元号の焼印

昭和から平成に変わった時、私はまだ東京でサラリーマンをしていました。当時、小渕首相が新しい平成という元号が書かれた紙を掲げている姿を今でも覚えています。

平成の元号
平成の始まり

平成の焼印

平成が始まった時にはまだ、メタルアートをはじめていなかったので、平成特需の焼印の注文があったかどうかはわかりませんが、平成がもうじき終わる事が告げられてから「平成」という焼印の注文が増え始めました。印鑑屋さんであれば元号が変われば書類に押す為の新たな印鑑を作る事になるであろうことは予測できますが、焼印の場合も特需にあずかれるのでしょうか?平成という元号には、内外、天地ともに平和な日々が訪れるようにという願いがこめられいるそうです。ここ近年、地震や異常気象による被害も多かったので、次の元号が始まる年には、平穏な暮らしやすい時代になればと願っています。昭和天皇がご高齢だった時に、内閣審議室長だった的場さんという人が万一の場合に備えて次の元号を考えていたそうです。その時、候補が3つあり、その中の一つが平成だったそうです。ちなみに残りの2つの候補は、正化と修文だったそうです。

どら焼き用平成焼印製作

今回、製作依頼を受けたのは、どら焼きに押す為の平成という焼印です。実は、メタルアートでは焼印ミニシリーズでも「平成」という焼印を販売していますが、今回のお客様は、その焼印ミニシリーズの平成をお饅頭に押していた方で、どら焼き用の焼印としては小さすぎるという事で改めて製作する事になりました。

製作した平成焼印
製作した平成焼印の画像

上の写真は今回、製作した平成焼印の鋳造後の画像です。鋳造が終わり、冷水につけて型材を落とした時に写真を撮りました。小渕首相の掲げていた「平成」の書からトレースして作ったもので、材質は真鍮製で焼印の印面の彫の深さは6ミリの深彫りで、直火式で柄を90度曲げた仕様で作りました。又、なるべく焼印の台座は小さくしてほしいとの事でしたので余分な部分は削除しました。

平成焼印試し押し
平成焼印を紙に試し押し

写真は、出来上がった平成焼印を厚紙に試し押しした時の画像です。試し押しする場合には、柄の曲がった直火式焼印を平らな紙に押すのが、難しいので、一度、真っすぐな柄に付け替えてから試し押しをして、その後、曲がった柄に付け替えて出荷します。どら焼き等のお菓子に押す焼印の場合には、どら焼きの押す面の厚みがあるので横から印面を持って行って押した方が能率よく押せますが、平らな薄いものに焼印を押す場合には、上から見ながら印面を押しあてた方が押しやすい為です。直火式の焼印でも印面を6ミリまで深く彫っていますので、紙にも綺麗に押すことが出来ます。はたして、今回、元号が変わった事による焼印の注文がどれくらいあるか今から楽しみにしています。

 

 

生物多様性の焼印

生物多様性(BIO DIVERSITY)札幌と書かれた焼印を製作しました。生物多様性とは色々な沢山の生物が生存しあって住んでおり、お互いに色々な影響をあたえつつ生きているというような意味だと思います。生物多様性にかんする条約がありその中での定義は「すべての生物の間の変異性をいうものとし、種内の多様性、種間の多様性及び生態系の多様性を含む」と書かれています。人類にとっても大切な事で、たとえ人に害を与える細菌類であっても自然の中の一部として機能しており、直接は影響しなくてもなくてはならない存在という事ではないかと私は解釈しています。毎年、多くの生物が絶滅している今の地球環境では、色々な多くの種の生物を大切にして共存していかないと人類も多大な影響がでると思います。私の身の回りでも、昔は、ザリガニやメダカ等の生き物がすぐそばで見る事が出来ましたが、今は殆ど見る事もなくなりました。人間が経済ありきで開発を進め、共存しなければならない生物を絶滅に追いやっている状況が痛ましく思います。古代文明が栄えた遺跡が見つかりますが、その中には、高度に進んだ文明を持っていたものもあり、そんな高度文明を持っていた人たちも、文明を発達させることにより、周りの環境や生態系等に悪影響を与えた結果、絶滅したのではと考える事もあります。

