の印面を温めて使ってみました。お湯の場合、沸騰させても100度が限度で、焼印を長く沸騰したお湯につけていれば理論上は印面の温度が100度になると思います。(多分98度前後かと思いますが?)その温度で変形するような素材を選んで試し押しします。
今後は食用油(天ぷら油)を加熱して150度前後にしたものと、溶かした錫の中に印面をつけて200度前後に加熱した場合で試していく予定です。

お湯加熱装置
焼印をお湯で温める装置

上の写真は、今回、焼印をお湯で温める為に準備した機材になります。アルコールランプでビーカー内の水を加熱して使います。アルコールランプの下に見える青い物と白い物は、スタンドが高すぎたので、アルコールランプを高くするために置いたものです。

お湯で温めた焼印をPP(ポリプロピレン)に押す。

最初に比較的熱に弱いプラスチックとされているPP(ポリプロピレン)にお湯で約100度に加熱した印面を押してみたいと思います。プラスチックには、融点という溶ける温度と熱変形温度という柔らかくなる温度があります。ちなみにPPの融点は、160度、熱変形温度は、69度~77度になります。

PPの容器
ポリプロピレンの容器

上の写真は、今回、試し押しに使ったポリプロピレンの容器です。綿棒を入れる容器ですが、裏面の表示でPP製と確認できましたので使いました。ちなみに蓋の平らな部分に焼印を押してみました。

PPへ焼印
ポリプロピレンに焼印を押す。

上の写真は、ポリプロピレンの蓋にお湯で温めた焼印を押しあてた実際の画像です。お湯が沸騰してからしばらく待って焼印の温度が100度近くになっていたと思いますが小さな後しかつきませんでした。(ちなみに今回使った焼印は肉球の焼印です。)ポリプロピレンの熱変形温度が70度前後なので綺麗な凹みが出来るかと思いましたが微かに凹んだだけで終わったのは、焼印の印面自体の温度は十分にあったのに、印面が小さく、熱容量も小さかったために、 ppの蓋に触れて急激に印面温度が低下したのが原因だと思います。残念な結果でした。

お湯で温めた焼印をワックスに押す。

続けて同じ条件で、モデリングワックスに押してみました。このモデリングワックスは、色々な端材を混ぜて再利用したものなので正確な融点はわかりません。

ワックスに焼印
お湯で温めた焼印をワックスへ押す

写真はモデリングワックスにお湯で温めた肉球の焼印を押したものです。ネコの肉球だとわかる位凹んで周りが溶けています。ワックスの融点が低かったようで、もう少しぬるめのお湯にした方が綺麗に押せたと思います。

お湯で温めた焼印をチョコレートに押す。

最後に、別の焼印(肉球にはワックスがついているので、楓の焼印にしました。)をお湯で温めてチョコレートに押して見ました。

チョコレート画像
試し押しのチョコレート

写真のチョコレートの裏側の平らな部分にお湯で温めた焼印を押しました。

チョコに焼印
チョコレートに焼印

上の写真は、お湯で温めた楓の焼印をチョコレートに押した時の画像です。印面の温度が少し高ったようで溶けすぎていますね。その内に温度管理して実験してみたいと思います。

最後に!

お湯で焼印を温めると比較的低い温度で試し押しできるので色々と活用法があるようです。お湯で溶ける金属なんかも試すと面白いでしょうね。