焼印中抜き寿

お菓子屋さんからの注文で「寿」という文字の焼印をよく作りますが、今回は珍しく中抜き文字でアウトラインで構成された寿という文字の焼印を作りました。中抜き文字の焼印は印面が焼くものに触れる面積が少ないので、綺麗に押しやすいのですがその分、細い線が多く、製作は難しくなります。お菓子のように表面が柔らかい素材の場合には有効な焼印になり焼くものに触れる面積が少ないという事は、印面に強い力が加わる事を意味しており、その分、普通の焼印よりもやや弱めに押した方が良い焼印になります。寿という文字は、おめでたい時に使われる事が多い文字ですが、特に結婚に関する事で使われる事が多い文字です。又、縁起がよい文字とされているので、色々な所で使われており、駅の名前や地名や会社の名前等にも使われています。別の読み方に「じゅ」という読みかたがあり、長寿や天寿のように命が長く続く様子を表す事からもおめでたい文字とされています。変わった所では、別名で寿と呼ばれる植物もあり、南アフリカ原産のハオルチア.レツーサと呼ばれる植物で、葉に特徴があり、葉が三角形の立体的な形をしています。又、キンポウゲ科の植物にも寿とかいてヒサと読む種類があります。寿の文字には旧文字の画数の多い壽の文字もあります。

中抜き寿焼印
中抜き寿焼印の画像

上の写真は出来上がった中抜き寿の焼印を試し押しで厚紙に押した時の画像です。この焼印の大きさは、高さ35ミリ×幅22ミリで、お菓子に押す為の焼印ですので、直火式仕様で柄を90度まげ、印面の彫の深さも通常の倍の6ミリの深彫にしてあります。又、試し押しの画像からはわかりませんが、クリアな印影を確保するために焼印の印面部分には多くのガス抜き穴を開けて仕上げました。