生物多様性焼印
生物多様性の焼印です。

上の写真は、出来上がった焼印を厚紙に押した時の画像です。自然が多いと言われる北海道ですが、多くの自然が失われいる事は事実ですので、すべての生物が共存できる良い環境を残しつつ生活して行く事が人間にも必要な事だと思います。
この焼印の大きさは、幅30mm程ですが、木製の木札に大量に焼印を押す為に、大きめの150W半田ごてを取り付けて製作しました。

スズランの焼印

スズランの影絵のようなシルエットの焼印を作りました。スズランは学術的にはスズラン属の多年草の一つで、華麗で小さな可愛らしい白い花を沢山つけますので、庭に植えている家庭も多いと思います。君影草、谷間の姫百合とも呼ばれますが、全体に強心配糖体と呼ばれるコンバラトキシン、コンバラマリン、コンバロシド等の毒を含んでおり、北海道では、その姿が行者ニンニクに似ている事から時期になると食中毒の注意喚起がなされます。ちなみに札幌市の花に認定されています。スズランの花をよく見ると花の咲きの部分がくびれて開いていて小さな鈴のような形をしているいのでスズランと呼ばれていると誰かから聞いた事がありましたが調べた所、葉が蘭に似ていて花が鈴に似ている事からついた名前でした。又、スズランと聞くと可憐なイメージがあるためか、会社や商店の名前に使ったりする事も多いようです。ヨーロッパでは聖母マリアの花ともいわれており結婚式のブーケにも使われています。スズランは良い香りがするので、香水や石鹸等の残量にも使われる事があるそうです。スズランには沢山のはなことばあり、「純潔」、「幸福の再来」、「謙虚」等がありますが、裏の花言葉というものがあり「あなたの死を望みます」というのが裏の花言葉になっているとの事です。

スズラン焼印
スズランの焼印

上の写真は出来上がったスズランの焼印を厚紙に試し押しした時の画像です。この焼印、大きさは幅30ミリと小さいのですが、木製の板の裏にマグネットを張り付けた商品に押す為に、一度に大量の焼印を押すので、大きめの150Wの半田ごてを取り付けて、焼印スタンドを使って押す為の冶具も同時に作りました。「ズ」の濁点部分が小さいので、印面の彫は深くしないで標準的な3ミリ凹にして納めました。

棒に押す焼印

楕円枠の中に縦書きで導引棒という文字が入った焼印を作りました。丸い棒材に焼印を押す事を考えると、押す棒の長軸にそって長いデザインの方が押しやすくなります。それでも実際に棒に押すときには、棒を固定しておいてから、焼印を両手で包むように持つようにして、棒の丸い頂点部分に焼印の幅の中心が来るようにして、軽く押してから右、左に焼印を持っている手だけでなく体ごと傾けるような感じで押すと綺麗に押しやすくなります。いずれにせよ、十分に試し押しして練習してから押さないと難しいと思います。

棒に焼印
棒に押す焼印

上の写真は出来上がった導引棒という焼印を厚紙に押した時の画像です。スケールの通り高さ30ミリ×幅8ミリ程の焼印で100W用の半田ごてに取り付けて製作しました。「導引棒」とはどのような棒なのか興味があったのでネットを調べましたが、「導引棒」としては載っていなかったので、「導引」と「棒」に分けて調べてみました。導引とは、体を動かす事によって血行や気の流れを良くして体の調子を整える方法の事で、古代中国の道家が編み出したとの事です。ちなみに道家とは、諸子百家と呼ばれる中国の戦国時代に出てきた思想家の事を言い、儒家、道家、法家、名家等があり、その中には、老子や荘子という有名な人たちも多く含まれます。この事から想像して、導引棒とは健康を促進するために体を動かす動作やその補助の為に使う木の棒の事だと思われます。実際には、焼印をご注文頂きましたお客様にお聞きしないとわからないと思いますが、私の想像上はこのようになります。この焼印を作る時に、デザインとしては頂戴せずに、言葉で説明を受けて、メタルアートの方で幾つか焼印の候補をご提示しての中より選んで製作する方法をとりました。一般の方からの焼印注文の場合、頭の中に作りたい焼印のイメージは持っていても具体的にデザインとしてご提供頂ける場合が少ないので、こちらでなるべく詳しく話を聞いてそれを元にデザインをご提示して作る事も結構あります。

