棒に押す焼印

楕円枠の中に縦書きで導引棒という文字が入った焼印を作りました。丸い棒材に焼印を押す事を考えると、押す棒の長軸にそって長いデザインの方が押しやすくなります。それでも実際に棒に押すときには、棒を固定しておいてから、焼印を両手で包むように持つようにして、棒の丸い頂点部分に焼印の幅の中心が来るようにして、軽く押してから右、左に焼印を持っている手だけでなく体ごと傾けるような感じで押すと綺麗に押しやすくなります。いずれにせよ、十分に試し押しして練習してから押さないと難しいと思います。

棒に焼印
棒に押す焼印

上の写真は出来上がった導引棒という焼印を厚紙に押した時の画像です。スケールの通り高さ30ミリ×幅8ミリ程の焼印で100W用の半田ごてに取り付けて製作しました。「導引棒」とはどのような棒なのか興味があったのでネットを調べましたが、「導引棒」としては載っていなかったので、「導引」と「棒」に分けて調べてみました。導引とは、体を動かす事によって血行や気の流れを良くして体の調子を整える方法の事で、古代中国の道家が編み出したとの事です。ちなみに道家とは、諸子百家と呼ばれる中国の戦国時代に出てきた思想家の事を言い、儒家、道家、法家、名家等があり、その中には、老子や荘子という有名な人たちも多く含まれます。この事から想像して、導引棒とは健康を促進するために体を動かす動作やその補助の為に使う木の棒の事だと思われます。実際には、焼印をご注文頂きましたお客様にお聞きしないとわからないと思いますが、私の想像上はこのようになります。この焼印を作る時に、デザインとしては頂戴せずに、言葉で説明を受けて、メタルアートの方で幾つか焼印の候補をご提示しての中より選んで製作する方法をとりました。一般の方からの焼印注文の場合、頭の中に作りたい焼印のイメージは持っていても具体的にデザインとしてご提供頂ける場合が少ないので、こちらでなるべく詳しく話を聞いてそれを元にデザインをご提示して作る事も結構あります。