理義字の焼印

山田さんからのご注文で同じ粉という漢字が2文字並んでいる焼印を製作しました。「粉粉」という焼印で何と読むのかはわかりませんでしたが、調べてみると予想通りに「こなごな」と読み、物が壊れて細かく砕ける時につかう「こなごな」でした。又、面白い事に、粉粉粉粉粉(コナゴ:コナの文字が五つ並んでいるので)というゲーム作家がいらっしゃる事も書かれていました。調べている過程で、粉粉のように同じ漢字が続く事を理義字という事をしりました。その理義字についての解説を見てみると、同じ漢字を2つないし3つ組み合わせて作られる漢字の事で、別な意味で形態が奇妙な漢字や形が面白い漢字のい事を指す事があるそうです。只、3つ以上並んでいる場合は理義字とは言わず、逆に漢字の作りの一部に同じ漢字が並んでいるような場合には、理義字を含む漢字(協、脇など)と呼ぶそうです。江戸時代に寺子屋等で漢字の勉強をするために用いた理義字集などもあったそうです。又、同じ漢字を続ける場合(早々、佐々木等で使われる)に表す「々」は理義字とは別ものだそうです。後で知ったのですが今回作りました山田さんの焼印「粉粉」はお店の名前だそうです。

山田さんの焼印
山田さんの焼印画像

写真は山田さんからご注文頂きました焼印を白い厚紙に試し押しした時の画像です。写真からは大きな焼印のように見えますが、実際には、幅15ミリ×高さ6ミリの小さな焼印で、40W電気ごて仕様で作りました。小さな焼印の試し押し画像を写真で撮るのは難しく何度も撮りなおしてどうにか撮ることが出来ました。

 

バイク屋さんの焼印

田中様からガレージロングフェローという会社の焼印製作を依頼されました。焼印のロゴ部分は、ガレージロングフェロー様の頭文字から、G、L、Fを抜き出して組み合わせたデザインで下に英字でGarage LongFFllowと表記されています。ガレージは車やバイクを入れておく車庫、ロングは長い、フォローは、補填するとかカバーするという感じですので、長い間貴方の車をカバーします。というような意味合いだと思います。私も大学生の頃バイクを乗っていましたので、バイクが大好きです。日本のバイクは特に優秀で、オイル交換をきちんとしてある程度整備すれば、事故でも起こさない限り何十年でも乗り続ける事が出来るだけの性能があります。この頃、又バイクに乗りたくなってきましたので、バイクが欲しいと考えています。年齢的に60才まじかなので、カットビ系のバイクはいりませんが、大型のバイクでのんびりと走りたいと思うのでどんなバイクがいいかと考えています。例えばBMWの水平対向エンジンのR100,ハーレーダビットソンなんかも良いなと考えていますが、この手のバイク、調べてみると結構、故障が多いようなので、バイク好きで優秀な整備工さんのいる所からでないと買う事が出来ないようですので、近ければガレージロングフェロー様からでも買えるのにと思いつつ、現状では日本製のホンダあたりの大型バイクがいいかな?と思っています。

ガレージロングフェロー様焼印
ガレージロングフェロー様の焼印画像

うえの写真は、出来あがった焼印を、茶色の革に試し押しした時の画像です。大きさは、幅36ミリ×高さ45ミリで、150W電気ごて仕様で製作しました。

心臓の形の焼印

パイ焼様から心臓の形をデフォルメしたようなデザインの焼印製作を依頼されました。心臓を表すハートの形の焼印は多いのですが、心臓の形はあまり作った事はありませんでした。又この焼印にはSacred Heartという文字が含まれていました。Sacred Heartは神聖な心と訳すと思います。清らかな心を表しています。所で心はどこにあると思いますか? よく心臓と心を掛け合わす事はありますが、実際に何処に心があるかはわからないそうです。心臓や頭にあるように思いますが、例えば臓器移植手術を受けた人が、術後に好みが変わり今まで嫌いだったものが好きになったり、まったくあった事のない人を知っていたり、性格が変わってしまうことまであるそうです。実際の所、心は、心臓や脳のような一部の臓器にあるのではなく、体全体で機能してるものなのでしょうか?最近になり、医学の世界でも、各臓器や機関が複雑なネットワークを結んでいる事がわかってきたとの事ですが、このネットワーク自体が心ではないかと私は思います。臓器移植で別の人の体に入った臓器が以前と同じようにネットワークを作ろうとした影響で、好みが変わったりしているのではないかと考えるようになりました。

