行燈の焼印

お祭りの時に見かける行燈の焼印を製作しました。行燈とは昔の照明器具で、中でロウソクや油を燃やして光をだして使うものですが、時代劇の江戸城の場面で良く出てくるような廊下の隅に明り取りとして置いてある備え付けのものから、大奥の場面で出てくるような女中さんが見回りの時に持ち運んでいるような携帯用のものもあるようです。行燈ではありませんが、江戸時代の捕り物番組の時に出てくるようなガンドウとよばれる照明道具は良くできていると関心しました。江戸時代の照明というと、ローソクや油を燃やした炎の明かりだけでしたが、ローソクをいれた提灯のようなものは、向きを変えたり、斜めにしたりすると炎の向きが変わり、提灯本体を燃やしてしまったり、火が消えてしまう事もありましたが、ガンドウは、重りと回転する円形の帯で常にローソクの炎が上向きになるように、工夫されていて上に向けても下に向けても斜めにしても前方を照らせるようになっていました。当時の人は色々と工夫する事に長けていたのでしょうね。

行燈の焼印
お祭りの行燈の焼印

上の写真は行燈の焼印を厚紙に試し押しした時の画像です。この焼印の仕様は直火式で大きさは写真からわかる通り高さ45mmほどですが、印面の彫が6ミリの深彫り仕様の焼印でしたので、二重線になっている部分や細かな部分を製作するのが難しい焼印でした。今ではあまり見かける事がなくなりましたが、私の住んでいた小樽の高島町でも昔は、お盆の時期に、ねぶた祭の行燈を小さくしたような行燈を作って練り歩く行事がありました。今では行われなくなりましたが、その当時の写真や8ミリテープの画像を見ると懐かしく思います。小樽市内には、独特なお祭りや行事が沢山ありましたが、後を受け継ぐ人がいなく、自然になくなっていったものも多く懐かしさと同時に寂しさも感じます。