英字の難しい焼印

ある個人の方よりSpring Flavor と書かれた焼印の製作を依頼されました。この焼印の文字のデザインが、中抜き文字よりも製作が難しい線も細くて、所々、線が切れている書体でしたので、上手く出来るかどうか不安でしたが、サイズが幅58mmと大きめだったので作ることにしました。仕様は200W電気ゴテで作りました。

スプリングフレーバーの焼印
難しい線が欠けた書体の焼印製作

上の写真は製作しましたスプリングフレーバーの焼印の画像です。見たとおり上のSpring flavorの文字が、特殊でしたので、普通であれば3mmの深さで印面を彫るのですが、3mmで彫ると細すぎてうまく鋳造できない部分が出てくる可能性がありましたので、彫りを2.5mmにして製作しました。下の3羽の鳩と花とハートの部分、それと文字のSとORの部分が濃く焼けていますが、焼印の印面自体は、製作時に磨り出して平面にしていても、試し押しで押すときに、意識的に、上の中心部が焼けすぎないようにと思うために、印面の下の部分と両端に力が入りその部分が濃くなったと思われます。電気ゴテ式の焼印の場合には、熱源は、印面と電気ゴテの丸い棒が触れる中心部にあり、そこから全体に熱が伝わりますので部分的に焼き加減を調整することはできませんが、直火式の焼印であれば、バーナーの炎を当てる箇所を調整して、力が入りやすい箇所は、なるべく炎を当てないようにして、焼き加減の調整ができますが、(実際に和菓子屋さんの職人さんが直火式焼印を使うのは、同じ理由で微調整ができるからです。)電気ゴテの場合には、この微妙な調整ができないので、押すときの力加減での微調整になります。

紡ぎ車の焼印

東京スピニングパーティーの糸を紡ぐ機械のデザインの焼印を製作しました。
東京スピニングパーティーとは、2001年9月にホテルマリナーズコート東京で初めて開催された染色や手紡ぎに関する情報交換や発表の場所を設けるためのイベントです。その後、毎年行われようになりました。今では、日本全国の紡ぎや織り、染物に関する業者や羊毛、素材屋、各種教室営業者、牧場経営者等があつまる一大イベントになっています。国際色も豊かで、ブータンの織物体験やポーランドのヤノフ村の伝統的な二重織物、北欧デンマークやスエーデン、スコットランドの毛糸と普段はお目にかかれない珍しい毛糸や織物も並びます。長年、織物や染色に携わってきた老舗の工房による実演やレクチャー、羊の毛を刈ったりするような各種イベントも開催されます。もちろん、織物や染物の実演ワークショップも人気があり、人数に限りがあるので早めに申し込む事が必要です。

紡ぎ車の焼印
東京スピニングパーティーの焼印

上の写真は、製作いたしました東京スピニングパーティーの焼印の試し押し画像です。高さ35mm幅20mmの100W電気ゴテ仕様で製作しました。デザインは、羊の毛などから糸を紡ぐ時につかう紡ぎ車の影絵で、上に文字を円周状に配置したものです。文字が結構細かくなったので製作できるギリギリの所でした。
私も前に、北海道の仁木町にあります体験型の施設で羊の毛を刈っている所を見たことがあります。羊って毛を刈ると、すごく華奢で細いのでビックリした記憶があります。その場にも紡ぎ車が置いてあり、実際に紡ぐ様子を見せていました。普段は、色々な物を作る工程を見ることがありませんので、興味がありましたら実際に見に行かれる事をお薦めいたします。

 

