元号の焼印

昭和から平成に変わった時、私はまだ東京でサラリーマンをしていました。当時、小渕首相が新しい平成という元号が書かれた紙を掲げている姿を今でも覚えています。

平成の元号
平成の始まり

平成の焼印

平成が始まった時にはまだ、メタルアートをはじめていなかったので、平成特需の焼印の注文があったかどうかはわかりませんが、平成がもうじき終わる事が告げられてから「平成」という焼印の注文が増え始めました。印鑑屋さんであれば元号が変われば書類に押す為の新たな印鑑を作る事になるであろうことは予測できますが、焼印の場合も特需にあずかれるのでしょうか?平成という元号には、内外、天地ともに平和な日々が訪れるようにという願いがこめられいるそうです。ここ近年、地震や異常気象による被害も多かったので、次の元号が始まる年には、平穏な暮らしやすい時代になればと願っています。昭和天皇がご高齢だった時に、内閣審議室長だった的場さんという人が万一の場合に備えて次の元号を考えていたそうです。その時、候補が3つあり、その中の一つが平成だったそうです。ちなみに残りの2つの候補は、正化と修文だったそうです。

どら焼き用平成焼印製作

今回、製作依頼を受けたのは、どら焼きに押す為の平成という焼印です。実は、メタルアートでは焼印ミニシリーズでも「平成」という焼印を販売していますが、今回のお客様は、その焼印ミニシリーズの平成をお饅頭に押していた方で、どら焼き用の焼印としては小さすぎるという事で改めて製作する事になりました。

製作した平成焼印
製作した平成焼印の画像

上の写真は今回、製作した平成焼印の鋳造後の画像です。鋳造が終わり、冷水につけて型材を落とした時に写真を撮りました。小渕首相の掲げていた「平成」の書からトレースして作ったもので、材質は真鍮製で焼印の印面の彫の深さは6ミリの深彫りで、直火式で柄を90度曲げた仕様で作りました。又、なるべく焼印の台座は小さくしてほしいとの事でしたので余分な部分は削除しました。

平成焼印試し押し
平成焼印を紙に試し押し

写真は、出来上がった平成焼印を厚紙に試し押しした時の画像です。試し押しする場合には、柄の曲がった直火式焼印を平らな紙に押すのが、難しいので、一度、真っすぐな柄に付け替えてから試し押しをして、その後、曲がった柄に付け替えて出荷します。どら焼き等のお菓子に押す焼印の場合には、どら焼きの押す面の厚みがあるので横から印面を持って行って押した方が能率よく押せますが、平らな薄いものに焼印を押す場合には、上から見ながら印面を押しあてた方が押しやすい為です。直火式の焼印でも印面を6ミリまで深く彫っていますので、紙にも綺麗に押すことが出来ます。はたして、今回、元号が変わった事による焼印の注文がどれくらいあるか今から楽しみにしています。

 

 

生物多様性の焼印

生物多様性(BIO DIVERSITY)札幌と書かれた焼印を製作しました。生物多様性とは色々な沢山の生物が生存しあって住んでおり、お互いに色々な影響をあたえつつ生きているというような意味だと思います。生物多様性にかんする条約がありその中での定義は「すべての生物の間の変異性をいうものとし、種内の多様性、種間の多様性及び生態系の多様性を含む」と書かれています。人類にとっても大切な事で、たとえ人に害を与える細菌類であっても自然の中の一部として機能しており、直接は影響しなくてもなくてはならない存在という事ではないかと私は解釈しています。毎年、多くの生物が絶滅している今の地球環境では、色々な多くの種の生物を大切にして共存していかないと人類も多大な影響がでると思います。私の身の回りでも、昔は、ザリガニやメダカ等の生き物がすぐそばで見る事が出来ましたが、今は殆ど見る事もなくなりました。人間が経済ありきで開発を進め、共存しなければならない生物を絶滅に追いやっている状況が痛ましく思います。古代文明が栄えた遺跡が見つかりますが、その中には、高度に進んだ文明を持っていたものもあり、そんな高度文明を持っていた人たちも、文明を発達させることにより、周りの環境や生態系等に悪影響を与えた結果、絶滅したのではと考える事もあります。

生物多様性焼印
生物多様性の焼印です。

上の写真は、出来上がった焼印を厚紙に押した時の画像です。自然が多いと言われる北海道ですが、多くの自然が失われいる事は事実ですので、すべての生物が共存できる良い環境を残しつつ生活して行く事が人間にも必要な事だと思います。
この焼印の大きさは、幅30mm程ですが、木製の木札に大量に焼印を押す為に、大きめの150W半田ごてを取り付けて製作しました。