パイ焼様焼印
パイ焼様の焼印画像

上の写真は、出来上がった焼印をシナベニアの木板に試し押しした時の画像です。大きさは、高さ30ミリ×幅28ミリで100W電気ごて仕様での製作になりました。

裏千家の焼印

伊達様からのご注文で裏千家マークの入った焼印を製作しました。裏千家とは、茶道の流派の一つという位の知識しか私にはありませんでした。私には、妹が二人いて、上の妹がお茶を習っていましたがどこの流派だったかは覚えていませんでした。又、裏千家とは、「一般社団法人今日庵」というような法人組織を指すことや、家元とその家族らで構成される宗家を指す場合、弟子、門下生を含む流派組織を指す場合等があるそうです。裏千家と呼ばれる所以は、千利休から家督を継いだ本家の表千家のたいして代表する茶室の今日庵が通りから裏側にある事からきています。家元制であれば当然、それぞれの技量に応じた資格がありその証としての許状という書面があります。それと同時に資格制度もあります。最初の許状が、「入門」でその後、「小習」、「茶箱点」と続き、この段階の資格を初級と言います。続いて、茶通箱、唐物、台天目、盆点、和巾点、までを中級、その後、行之行台子、大円草、引次までを上級(助講師)とし、さらに、真之行台子、大円真、正引次までを講師、次の茶名を専任講師、さらに最終的な準教授まであります。

伊達様原図
伊達様の製作用原図

上の写真は伊達様から製作の為に頂戴しましたデザイン画になります。ここから製作用のデータを作成致しました。

伊達様焼印
伊達様の焼印画像

上の写真は出来上がった焼印を杉の板に試し押しした画像です。私の間違いで写真をとる角度が違ってしまいました。上の写真を丁度、左に45度傾けると正しい見た目になります。個の焼印の大きさは18ミリ丸で80W電気ごて仕様で作りました。

かっしゃ焼の焼印

篠永様からかっしゃ焼の焼印製作を依頼されました。かっしゃ焼?とじゃどんなものでしょうか?私もわかりませんでしたので検索してみました。かっしゃ焼とは、見た目はたこ焼きのように丸い形をしており、たこ焼きは中にタコが入っていますがかっしゃ焼は、鶏肉が入っているそうです。もっと詳しくみると、味付けした生地の中にカレー風味のスパイシーな鶏肉を入れて焼いているとの事です。香川県発の食品で、今、流行しているB級グルメ大会でもグランプリをとったことのあるご当地食品です。ちなみにかっしゃ焼は登録商標になっていて漢字で書くと「勝者焼」と書くそうです。私も食べたことがないので、近くでイベントがあれば是非食べてみい一品です。B級グルメの話が出ましたが、私の住んでいる小樽市にもB級グルメがあります。それは、「小樽あんかけ焼そば」で小樽市内でかなりのお店が提供しております。残念ながら私は、あんかけのどろどろした食感が苦手で食べたことはありませんが、エビや海鮮物が入ったしょうゆ味の焼そばで、麺は、少し太めの腰のある麺を使っているそうです。ちなみにあんかけものが好きでない私は、煮凝りも苦手で、カレイの煮つけでも煮凝り部分は除いて食べます。

篠永様焼印
篠永様のかっしゃ焼の焼印
篠永様の焼印2
篠永様のかっしゃ焼の焼印2

上の写真は出来上がりました篠原様のかっしゃ焼の焼印を木に押した画像です。木肌の白さと焼印の黒とのコントラストがよく出ています。
下の写真は、かっしゃ焼の焼印を普通に梱包につかう茶色の段ボールに押してみました、段ボールは、中が空洞になっていますので、強く押すとつぶれてしまいますので、あまり力を入れずに、焼印の印面の温度を少し高めにして押した方が綺麗に押せます。この焼印の大きさは、幅40ミリ×高さ14ミリで100W電気ごて仕様で作りました。