無垢材の焼印

札幌豊平区にあります木心庵様の焼印を作りました。木心庵様は、㈱河野銘木店という1952年に創業した木の会社が無垢材専門店としてオープンしたお店です。
木心庵さんのバーカウンターテーブルは、ジャパニーズオークともよばれる北海道産の厳選された水楢の木を使い1枚板で重厚な雰囲気の板で作られています。
木のお風呂も提供しており、木の風呂と言いますと金額的に高価だと思われがちですが、木心庵さんでは、なるべく安く良い物をご提供したいということで、木製浴槽完成キットを販売しており、気軽に輸送でき、組立もドライバー1本あれば誰でもできる高品質な木の浴槽を販売しています。木の浴槽には、フィトンチットという天然成分が含まれいて、独特の木の香りを醸し出していますし、精神を安定させてリラックさせる効果があり、森林浴と同じ効能があります。
木材のオンラインショップも行っており、DIYショップ等では、お目にかかれない上質な無垢材を購入することもできます。又、料亭で使うような、分厚い天然木のまな板や木の温もりあふれるキッチンテーブル、店舗の設計やデザイン、工房も併設しており、工房には、お客様専用のスペースがあり、各種木工機械や工具の説明や木を熟知した職人さんのアドバイスを聞きながら、木材を選び、自分の手で仕上げる事もできます。

木心庵様焼印
木心庵さまよりご依頼の焼印

上の写真は木心庵様よりご依頼の焼印の試し押し画像です。幅25mm高さ20mmの小さな100W電気ゴテ焼印で、mioの部分が虫食い文字になっています。

 

諺の焼印

森山さんという個人の方の注文で焼印を製作しました。印面の文字が気になりましたので調べましたら、knock on woodとは、日本語で言うおまじないのような使われ方をする英字だとうことです。読み方は、ノック オン ウッドでそのまま訳しますと、木を叩くという意味ですが、「幸運が続きますように」とか「禍がふりかかりませんように」に近い意味で使うそうです。英語での使い方では、縁起の悪い言葉を言った後に、その言葉が現実にならないように打ち消す意味で
knock on woodと言うそうです。口語では、knock woodと短縮して使われる事も多く、英国では、touch woodといいます。近くにテーブル等の木製品がある場合には、実際に、叩きながら言うこともあります。このおまじないの謂れは色々とありますが、一番信憑性のある謂れは、自慢話しばかりしていると、復讐の女神の「メネシス」の怒りに触れて禍がふりかかると言われ、それを防ぐために、精霊が宿るとされるオークという木を叩いて、精霊に禍が降りかからないようにお願いするおまじないがknock on woodになったいうことです。

森山さん依頼の焼印
森山さんから依頼されて製作した焼印

上の写真は、実際に製作しましたknock on woodの焼印です。コミック系の書体で、幅40mmで高さ15mm、100W電気ゴテ仕様で製作しました。

 

仁淀川の焼印

葉山町の名釣会様より、仁淀川で行われる釣り大会の焼印製作の依頼を頂きました。仁淀川は四国の高知県、愛媛県にあります「日本一美しい川」と言われている川で、その川の色は、仁淀ブルー、青の神秘とも言われる日本一の清流です。もっとも愛媛県側では、仁淀川ではなく、面河川と別の名で呼ばれています。四国3番目の大きな川で、吉野川、四万十川につぐ大きさです。源流は、愛媛県の石槌山でそのから全長124kmにわたる大きな川です。漁業協同組合もあり、あゆ、あなご、モズクガニ、うなぎ、鯉等の釣りができる遊魚証の販売も行っています。販売価格は1日券が2,000円、年間利用券が8000円になっています。釣りだけではなく、水泳やカヌー等の水遊びも出来ますし、春は川のそばにある樹齢500年のひょうたん桜で花見、ゴールデンウイークには、350匹もの鯉のぼりを川に浮かべる紙の鯉のぼりのイベントや秋葉祭り等、1年を通して楽しむことができます。