行燈の焼印

お祭りの時に見かける行燈の焼印を製作しました。行燈とは昔の照明器具で、中でロウソクや油を燃やして光をだして使うものですが、時代劇の江戸城の場面で良く出てくるような廊下の隅に明り取りとして置いてある備え付けのものから、大奥の場面で出てくるような女中さんが見回りの時に持ち運んでいるような携帯用のものもあるようです。行燈ではありませんが、江戸時代の捕り物番組の時に出てくるようなガンドウとよばれる照明道具は良くできていると関心しました。江戸時代の照明というと、ローソクや油を燃やした炎の明かりだけでしたが、ローソクをいれた提灯のようなものは、向きを変えたり、斜めにしたりすると炎の向きが変わり、提灯本体を燃やしてしまったり、火が消えてしまう事もありましたが、ガンドウは、重りと回転する円形の帯で常にローソクの炎が上向きになるように、工夫されていて上に向けても下に向けても斜めにしても前方を照らせるようになっていました。当時の人は色々と工夫する事に長けていたのでしょうね。

行燈の焼印
お祭りの行燈の焼印

上の写真は行燈の焼印を厚紙に試し押しした時の画像です。この焼印の仕様は直火式で大きさは写真からわかる通り高さ45mmほどですが、印面の彫が6ミリの深彫り仕様の焼印でしたので、二重線になっている部分や細かな部分を製作するのが難しい焼印でした。今ではあまり見かける事がなくなりましたが、私の住んでいた小樽の高島町でも昔は、お盆の時期に、ねぶた祭の行燈を小さくしたような行燈を作って練り歩く行事がありました。今では行われなくなりましたが、その当時の写真や8ミリテープの画像を見ると懐かしく思います。小樽市内には、独特なお祭りや行事が沢山ありましたが、後を受け継ぐ人がいなく、自然になくなっていったものも多く懐かしさと同時に寂しさも感じます。

食品機械用の焼印

食品を製造販売しておりますある会社様からの御注文で、ライン化された専用の食品機械(焼印もそのラインの一つです。)で使う為の焼印を作りました。その会社様から最初にご注文を頂いた時には、手作業で焼印を押していらしたので、300W用電気ごてを使い、その電気ごてに合わせた仕様で焼印を作っていましたが、途中から能率的な理由から専門の機械を作る事になりその時に、いままで使っていた300Wの電気ごての仕様に合わせた専用の機械を作りました。残念ながらメタルアートではそのような機械はできませんので、機械が完成したあとに、その機械に合うように何度か仕様変更して今に至ります。

機械に合った焼印の製作

機械が出来上がって最初の時は、300W電気ごて仕様のままで納めましたが、使っている内に色々と問題が出てきて変えていかないとならない部分が出てきました。

焼印の印面製作

焼印のメインとなる印面部分の作り方は、電気ごて式の時も専用の機械になってからもかわりません。只、印面の彫の深さは、6ミリ彫を標準にするようにして(デザイン的な問題で5ミリ位しか彫れない場合もあります。)台座部分も厚めにして製作しています。又、同じデザインの焼印を複数本作るので、ゴム型を取ってコピーできるようにしています。

焼印デザイン
頂戴した焼印デザイン

上の写真は焼印製作用に頂きましたデザインです。この画像よりデータを製作して作りますが、印面が20mm程なので、線の太さを変えないと深く彫ることが出来ない部分が出ますので、20mmで6ミリ彫れるような線幅に調整してからデザインを確認頂き製作にかかります。

焼印製作用デザイン
焼印を作る為のデザイン

上の画像が焼印用に補正したデザインです。印面を6ミリ彫れるように調整して作りました。

焼印の棒部分の仕様

焼印自体は、19ミリの真鍮棒に印面を取り付けて作ります。最初に作ったときは、切ったままの棒材に焼印の印面をロウ付していましたが、焼印自体が重くなることと、熱の伝わり方を良くするために19ミリに真鍮棒に13ミリの穴を棒材の長さより10ミリ短く空けて作る事に仕様が変わりました。