 

 

家具屋さんの焼印

川端様からAJIMという家具屋さんの焼印製作を依頼されました。焼印屋さんにとっては家具屋さんは大切なお客様で、需要の多くを家具屋さんに依存しています。AJIM様は、お名前からは家具屋をイメージしずらいと思いますが、今の家具屋さんの名前は、見ただけでは何屋さんなのかわからないお洒落な名前が多くなってきています。なぜAJIMという名前を付けたのかと疑問に思ったので調べてみました。AJIM(アジム)とは、「海人族」を表す古語という事で、海人族とは、昔、九州地方で活動していた海や水を司る豪族の事を言うそうです。アジム様は造船の町長崎で、船舶用家具メーカーとして出発されたという事です。実は、小樽も昔は造船業が盛んでした。北洋漁業の全盛の頃は、私の生まれた小樽の高島という町にも、造船所が数か所あり、小学校時代の同級生の家が造船所をしていたので、よく造船所のなかで遊んでいました。又、私の奥さんの父親が元船大工をしていて高島にありました古崎造船という所で働いてのちに、建具屋さんを始めたとの事で、何かしら縁があるかもしれませんね。
アジム様の家具も船舶での使用で培った技術を生かして堅牢で、細部まで手を加えたこだわりの家具に現在風の洗練されたデザインを加えた新しいオリジナル家具を販売しています。

アジム様焼印
アジム様の焼印画像

上の写真は出来上がったアジム様の焼印を厚紙に試し押しした時の画像です。上の電波が発信されているようデザインの部分は、波が伝わる様子を表していると思われます。この焼印の大きさは、幅25ミリ×高さ28ミリで100W電気ごて仕様で作りました。

aboの焼印

たかはし様からご注文で、三角形を変形させたデザインの上にABOという文字がのった焼印を製作しました。ABOはロゴか何かの略語だと思われますが、私が初めに思ったのは血液型のABO方式でした。ちなみに私の血液型は、A+です。日本人に一番多い血液型で約38%の日本人がA+だそうです。逆に一番少ない血液型はAB-で、日本人の場合には、2000人に一人の割合になるそうです。
よく、学生の頃は献血をしました。昔の献血手帳には、貴方や貴方の家族に輸血が必要になった場合には、優先的に輸血が出来ると書かれていましたが、あまり献血をする人が多くなかったので血液を集めるために書かれていたと思います。勿論、今の献血カードにはそんな文章はありません。献血された血液ですが、そのまま輸血されて使われるよりも、血液製剤を作る原料や医薬品の原料に使われる方が多いと聞いてびっくりしました。代替え手段で一時的に人口血液を使う事もあるそうですが、まだ実用化はされていないそうで、今の技術では、献血が必要なのでしょうね。野戦病院や戦場では、血液が足りなくて仕方なく、天然の塩を使い代用血液を作ったという記事を読んだことがありますが、一時しのぎにしかならなくても緊急時にはそれしか方法がないようです。

たかはし様焼印
たかはし様の焼印画像

写真はたかはし様の焼印をシナベニア板に試し押しした時の画像です。大きさは、幅29ミリ×高さ14ミリで、80W電気ごて仕様で製作しました。

反転文字焼印

西村様からのご依頼で丸を使った反転文字の細長い焼印を製作しました。反転文字の焼印は結構人気があり、時々作るのですが、今回の焼印は細長い為に、一文字が小さくなり、どのように押せるか判断できない部分がありました。メタルアートでは、モデリングワックスを機械で削って蝋型の原型を作っていますが、その時に使う切削用の文字カッターと呼ばれる刃物があり、その刃物の刃先の径と円錐形になっている角度により使い分ける事があります。標準的に使っている刃物は、刃先の径が0.15ミリで刃先の角度が10度の物を使います。刃先の径は、どれだけ狭い溝まで彫れるかを決定しますし、刃先の角度は、有効彫の深さに影響します。勿論、刃先の径が小さく、刃先の角度も小さい方が、より細かく、より深く彫ることが出来ますが、その分、刃先が折れやすくなり寿命が短くなります。又、鋳造機の性能以上に細かく彫っても意味がありませんので、鋳造機の性能をギリギリまで出せる彫が出来るように刃物を選択して使います。今回のように、細かな反転文字がある場合では、なるべく刃先の径が小さく、角度も小さい刃物で彫ることになります。