仁淀川釣り大会の焼印
円形の仁淀川釣り大会の焼印

上の写真は、直径50mmの円形の仁淀川釣大会の焼印です。明朝体の書体が含まれていますので、作るのが難しい焼印でした。200W電気ゴテ仕様での製作です。丸い形の焼印は一番押しやすい形ですし、電気ゴテの焼印は中心部分の温度が高くなり、中心部が濃く焼ける傾向があるので、中心部分に細い書体を持ってくるのは理にかなっています。私は、海釣りしか行ったことが事がないので、つい、綺麗な清流でのんびりと川釣り出来たらよいなと考えてします。

山車の焼印

北海道江差町の高橋印刷様よりの焼印製作で、松寳丸という文字の焼印を製作しました。最初は、漁船の名前かと思いましたが、山車の船のようで、江差町3大祭りの一つで370年の歴史を誇る姥神大神宮渡御祭に奉納される船型の山車で北海道有形民俗文化財に指定されている物だと知りました。この山車は、大阪の船大工の棟梁太秦屋徳八郎が製作したもので、大阪の塗師や鏡師が力を合わせて作ったものです。

松寳丸の焼印
高橋印刷様の松寳丸の焼印

上の写真は、製作しました松寳丸の焼印で高さ36mm、幅13mm、100W電気ゴテ仕様で製作しました。独特な書体は、データをイラストレ-ターのパスファイルで入校頂きましたので、書体名はわかりませんでした。
松寳丸(まつほうまる)は、松前藩の財力を表した豪勢な作りで、帆の部分には、松前藩の他の船と同じく、三階松の図柄が染められています。船体は、朱塗りで、金色の飾り金具が施されており、船頭としての子供を載せて町内を回る姿は豪華絢爛なものです。松前藩の時代には、沢山のニシンがとれ、藩の財政が豊かだった事がよくわかります。その後の乱獲によりニシンの漁獲量は昭和になって激減致しましたが、近年は、今までの資源保護の対策の成果か、少しずつニシンの漁獲量も増えてきているようです。ニシンが豊漁だった昔は、よく、猫もニシンを食べなかったと言われるように大量に取れたそうです。群来(くき)とよばれるニシンのオスの出す精子で海が白く濁る現象も見られるようになり、昔のように取れるようになるかもしれません。

木製家具のロゴ焼印

東京世田谷区南烏山にあります㈱クニナカ様の会社のロゴマークの焼印を製作しました。クニナカ様は木製のオーダー家具や木製のキッチン用具や木のおもちゃや木の小物等を製作販売している会社です。木の持つ温もりや手触りを大切にして、人に優しいデザインと、手仕事によるクオリティーの高い木製品を提供し続けています。木製品には、自然の人間に優しい蜜蝋ワックスや自社特製オイルを使用しており、安全で安心できる木製品を末永く使って頂けるように1品1品真心を込めて製作されています。天然素材のオイル塗装をしていますので、長期間使っていると、艶がなくなったりする場合がありますが、そのような場合には、家具用の蜜蝋ワックスを用意して、汚れた箇所を乾拭きしてから、蜜蝋ワックスを薄く、布で塗り、円を描くように乾拭きしてもらえれば元の艶を取り戻しますし、汚れが酷い場合には、600番位の目の細かい紙ヤスリで、汚れを落としてから蜜蝋ワックスで拭けば買ったときのように綺麗になるそうです。

クニナカ様焼印
㈱クニナカのロゴの焼印

上の写真は、㈱クニナカ様の会社のロゴの焼印をシナベニアに試し押しした画像です。大きさは25mm×25mmで、80Wの電気ゴテ仕様で製作しました。両手を合わせて作った上に白と黒の正方形を配置したロゴマークの下に会社の名前のロゴが書かれています。

 

調理器具の焼印

東京杉並区にあります㈱タクミ製作所様の焼印を作りました。タクミ製作所様はキッチン用品の製造販売や業務用厨房設備、手さげカゴや工芸品の企画、製造販売をしている会社で、「和装工芸かごや」をインターネット上で運営しており、ショールームもあります。