焼印の棒の旋盤加工
旋盤で焼印棒に穴あけ

写真は旋盤で19ミリの棒材に13ミリの穴を開けている様子です。棒材の両面は端面加工して垂直にしてから、センタードリルでセンター決めをして穴あけ加工に入ります。

穴あきの焼印棒
穴を開けた焼印用の心棒

上の写真はセンターに13ミリ穴を開けた300W用19ミリ棒の画像です。心棒に穴を開ける事で熱の回りは格段に良くなりますし、温度センサーを穴の部分に差し込むことによりより正確な温度管理が出来るようになるそうです。

焼印の全長の仕様

今まで焼印の棒をいれた全体の長さについて細かな指定はありませんでしたが。専用の機械を使う事により、一度に幾つもの焼印を機械に取り付けてて使う事になりますので、1本1本の焼印の全長が違うと、印影に影響が出るとの事で、焼印の全長も正確に作る事になりました。実は、焼印の印面部分は鋳造で作りますので、印面の裏側の台座部分は鋳造後平らになっていません。そこで平らにするために削るのですが、この加工をすると、印面ごとに高さが少し違ってきます。今までは、手で押していましたので多少の高さは問題なかったのですが、機械に取り付けてる為に全長を一定(印面の先から棒の後ろまで90.0ミリ)にする必要があり、印面1個1個を計りながら、棒材を旋盤で微調整して長さが90.0ミリになるようにしてからロウ付する事になりました。この手間が結構かかり、一人で仕事をしているのでその分、納期が長くなってしまいました。

焼印全長
焼印の全長画像

上の写真は焼印の印面部分をロウ付けしたあとにノギスで計っている画像です。ノギスの最低感度は0.05ミリですが、ノギスの目盛上は90ミリジャストになるように調整して作っています。焼印の左端部分が変色しているのは、ロウ付するために加熱したことによる変色です。
焼印自体は消耗品なので使っていくうちに印面部分も摩耗します。その摩耗の仕方も機械を使っても一様ではなく、減り方にバラツキが出てくるようで、印影にも影響が出る事があるそうです。只、その辺はメタルアートで対処できませんので、機械に焼印の印面を取り付ける際に、なるべく同じような摩耗のものを選んで取り付けてる以外に方法はないようです。機械を使って大量に焼印を押す作業は思ったよりも焼印の印面部分の摩耗が大きいようで、摩耗した焼印は棒部分も一緒に処分する事になりますので、どうにか棒の部分を残して印面部分だけを変えて使う方法がないかと思案中ですが、印面と棒の部分をしっかりとロウ付けしないと熱の伝わりが悪くなることと、印面部分だけを取り換えるようにしたときに全長の長さの精度の維持がしにくい部分が出てきますので今の時点では、良い方法がないか探っている状態です。

焼印の印面部分
出来上がった焼印印面部分

上の写真は焼印の印面部分をとったものです。ロウ付していますので、全体にくすんだ色をしています。印面の彫が6ミリと深い事と真鍮という材質、デザインを構成する線が細い事により、機械で使うとその分、焼印の寿命が短くなりますが今の所、よい解決法は見つかっていません。

 

 

 

 

安価焼印用リング製作

量販用の製作で安い焼印をご提供できるように、鋳造時に使う鋳造用リングも自作する事にしました。元来は、只の丸いステンレス製の筒を使っていましたが、これでは、鋳型1個に対して焼印用印面1個ずつしか鋳造出来ませんでしたので小さな焼印でも製造原価を抑える事が難しかったので、ツリー鋳造用の穴あきリングを作ります。

焼印鋳造に使えるリング

実は市販でもツリー用に使える鋳造用の穴あきリングが販売されています。只、サイズ的に小さな焼印の印面を多数ツリーとしてつけることに向いているサイズのリングがなかった事と、販売されている穴あきリングの価格が高ったので一から作る方が良いと判断しました。

