空港と玉葱焼印

あるお客様から空港の焼印と玉葱の焼印を同時にお受けいたしました。このお客様はお菓子屋さんで、ご注文頂くときは、直火式焼印で柄を90度曲げて、印面の彫は6mm深彫りで作ります。今回も同じ仕様で作りましたが、線が細い分6ミリの深彫りでは調整しないとならない部分が出てきます。又、6ミリの深彫りにしますと、鋳物の型(鋳造用石膏を使っています。)部分も細くなり欠けやすくなるために、いつもより石膏に加える水の量を石膏100gあたり2cc少なくして、普通は、石膏を水に溶かしてから一次脱泡という石膏だけで空気を抜く作業をしてから、石膏を鋳型に入れて二次脱泡という鋳型内の空気を抜く作業にかかるのですが、なるべく細い部分の強度を出す為に、一次脱泡をしないで、その分、石膏を良くかきまぜるのに時間をかけて二次脱泡だけをしてから次の作業にかかります。又、鋳造の時にも、鋳型の温度を普段より少し低めにして行い、普段は、溶かした金属を注入した時に振動を与えて型に隅々まで流れるようにするのですが、6ミリの彫の焼印の場合は逆に、振動を与えないように静かに鋳型を鋳造機にセットして揺らさないように静かに鋳造作業を行います。鋳造後の焼印の印面洗浄も、細かくで深い部分までブラシが入らない為に、歯科用の細い針棒を使い少しずつかきとる方法をとります。

出来上がった空港と玉葱の焼印

下の写真は出来上がった空港の焼印と玉葱の焼印を厚紙に試し押した時の画像です。印面の彫が深いので細かな割には綺麗に押せています。只、直火式焼印で柄を90度曲げて作っているので試し押しは難しく(柄が真っすぐな方が断然押し安いです。)試し押しする時にプライヤーを用意して、印面が紙にあたった時に曲がった柄の部分を掴んで押し付けるようにしています。

伊丹空港そらやんの焼印画像

伊丹空港の焼印
伊丹空港の焼印画像

伊丹空港の80周年記念に作った焼印です。どら焼きに押す為に作った焼印ですが、印面の彫が6ミリあっても綺麗に押すのは難しいデザインです。恥ずかしながら伊丹空港が何処にあるか私はわかりませんでしたので調べましたら大阪国際空港の別名の事だと知りました。関西圏には、大阪国際空港と関西国際空港があるのですね。関西国際空港は良くニュースでも取り上げられるので、知っていましたが、伊丹空港は知らない人も多いと思います。それと、調べてみてわかったのですが、大阪国際空港となっていますが、国内便の運行となっていました。そう言えば、関西圏には神戸空港もあったと思います。この焼印に飛行機のキャラクターについても調べてみました。このキャラクターは、関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港の3つの空港を管理する関西エアポートグループの公式キャラクターの「そらやん」というそうです。声に出して呼ぶときには、「ら」の部分にアクセントを置いて呼びます。そらやんは関西弁を話し、空港内にいる人のお手伝いをするのを日課にしているそうです。焼印の画像からはわかりにくいのですが首元にスカーフを巻いていてスカーフを集める事とお洒落をすることが好きだと言っています。

玉葱(たまねぎ)ぼうやの焼印

玉葱の焼印
玉葱キャラの焼印

出来上がった玉葱のキャラクターの焼印を厚紙に押した時の画像です。この玉葱ぼうやには、足が2本ありますね。画像からわかるように大きさは高さ50ミリ程で大きめの焼印になるのですが、実際に押すときの事を考えて、直火式の金属棒部分は、軽い細目の6ミリネジ棒を使っています。本来ならば、8ミリネジ棒が適しているのですが重さの関係で6ミリにしています。画像からもわかると思いますが、玉ねぎの縦筋部分、細くて長くなっていますので、6ミリの彫の深い焼印として鋳造する場合には、うまく出ない可能性がありますので、多少、太めにして鋳造し、鋳造後にルーターで線を細く削って仕上げています。
大阪には、「泉州たまねぎ」と呼ばれる特産品があり、全国の玉ねぎの元祖が大阪の泉州で、明治時代にアメリカから入ってきた玉葱を元に泉州で改良、育てられて全国に広まったそうです。私は全くしりませんでした。