左の写真は、木に試し押ししました西村様の焼印画像です。黒丸の中にある中抜き文字が読みにくくなっています。右は、同じ焼印を革に試し押しした時の画像ですが、木の時よりは、文字部分が読みやすくなっている事がわかると思います。この事から木より革の方が焼印向きの素材だとわかると思います。
この焼印の大きさは、幅50ミリ×高さ5.5ミリで、100W電気ごて仕様で作りました。

標語の焼印

金本様からの焼印依頼を受けて、peace,love,empathyという標語とロゴがついた焼印を製作しました。3つの標語は、平和、愛、感情と訳すと思います。平和ですが、地球上では、完全な状態での平和はないのでしょうね。世界中のどこかで戦争が起こっているのが現実ですので、最も、人間の向上心が戦争を引き起こす原因にもなりますので、戦争がなくなれば人間の進歩も止まるかもしれません。
利権や宗教上の違い等から戦争に発展する状況は、今も昔も変わらず、原因を究明すれば同じような問題で戦争に発展しているようです。今の日本の状況をみると、中国、韓国、北朝鮮との間に変な軋轢があり、その原因は、過去の歴史解釈とか言われていますが、実際の所、そんな所に原因はなく、一部の指導者が自分たちの都合をよくするために教育を利用して事実を改ざんして民心を操る方法をとっているからだと思います。本来、歴史とは、昔の史実をあったまま学習する事に意味があったのですが、それを政治利用する旨味を見つけ出した者が、感情操作の為に利用している限りこの問題は解決しないと思います。愛も平和の類似語的な意味がありますが、一つ間違えば愛は愛憎に変わる危険性がありますし、感情は、良くも悪くも操作されやすい事からこの3つの言葉が裏に秘めている内容と表上の意味が全く違うのも、人間の本質を表しているのかもしれませんね。

金本様焼印
金本様の焼印画像

写真は、出来上がった金本様の焼印をシナベニア板に試し押しした時の画像です。大きさは、幅23ミリ×高さ27ミリで100W電気ごて仕様で作りました。

アメリカの焼印

下村石膏東京オフィス様からの依頼でアメリカで使用する為の焼印を作りました。下村様には、前にご注文頂きましたので、今回は追加で同じものを2本製作する事になりました。前回の製作の時もアメリカから現地で使っている電気ごてを送ってもらいそれに焼印の印面を取り付けて納めました。(前回の内容の詳細は海外からの焼印依頼ページにあります。)今回、送られてきたアメリカ製の電気ごては前回の物より小さく40Wと表示されていましたので、前回の電気ごては大きすぎたようで小さい物に変えたようです。印面は、デザインも大きさも前回と変わりませんのでそのまま、電気ごてに取り付ける事になります。国産の電気ごてですと試し押しをすることが出来ますが、海外産の電気ごての場合、試し押しできませんので、印面部分を電気ごての棒にロウ付けした後の余熱を利用して、試し押しする程度の確認になります。

左の写真は、出来上がった下村様の焼印の全体を写した画像です。今回、アメリカから送られてきた電気ごては、持ち手の部分が三角柱になっているお洒落なデザインのもので、日本では売られていない形のものです。表示が40Wになっていましたので、電圧の低い日本で、工夫して試しても本来の能力の40Wまで熱量をあげることはできないのが残念です。 右の写真は、印面側から写したものです。今回も前回同様に、印面の彫の深さは、5mmと深めに彫りました。写真の印面が汚れているのは、ロウ付けの為に加熱した時の変色で、使用には、問題はありません。前回の時と同じく、割り箸におして使うそうですので、前回のような先が曲がった電気ごてではなく、真っすぐなものにしたかもしれないと今思いました。