市販の穴あきリング

下の写真は市販の穴あきリングの画像です。これと同じような構造のリングを作ります。

市販のリング
市販の穴あきリング

上の写真のようにステンレス製のパイプに穴を開けてその上部にステンレス製のツバを溶接した構造になっています。鋳造機の方には、このステンレス管よりも少し太い丸い穴があいたアダプターがあり、その穴の中に焼成した鋳造リングをいれて、ツバの所で塞ぐような構造になり塞がった下の方のリングの穴全体から真空ポンプで空気を吸い込みつつ、ツバの上部から溶けた金属を流し込むことにより隅々まで綺麗な鋳造物を作る事が出来る仕組みになります。
市販のリングは径が90ミリでしたが、製作する焼印の印面が小さい事と、径が大きくなれば、一度に電気炉に入れることが出来る本数が少なくなるので、必要最低限の径の鋳造リングを多数電気炉に入れることが出来るほど製造原価を抑える事ができるので、量販用の15ミリ位の大きさの焼印の場合には50ミリ位の径のリングがちょうどよく、鋳造機の大きさから算出した理想のリングサイズは、50×135ミリになり、このサイズのリング1本で、ツリーを立てて15ミリ程度の焼印の印面を鋳造すると3本×6列で一度に18本の焼印の印面を鋳造する事ができる計算になります。

焼印用リング作り

材料となるステンレスのリングを用意しますが、前に鋳造リングとして使う為にヤフオクで車のマフラー用のステンレス管の端材をまとめて買ったものがありますのでそれを使います。端材なので色々な太さと長さのステンレス管が混ざっていますが、径50.8ミリ×長さ133ミリの管(厚さ1.5ミリ)がありましたのでそれを使う事にしました。

ステンレス管
製作用のステンレス管

ステンレス管には、グリスがついていましたので、シンナーで綺麗にふき取ってから、端材なので管の切り口が鋭利な状態になっていたので、棒ヤスリで端を丸めて作業しやすくします。

ツバの部分
リングのツバ部分

上の写真は、同じくヤフオクで購入したステンレス板です。厚さ3ミリ、幅75×300ミリありましたので、75×75ミリに四角く切断してから、ケガキして51ミリの穴を開けてるのですが、専用工具がありませんでしたので、ドリルで円周に沿って沢山の穴を開けてからくり貫き、ヤスリをかけて丸く削りました。手作業で丸くしたので楕円形でステンレス管よりやや大きめの径になりましたが、溶接時に必要な隙間と考えると丁度よい具合でした。

リングに穴開け
穴あけ作業の画像

写真はスレンレス管に吸引用の穴をあけている所です。ステンレス管の周囲に、6.5ミリのドリルで合計32個の穴を開けました。穴を開けた後に管の内側にバリができるので丁寧にヤスリで削り取ります。ステンレス管は結構、穴を開けにくいので、切削油をたらしながら開けます。

溶接前の画像
鋳造リング溶接前の画像

写真は、穴を開けたステンレス管とステンレス製のツバを合わせた時の画像です。この後に管とツバの合わせ目を隙間なく溶接していくのですがステンレスの溶接経験がほとんどないので、緊張します。溶接は、エンジン溶接機を使いアーク溶接します。管の厚さが1.5ミリ、ツバが3ミリでしたので、ステンレス用の溶接棒は2ミリの物を使う事にしました。軟鉄のアーク溶接はたまにしていましたが念の為に溶接機の説明書を読み直した所、鉄とステンレスの溶接で電極のプラスとマイナスを変える必要がある事を初めて知りました。真空ポンプで吸引した時に空気の漏れがないようにキチンと溶接する必要がある個所なので、一度、溶接してから研磨して穴がないか確認して穴がある場合再度溶接しなおす事にしました。

ツバと管の溶接
境目を溶接します。

溶接は、鋳造リングが動かないように、万力に固定して、万力本体にアースクリップを取り付けて行います。円周部分を隙間なく溶接しないとならないので、溶接ビートが途切れないように体を動かしながら丁寧に溶接を行います。
溶接が終了後、ピッキングハンマーで溶接時のスラグを叩いて取ってから、ステンレス管とツバの部分に隙間がないか確認したところ、小さな隙間が2か所程ありましたので、その部分だけを溶接して埋めなおして再度、隙間の確認を行ったところ、隙間がなかったので、完成として今回作った焼印鋳造用のリングを使い鋳造作業してみたいと思います。実際に鋳造機に取り付けてどの位吸引できるかを確認しないと成功とはいえないので後は試してみるだけです。上手く鋳造出来ましたら同じリングを6本位作り、別の少し大きめのリングも数本作る予定でいます。