かごやの焼印
和装工芸かごやの焼印

うえの写真は、タクミ製作所が運営している和装工芸かごやの焼印の試し押し画像です。高さ40mm、幅15mmの大きさで、既に使っている白光の100W電気ごてを利用するとの事で、100W用8mmの銅棒をつけて納めました。
和装工芸かごやさんは、自然の天然素材である山ぶどうのツルを使った編みカゴや、竹や檜、杉、イチョウ等の天然木を使ったセイロ等の台所用品の製作販売をしています。今では途絶えそうなカゴ編みの技術を持った職人さんを集めて、手仕事で複雑な製品を作り、それだけではなく、カゴ編みの文化が残る中国福建省の職人さんの技術も合わせてよりよい製品の研究、開発を行い、皆様の元にお届けしています。又、お蕎麦屋さんが使う編みカゴも人気がありますし、そば粉をひく時の石臼等そば道具全般も扱っています。最近では、財布やストラップのような小物も楽天ショップやアマゾンで販売しており、人気があります。

住宅イベントの焼印

神奈川県横浜市にあります住宅総合サービスの㈱ワカバヤシ様よりの依頼の焼印です。50年以上の歴史をもつ、地元密着型の住宅総合メーカーです。

ワカバヤシ様焼印
ワカバヤシ様イベント用焼印

上の写真は、ワカバヤシ様が物を作る楽しみを子供達とその親にも知ってもらいたいと夏休みのイベントとして開催する夏休み工作教室の製作物に記念として押すための焼印です。サイズは幅40mmで高さ19mm、100W電気ゴテ仕様での製作です。製作した日時を書き込めるように、年、月、日の間には余白を設けてあります。私の小学生の頃は、学校でも工作の時間があり、ノコギリや金づちを使うことがありましたが、今の学校教育では物を作る機会が少なく、男の子でもノコギリで木を切った経験がない子供の方が多いようです。刃物を使うことは危険もありますが、専門の人がついて指導しながら進めれば怪我をすることはまず無いですし、物を作ることは、創造力を高め、指先を使うことで脳にも良い刺激を与えますし、何よりも1つの物を完成させた時の達成感を味わえる事が一番良いことではないでしょうか。近頃はDIYブームで近くのホームセンターでも色々な電動工具や材木等の材料を手軽に買うことができますし、インターネット社会の発達で、工作の仕方等は、動画でも多く紹介されていますが、実際に自分の手で作業を行う場合には、最初は、きちんと指導してくれる人がいないと危ないので、このような工作教室に参加して、安全にノコギリ等の工具を扱うことを覚えるのも、後々大切な経験になると思います。

ペンションの焼印

北海道ニセコ町曽我490-7にありますペンションフォレストグリーン様注文の焼印を製作しました。フォレストグリーンさんはニセコアンヌプリの近くにあり山小屋風な木造の可愛いペンションで、和室1部屋、洋室4部屋で、食泊数12名、建物が混雑しているアンヌプリ近辺より少し離れていますので、静かな落ち着いたゆっくりと流れる時間を楽しめます。 又、近くのアンヌプリエリアにでれば、レストランやバーのある賑やかな地域になりますので、賑やかに遊んだあとに静かなひと時を楽しむこともできます。 アンヌプリ温泉郷やニセコ昆布温泉郷も近いので、温泉巡りをするのも良く、冬はアンヌプリスキー場でスキーで汗を流し、その後、温泉で一息ついて、宿でゆっくりとした時間を過ごすのは最高です。

ニセコの焼印
ニセコという文字の焼印

上の写真は、製作しましたニセコという文字の焼印です。焼印は20ミリ程の小さなもので、80W電気ゴテ仕様で製作しました。私が小さい頃、ニセコは今とは違い鄙びた感じのする温泉地帯という状況でしたが今では、日本で一番地価の上昇率の高い外国人に人気のスポットになりましたが、今でも湯治に、昆布温泉へ行って、昆虫採集や川で遊んだ記憶が鮮明に残っています。