安い焼印へ挑戦1

メタルアートでもヤフーオークションやメルカリ等で安く売っている焼印もあります。これは、電気炉の空を利用して稼働率を上げる為に始めましたが、今回、本格的に取り組んでいきたいと思い問題点を洗い出して対策を立てようと思いました。焼印を作っている業者さんの殆どは、金属の塊を削る方法で作っています。最も削り方色々で、CNCマシーンにエンドミルや超硬カッターをつけて削る業者さんから、放電加工機を使い切削する業者さんが殆どだと思います。それぞれに長所と短所があり、メタルアートで行っている鋳造にも他にはない長所があります。その長所というのは、一度に多くの印面を作る事が可能という事ですが、その長所を活用するには、幾つかの問題を解決する必要もあります。
今までは、一点物の焼印を作る事をメインに考えてきましたので、ロストワックス鋳造のなかでも、単独法とよばれる一つの鋳型に一つの焼印印面という形で鋳造する事が多かったのですが、ツリー法とよばれる一つの鋳型に複数個の印面をセットして鋳造出来る方法に変えてみる事にしました。これには、ツリー法に向く専用の鋳造リングが必要になりますが、リングのサイズと価格的に使えそうなものが見つかりませんでしたので、専用の鋳造リングを自作する事にしました。この鋳造リングの自作につきましては別のページでご紹介いたしたいと思います。 別の問題として焼印の印面以外の部分についても、焼印を安く製造して販売するための工夫が必要になってきます。その一つに直火式焼印の柄の部分と棒の部分があります。市販の柄(木製)は、ヤスリの柄を使っていますが小さなサイズのものが量販されていないので、これも自作しました。柄に取り付ける棒の部分ですが、小さな安い焼印をつくる場合に適した棒材(普段は、スンギリというネジ棒を切って使っています。)もありませんでしたので、細くても強度のあるステンレスの4ミリ棒を使いました。

小さな安価焼印
小さな安価焼印の画像

上の写真は、部材も自作した小さな安価焼印の画像です。柄の部分は木製の丸棒、棒の部分は4ミリのスレンレスの棒を使っています。

安価な焼印用棒材の自作

実は技術的な問題と製作にかかる時間的な問題を解決しないとならないものに、焼印用の棒材の製作があります。棒材に選んだ4ミリのスレンレス棒は、強度があり曲がりにくく小さな焼印用には良いのですが、材質が硬い為に、ネジを切るのが大変で時間もかかり、難易度も高いものでした。安価な焼印を量販するには、この問題の解決も必要でした。今まではダイスという雄ネジを切る道具を使い手作業で1本ずつ作っていましたが製作方法を変えないとだめなので、手元にある道具類を活用して効率よく出来る方法を考えました。

一般的な焼印棒材の加工

今までは、スンギリというネジ棒を使っていましたので、雄ネジを切るのはダイスによる手作業でしたので、効率を良くするために加工用に使っている旋盤を利用する事にして旋盤で普通に雄ネジを切る為の方法を探しました。

ダイスホルダー
ダイスホルダー画像

上の写真は、普通に旋盤を使い雄ネジを切る為のダイスホルダーという工具の写真です。旋盤の芯押し台という部分に取り付けて使います。残念ながらメタルアートにはダイスホルダーがなく、今回、安価な焼印を作りたいとの思いがあったので、購入しての製作ではなく、今あるものを工夫して使ってできないか考えて別の方法を思いつきました。

焼印用のネジ棒の製作

ダイスホルダーを購入しなくても、今ある旋盤だけを使い工夫して簡単に能率よくステンレスのネジ棒を作る方法を思いつきました。難しい方法ではなく、逆転の発想で使い方を変えただけでできる事がわかりました。

ダイスを装着
旋盤にダイスを装着

上の写真は、その逆転の方法で雄ネジを切る為に、旋盤の三つ爪チャックに4ミリ用のダイスを取り付けた画像です。この時、チャック面に対して平行になるように注意してダイスを取り付ける必要があります。

芯押し台部分
旋盤芯押し台部分

次に旋盤に芯押し台部分にドリルアタッチメントを取り付けて、その先に焼印の棒材になる4ミリのステンレス棒を取り付けます。

焼印用ネジ棒加工
焼印用のネジ棒を作る

続いて芯押し台の固定ネジを緩めてダイスの所に棒材がつくまでずらして、ネジを固定しないでそのままにしておきます。

チャック部分
チャック部分の画像

続いて旋盤にチャックを締める為のハンドルを穴に入れて加工する準備をします。この後、旋盤は手で回しますので電源は切っておいて下さい。

芯押し台を押す
手で芯押し台を押す

4ミリのスレンレス棒を取り付けた芯押し台を、右手で押し付けたままで左手でチャックを手前の方向に回しますと、ダイスに棒材が食い込んで行きネジが切れます。この方法ですと直角を出す必要もなくダイスホルダーも必要なく焼印のネジ棒を作る事ができます。 邪道な方法ですが、手でネジを切るよりは早く、確実にネジ棒を作ることが出来ますので、この方法で行く事に来ました。
次には、焼印の印面を安く効率的に鋳造出来るように自作の鋳造リング製作をとりあげてみます。

 

 

 

 

 

 

空港と玉葱焼印

あるお客様から空港の焼印と玉葱の焼印を同時にお受けいたしました。このお客様はお菓子屋さんで、ご注文頂くときは、直火式焼印で柄を90度曲げて、印面の彫は6mm深彫りで作ります。今回も同じ仕様で作りましたが、線が細い分6ミリの深彫りでは調整しないとならない部分が出てきます。又、6ミリの深彫りにしますと、鋳物の型(鋳造用石膏を使っています。)部分も細くなり欠けやすくなるために、いつもより石膏に加える水の量を石膏100gあたり2cc少なくして、普通は、石膏を水に溶かしてから一次脱泡という石膏だけで空気を抜く作業をしてから、石膏を鋳型に入れて二次脱泡という鋳型内の空気を抜く作業にかかるのですが、なるべく細い部分の強度を出す為に、一次脱泡をしないで、その分、石膏を良くかきまぜるのに時間をかけて二次脱泡だけをしてから次の作業にかかります。又、鋳造の時にも、鋳型の温度を普段より少し低めにして行い、普段は、溶かした金属を注入した時に振動を与えて型に隅々まで流れるようにするのですが、6ミリの彫の焼印の場合は逆に、振動を与えないように静かに鋳型を鋳造機にセットして揺らさないように静かに鋳造作業を行います。鋳造後の焼印の印面洗浄も、細かくで深い部分までブラシが入らない為に、歯科用の細い針棒を使い少しずつかきとる方法をとります。

出来上がった空港と玉葱の焼印

下の写真は出来上がった空港の焼印と玉葱の焼印を厚紙に試し押した時の画像です。印面の彫が深いので細かな割には綺麗に押せています。只、直火式焼印で柄を90度曲げて作っているので試し押しは難しく(柄が真っすぐな方が断然押し安いです。)試し押しする時にプライヤーを用意して、印面が紙にあたった時に曲がった柄の部分を掴んで押し付けるようにしています。

伊丹空港そらやんの焼印画像

伊丹空港の焼印
伊丹空港の焼印画像

伊丹空港の80周年記念に作った焼印です。どら焼きに押す為に作った焼印ですが、印面の彫が6ミリあっても綺麗に押すのは難しいデザインです。恥ずかしながら伊丹空港が何処にあるか私はわかりませんでしたので調べましたら大阪国際空港の別名の事だと知りました。関西圏には、大阪国際空港と関西国際空港があるのですね。関西国際空港は良くニュースでも取り上げられるので、知っていましたが、伊丹空港は知らない人も多いと思います。それと、調べてみてわかったのですが、大阪国際空港となっていますが、国内便の運行となっていました。そう言えば、関西圏には神戸空港もあったと思います。この焼印に飛行機のキャラクターについても調べてみました。このキャラクターは、関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港の3つの空港を管理する関西エアポートグループの公式キャラクターの「そらやん」というそうです。声に出して呼ぶときには、「ら」の部分にアクセントを置いて呼びます。そらやんは関西弁を話し、空港内にいる人のお手伝いをするのを日課にしているそうです。焼印の画像からはわかりにくいのですが首元にスカーフを巻いていてスカーフを集める事とお洒落をすることが好きだと言っています。

玉葱(たまねぎ)ぼうやの焼印

玉葱の焼印
玉葱キャラの焼印

出来上がった玉葱のキャラクターの焼印を厚紙に押した時の画像です。この玉葱ぼうやには、足が2本ありますね。画像からわかるように大きさは高さ50ミリ程で大きめの焼印になるのですが、実際に押すときの事を考えて、直火式の金属棒部分は、軽い細目の6ミリネジ棒を使っています。本来ならば、8ミリネジ棒が適しているのですが重さの関係で6ミリにしています。画像からもわかると思いますが、玉ねぎの縦筋部分、細くて長くなっていますので、6ミリの彫の深い焼印として鋳造する場合には、うまく出ない可能性がありますので、多少、太めにして鋳造し、鋳造後にルーターで線を細く削って仕上げています。
大阪には、「泉州たまねぎ」と呼ばれる特産品があり、全国の玉ねぎの元祖が大阪の泉州で、明治時代にアメリカから入ってきた玉葱を元に泉州で改良、育てられて全国に広まったそうです。私は全くしりませんでした。

 

焼印を茶ダンボールに

大きめの焼印を製作しましたので、デザイン的には細かくなく色々な物に試し押し出来そうな焼印でしたので、荷物を送る場合に使う茶色の普通のダンボールに焼印を押して見ました。ダンボールの構造につきましては、知っている方も多いと思いますが、上と下の紙の間に波型の紙が接着してあり、強度と軽さを実現していますね。実はこの構造、焼印を綺麗に押す為には邪魔な作りとなります。例えば焼印を押す場合に少し力を入れると、上の紙の部分が焦げて強度がなくなりその下の波型の部分に突き抜けてしまいます。そこで、力を抑えめにして、印面全体がダンボールの表面にあたるように焼印を押す必要がありますが、これが結構難しく、厚紙を平らな物の上に載せて焼印を押すときよりも、焼印を綺麗に押しにくい原因になっています。又、茶色の色も焼目の黒い色とのコントラストが弱いので綺麗に見えない原因になっていますし、普通の白い紙よりダンボールぬ使われている茶色の紙の方が周りが焦げやすいようです。

茶ダンボールへ焼印
茶色のダンボールへの焼印

上の写真は普通に使われている茶色のダンボールに焼印を押した時の画像です。細かくて小さな焼印の場合には、ダンボールに綺麗に押すのが難しく、今回は試すチャンスだと思いました。焼印のデザインは目覚まし時計のキャラクターだと思います。このデザインのように上の部分にベルがついた構造の目覚まし時計、最近見かけませんね。私の所でも学生時代に使っていましたが、当時はゼンマイ式で、寝る前に明日起きる時間をセットしてゼンマイをまいて寝ていました。そう言えば今は目覚まし時計を全然つかっていません。不思議なことに年を重ねるようになってから、起きようと思う時間に自然に目が覚めるようになりました。それも結構時間的にも正確で、例えば明日、朝6時半に起きようと思うと大体6時20分前後に目が覚めてしまいます。年のせいでそうなるという記事を呼んだ事がありますが、年を取ると眠りが浅くなり、寝る前に思っていたことが原因になり覚醒するのだと書いていました。そう考えると私の体内時計は結構正確なんだなと思ってしまいます。目覚まし時計で思い出しましたが、近ごろ、腕時計をすることも無くなってきたようです。普段は自宅で仕事をしているので、時間を確認出来るものが近くにある為かもしれません。出かける時には、携帯電話をもっていきますので、携帯電話で時間確認ができるので、腕時計は不要になってしまったようです。便利は生活を根本からかえるのでしょうね。